iOS12の意外と知られていない機能「計測アプリ」の使い方と活用方法

iOS12の計測アプリ

みなさんはモノの長さを測るとき、何を使用していますか?定規、メジャーなど、さまざまなツールがあります。これらのツールはいずれも物理的にモノの長さを測って目視によって数値を確認するというものです。しかし、写真を撮影するようにiPhoneひとつでモノの長さが一瞬で計測できたら画期的だとは思いませんか?

実は現在、最新バージョンのiOS12には、「計測アプリ」というものが実装されています。これまでiPhoneの画面に定規のような目盛を表示させて物理的に計測するアプリは存在していましたが、写真を撮影するように一瞬で計測できるアプリは当然のことながらありませんでした。今回は、iOS12から新たに登場した「計測」アプリの使い方や概要を紹介するとともに、便利な使い方なども合わせて紹介していきましょう。

iOS12の「計測アプリ」とは?

計測アプリ」とは

iPhoneに搭載されている最新OS「iOS12」から、「便利ツール」のフォルダ内にインストールされているアプリケーションです。AR(拡張現実)機能を活用したアプリケーションのひとつで、対象物をカメラで写すことによって縦横の長さなどを計測できるようになっています。

ちなみに、iOS12が対応するiPhoneはiPhone5s以降の機種になります。そのため、幅広い端末で気軽に利用できるメリットも。iPhoneの計測アプリは革新的な技術が結集された新たなソリューションとして注目されています。

ではこの計測アプリ、実際にどのような仕組みによって動いているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

計測アプリで寸法が測れる仕組み

計測アプリはAR技術を応用したアプリケーションですが、この仕組みは大きく分けて2つのステップから成り立ちます。

 

まずはじめに、iPhoneと計測対象の物体との距離を測定します。計測アプリを立ち上げた際、iPhoneをぐるぐると動かすことによって距離感の計測が行われているのです。
モノの寸法を計測する際には、物体とどの程度離れているかという前提がないと正確な寸法を割り出すことができません。計測アプリではまずはじめに、大前提となる物体との距離を測ることが行われています。距離の計算が完了したら、次はいよいよ物体の寸法を測定する段階に入ります。物体との距離が把握できていれば、モノの大きさから寸法を計測することは容易です。

計測アプリの使い方

計測アプリの使い方

それではここから、実際に計測アプリはどのように使用するのかを見ていきましょう。

計測アプリの使い方として大きく分けて2つの方法があります。ひとつは四角形のものを計測する方法、もうひとつは直線の辺の長さを計測する方法です。それぞれのパターン別に計測アプリの使い方を詳しく解説していきましょう。

四角形のものを測る方法

計測アプリを立ち上げると、「iPhoneを動かし続けてください」という表示が出てきます。このとき、計測対象物を写しながらiPhoneを上下左右に動かしましょう。

モノの検知が終わると、対象物に黄色い枠線が表示されます。そのうえで計測アプリ内の「+」をタップすると、縦横の長さと面積が表示されるという流れです。

ちなみに、当然のことながら計測アプリでサイズを測れるのは四角形のものが前提となります。丸い形状のものなどは正確に計測ができないため注意しましょう。

また、計測アプリを使用する際はできるだけ対象物と直角になるように撮影したほうが正確に計測できます。斜めのアングルになっていると、計測データに誤差が生じやすくなります。

直線の長さを測る方法

四角形のものを測るときと同様に「iPhoneを動かし続けてください」の表示が出たら上下左右に動かし続けます。その後でアプリ内に白い点が出てくるのですが、直線の始点となるポイントに白い点を合わせます。始点がポイントに合うとiPhoneが震えて知らせてくれます。そして四角形のときと同様に「+」をタップすることで始点の指定が完了されます。

その後、直線の終点となるポイントにも白い点を合わせて「+」をタップして指定。すると自動的に直線の距離が計測されてアプリ上に表示されます。

ちなみに、このとき「+」ボタンの右横にある丸いホームボタンのようなアイコンをタップするとそのままの状態で写真が撮影できます。外出先などでメモを残す余裕がないときにも重宝するのではないでしょうか。

ちなみに、指定した終点のポイントは後でドラッグで移動することも可能です。測定位置の微調整などにも利用できるでしょう。

計測アプリが活躍する場面

家具選び

使い方をマスターすればこれほど便利なものはない計測アプリ。しかし、実際のところどんな場面で活躍するのかイメージがしづらいという方も多いのではないでしょうか。

そこで、いくつか計測アプリが活躍する場面をピックアップして紹介してみましょう。

家具選び

ショッピングのついでに家具屋さんに立ち寄ったとき、気に入った家具を見つけたものの、自宅の部屋に収まるサイズなのか不安に感じてしまったという経験をした方も多いのではないでしょうか。

計測アプリがあれば、外出先で見つけた家具のサイズをiPhoneひとつで計測でき、その後自宅に戻ったときにサイズが合うか確認することも簡単にできるはず。
また、反対に自宅のテレビラックやレンジ台、冷蔵庫や洗濯機の置き場所などを撮影して測ることも可能。 いずれにしても家具選びには欠かせないサイズの計測を簡単に行えるツールとして計測アプリは活躍することでしょう。

寝具選び

枕や布団用のカバーなどを購入するとき、いつも使っている寝具がどのサイズなのか忘れてしまうケースは多いものです。寝具選びにおいてサイズは何よりも重要。せっかくお気に入りのカバーを見つけて購入してきたのに、いざ使おうとしたらサイズが合わなくて入らなかったり大きすぎたりといったことにもなりかねません。

寝具用のカバーを購入する前に計測アプリでサイズを測っておけば、間違ったサイズのカバーを購入して無駄にしてしまうこともなくなるでしょう。
ちなみに、枕や布団用のカバー以外にも、ベッド用の敷きパッドやシーツ、毛布などを選ぶ際にも計測アプリは役立つはずです。

 

観葉植物の設置場所選び

背の高い観葉植物は、自分の部屋に置けるかどうか、または玄関の入り口から搬入できるかを事前に確認しておかなければなりません。観葉植物を購入する際に、事前にどの程度の高さなのかを把握できれば設置場所に悩むこともありません。

特に観葉植物は家具や家電と異なり、メジャーなどで計測しづらい形状でもあります。計測アプリを活用すれば、メジャーなどの測定器具がなくてもスムーズに高さが計測できるため便利です。

 

カーテン選び

新居に欠かせないカーテン。引っ越しが終わり、一通り家具は揃っていたと思っても、意外と忘れがちで引っ越し当日に家具屋さんに走るという方も少なくありません。

一口にカーテンといってもさまざまなサイズがあり、長さや幅などが多種多様です。目視で「だいたいこれくらいだろう」と思っていても、買ってきて装着してみたら長すぎたり短すぎたりといった問題が発生することもあります。

窓枠を計測するにはメジャーが必要不可欠であり、一般家庭には置いていないということも珍しくありません。

だからこそ、計測アプリを活用することで手軽にそして正確にサイズを測定することができるようになります。計測アプリを利用する際において、窓枠は輪郭もはっきりしていて計測しやすいはずです。

かばん・バッグ選び

かばんやバッグを選ぶ際においては、もちろんデザインや使い勝手も重要ですが、もっとも忘れてはいけないのが収納用のスペースです。

ノートパソコンや書類用のファイル、折りたたみ傘など、普段から仕事道具を入れて持ち運ぶのに十分なスペースが確保されているかは重要なポイントといえるでしょう。

かばんやバッグには収納用の寸法が記載されていると思いますが、普段持ち運んでいるファイルやパソコンなどがどの程度のサイズなのかを常日頃から把握している方は決して多くないはずです。かばんやバッグを選ぶ前の段階で計測アプリで撮影しておけば、簡単にサイズを計測できます。

計測アプリの正確性は?

>計測アプリの正確性

計測アプリは実際のところ本当に正確なのでしょうか。誤差が生じる可能性はないのか、またその誤差はどの程度なのかということも詳しく紹介していきましょう。

計測アプリは誤差が生じやすい

まず大前提として、計測アプリは物理的にメジャーなどで計測するものではないため誤差が生じやすい傾向にあることは確かです。計測の仕方や対象物によっても誤差の範囲は異なりますが、場合によっては10cm以上の誤差が生じることも珍しくありません。 特にカーテンレールの長さなど、対象物のサイズが大きい場合は誤差の範囲も拡大していく傾向にあります。ただし、これは計測の仕方によっても結果は変わってくるため、後述する計測のコツを参考にしてみてください。

ちなみに、誤差の範囲としての目安は、10cm以下から数十cm程度のモノの長さであれば数mm~数cm程度、家具や大型家電などになると10cm程度の誤差が生じる傾向にあります。

誤差なく計測することは難しい

計測アプリはその性質上、完全に誤差なく計測することは難しいといえるでしょう。計測アプリで得られたデータはあくまでも概算のものと割り切って使うことが前提となります。

大体のサイズ感が知りたい場合は計測アプリを使用し、数センチ単位、ミリ単位での計測が必要な場合はやはりメジャーや定規などのツールが必要不可欠といえそうです。

計測アプリで正確に測るコツ

そもそも正確な測定が難しい計測アプリでも、少しコツをつかんでおけば誤差を少なくすることは可能です。可能な限り正しい数値を計測するために、正確に測るコツを紹介していきましょう。

対象物から離れすぎない

計測アプリは対象物から離れすぎてしまうと誤差が生じやすくなります。カーテンのサイズを測る際などにおいても、可能な限りフレームの枠いっぱいに収まるように撮影し、できるだけ対象物との距離を縮めておきましょう。ちなみに、対象物との距離が極端に長いビルや家屋などの建物は、そもそも計測アプリで測ることは難しいです。

対象物に対して直角に測る

これは四角形の対象物を測定する方法のなかでも説明しましたが、対象物に対してできるだけ直角に測ることが重要です。斜めのアングルになっていると歪んでしまい、測定データの誤差も生じやすくなります。

モノの位置や撮影場所によってはそもそも直角に撮影することが難しいケースもあるかもしれませんが、できる限り意識しておくことで誤差も生じにくくなることは確かです。 最初はメジャーを置いて計測の練習をしてみる 計測アプリの使い方をうまく文章で説明するのは非常に難しいものです。iPhoneの微妙な動かし方ひとつで測定結果は変わってくるほか、最初のうちはうまく測定すらできないという方も少なくありません。

最初のうちはメジャーを置いて計測アプリを動かしながら測ってみると良いでしょう。できるだけ誤差を少なくする計測のコツが徐々につかめてくるはずです。 このような対処法を紹介すると、本来手軽に計測できるはずの計測アプリのメリットはないのではないかと感じる方もいますが、普段メジャーなどを持ち歩かなくて良いというだけで立派なメリットといえるのではないでしょうか。

水準器としても使える

水準器としても使える

計測アプリを立ち上げると、画面の右下の部分に「水準器」のアイコンが出てきます。ここをタップすると、モノの傾きを調査できる水準器としても利用できます。

たとえば家具の据え付けの際にiPhoneを置き、ちょうど「0°」になるポイントで家具の設置位置を決められます。水準器は主に建築現場などで使用されることの多い専門的な計測器具のため、一般家庭に用意されているケースは稀だと思います。

しかし、モノの傾き具合を調べられることでさまざまな用途に応用できるため、あると便利なツールであることに変わりありません。 iPhoneひとつで水準器の機能まで利用できるというのは、大きな強みといえるのではないでしょうか。

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