iPhoneの機種変更時に覚えておきたいデータ移行の方法
新しいiPhoneに機種変更したとき、必ず行わなければならないのがデータ移行です。古くからiPhoneを利用している方にとっては、iTunesを使ったデータ移行が定番でしたが、その後iCloudが登場し格段にデータ移行が楽になりました。しかし、現在はさらに進化し、新たなデータ移行の方法が登場していることをご存知でしょうか。
今回の記事では、iPhoneを機種変更したときに覚えておきたいiPhoneのデータ移行の方法と、その手順について詳しく解説します。iPhoneの機種変更をしたばかりでデータ移行につまづいている方はもちろんですが、これからiPhoneの機種変更を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
iPhoneのデータを移行させる3つの方法
古いiPhoneから新しいiPhoneに機種変更をした場合、データを移行させるためには以下の3つの方法があります。
iTunesを利用する方法
1つ目は、iPhoneをPCに接続しiTunesを経由してデータを移行する方法です。iPhone 3Gが登場したときからおなじみの方法であり、データのバックアップや復元に今もiTunesを利用している方は多いのではないでしょうか。
ちなみに、Macを利用している方の場合、現在のMac OSにはiTunesは搭載されていないため、Finderを開いてiPhoneを選択し、バックアップや復元を行います。
iTunesを利用するメリットとしては、古いiPhoneからでもデータがバックアップできること、オフライン環境下でもデータを移行できることが挙げられます。特に自宅にWi-Fi環境がない場合や、自宅以外でデータの移行をしなくてはならない場合などにおすすめの方法といえるでしょう。
iCloudを利用する方法
iTunesに次いで登場した方法が、iCloudを利用したデータ移行です。写真や動画、アプリ、音楽といったデータをiCloud上に保存しておくことで、PCがなくてもその場で手軽にデータ移行ができるため使い勝手の良い方法といえるでしょう。
iCloudは無料で5GBまでのデータを保存できるほか、もし容量が足りない場合は月額わずか130円で50GBまでデータ容量を拡張できます。さらに動画や写真など大量のデータがある場合でも、200GBのプランは月額400円と極めてリーズナブルに利用できます。
ただし、iCloudを利用するためにはWi-Fi環境が必須となります。自宅にWi-Fi環境がない場合には、インターネット環境を用意する必要があります。
クイックスタートを利用する方法
2019年7月にリリースされたiOS12.4から新たにサポートされたのが「クイックスタート」とよばれるデータ移行方法です。iTunesはPCとケーブルで接続し、iCloudはWi-Fi経由でネットワークに接続してデータ移行を行いますが、クイックスタートは新旧のiPhone同士をBluetoothで接続しデータ移行を行います。
そのため、PC本体やWi-Fi環境がなくてもiPhone本体さえあれば簡単にデータ移行ができるのです。また、iTunesやiCloudのように事前に旧iPhoneからデータのバックアップをとっておく必要もなく、本体にデータが入っていればそのままコピーできるメリットもあります。
クイックスタートを利用するための条件
事前のバックアップが不要で、Bluetoothを利用した簡単な方法でデータ移行ができるクイックスタートですが、この機能を利用するためには新旧両方のiPhoneがiOS12.4以上のバージョンであることが条件となります。ちなみに、iOS12.4に対応しているのはiPhone 5s以降の機種に限られるため、iPhone 5を含めた古い端末はクイックスタートを利用することができません。
また、クイックスタートで移行できるデータはあくまでも写真や動画、メモといったデータに限られます。たとえば、LINEでやり取りした内容やゲームデータなど、アプリに保存されているデータはクイックスタートで移行できないため、事前にアプリ側で個別のバックアップをとっておく必要があります。
クイックスタートでデータを移行する手順
旧iPhoneから新iPhoneへクイックスタートでデータを移行する場合の手順を紹介します。
- 旧iPhoneのBluetoothをオンに設定
iPhoneの画面右上を下方向にスワイプし、Bluetoothのマークをタップしてオンに設定します。 - 新iPhoneを起動
新iPhoneにSIMカードを差し込み、電源を入れます。 - 「新しいiPhoneを設定」の手順に沿って進む
新iPhoneの電源が入ると、「こんにちは」の画面が表示されます。すると、旧iPhoneのほうに「新しいiPhoneの設定」というメニューが表示されます。メニュー内にはApple IDが表示されているため、利用中のIDに間違いなければ「続ける」をタップします。
※このとき、旧iPhoneに「新しいiPhoneを設定」が出てこない場合には、一旦スリープ状態にした後でロックを解除すると立ち上がってきます。 - 新iPhoneでアニメーションを撮影
旧iPhoneの画面上に円形状のアニメーションが表示されるため、新iPhoneでこれを撮影します。新iPhone側にはアニメーションが収まるように円形状の枠が表示されているため、その範囲内にiPhoneを動かして調整しましょう。 - パスコードの入力
新iPhone側でアニメーションが正しく認識されると、パスコードが要求されます。このパスコードは旧iPhoneで使用していたパスコードをそのまま入力します。 - 生体認証データの移行
パスコードが認証されると、Face IDまたはTouch IDのデータ移行も行うか確認画面が表示されます。ここで生体認証データを引き継がなくても、初期設定が完了した新iPhone側で改めて生体認証を登録することは可能です。 - データの転送
1〜6までの手順が完了すると、旧iPhoneに保存されているデータが新iPhoneに移行されます。ちなみに、アプリは本体からそのまま移行されるわけではなく、改めてApp Storeからダウンロードされます。
クイックスタートを利用する際の注意点
クイックスタートでデータ移行を行う場合、Bluetoothを利用するため、データ容量によっては数十分単位の時間を要します。そのため、もし大量のデータがある場合には、iTunesまたはiCloudを利用したほうが移行にかかる時間を短縮できる場合もあります。
アプリを除くデータが数GB単位であれば問題ありませんが、数十GBまたはそれ以上のデータがある場合にはクイックスタート以外の方法で試してみるのがおすすめです。