iPhoneが異常に熱い!発熱の原因として考えられることや対処法を解説
「iPhoneが熱い」そう感じたことありませんか?iPhoneが手で持てなくなるほど熱く感じたり、発熱した状態が長時間続く場合には、異常が発生していると考えたほうが良いでしょう。放置するのは危険かもしれません。本記事では、iPhoneが発熱する主な原因や正しい対処法、発熱を防ぐための正しい使い方などを詳しく解説します。
しかし、本体が手で持てなくなるほど熱く感じたり、使用を中断したにもかかわらず発熱した状態が長時間続く場合には、本体に何らかの異常が発生していると考えたほうが良いでしょう。
本記事では、iPhoneが発熱する主な原因や正しい対処法、発熱を防ぐための正しい使い方などを詳しく解説します。
目次
iPhoneが熱をもつ部分・パーツ
iPhoneが手に持てないほど発熱している場合、本体のどこが熱をもっているのでしょうか。発熱の主な発生源となるのは、バッテリーとCPUの2つが挙げられます。
バッテリー
iPhoneには大容量のリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、さまざまな原因によって負荷がかかると発熱することがあります。
特に近年のiPhoneは大画面や高性能化に伴いバッテリーの容量も大きくなり、本体内部の大部分を占めています。
バッテリーが発熱原因になっていると、本体裏面の広範囲が手で持てなくなるほど熱く感じることがあります。
バッテリー交換時期の目安については「iPhoneのバッテリー交換の目安は?交換方法や依頼・完了までの流れを解説」の記事をご参照ください。
CPU(内部基板)
CPUとはPCやスマートフォンの心臓部ともいえるパーツで、さまざまな演算処理を担っています。
PCを自作したことがある方であれば、CPUはマザーボードに取り付ける独立したパーツというイメージを持っていると思いますが、iPhoneの場合は内部基板と一体化されています。
CPUが発熱すると、本体の一部分だけが異常に熱く感じることが多いです。
iPhoneが発熱する原因
では、iPhoneのバッテリーやCPUなどが発熱するのは何が原因として考えられるのでしょうか。
iPhoneの使い方や使用頻度、使用年数などによっても原因はさまざまですが、主に考えられるものをいくつかご紹介しましょう。
高負荷のアプリを起動している
シューティングゲームやRPGなど、美しいグラフィックを楽しめるゲームアプリが多数配信されています。しかし、グラフィックが美しいということはその分iPhoneにも高い負荷がかかり続けることも意味します。
SNSや動画の閲覧、音楽の再生などに比べて、ゲームをプレイしたときだけバッテリーが早く消耗したという経験がある方も多いのではないでしょうか。
長時間にわたって高負荷のゲームをプレイしていると、CPUがフル稼働に近い状態で動くため発熱しやすくなるのです。
また、次のような操作もCPUの負荷を増やす要因とされています。
マルチタスクの実行
SafariやChromeで複数のタブを開いていたり、Googleマップをカーナビ代わりとして起動しながらバックグラウンドで音楽や動画の再生をするというケースもあるでしょう。
このようなマルチタスクもiPhoneに高い負荷がかかり発熱の原因になることがあります。
ゲームとは異なり、一つ一つのアプリやタスクの負荷は決して高くありませんが、同時に複数のアプリを起動することで負荷が大きくなり発熱を引き起こす可能性があるのです。
- 複数のアプリケーションを同時に起動する
- 大量の写真、動画、アプリケーションをデバイスに保存する
- GPS機能を利用したマッピングサービスを使用する
バッテリーの劣化
iPhoneに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは繰り返し充電が可能ですが、充放電の繰り返しや年数の経過にともない劣化してくることがあります。
バッテリーが劣化すると本来の性能を維持できなくなり、たとえば以前は丸一日充電が持っていたのに、午前中には充電の残量がゼロになるというケースも少なくありません。
また、これだけでなくバッテリーの内部にかかる負荷も大きくなり、充電をするだけで異常な発熱が見られることもあるのです。特に古いiPhoneを使用しているなかで異常な発熱がたびたび見られるようであれば、バッテリーの劣化が疑われます。
バッテリーの劣化を放置したままiPhoneを使用していると、本体の発熱だけでなくバッテリーの膨張も見られるようになり、フレームの変形や画面表示の異常につながる危険性もあります。
- 充放電サイクル
iPhoneのバッテリーは、一定の充放電サイクルが設定されており、このサイクル数に達するとバッテリーの容量が減少し始めます。通常、これは数百回から数千回の充放電で発生します。 - 高温・低温での使用
極端な温度条件下での使用はバッテリーに悪影響を及ぼします。特に高温下での使用や充電は、バッテリーの劣化を早める主な原因の一つです。 - 不適切な充電習慣
iPhoneを常に0%から100%まで充電したり、一晩中充電につなぎっぱなしにしたりすることは、バッテリーの寿命を縮める可能性があります。
iPhoneのバッテリーの劣化具合を確認する方法
iPhoneのバッテリーの劣化具合を確認する方法があります。手順をいかに記載しますので是非ご自身でも確認してみてください。
上記の様に80%を切ると「著しく劣化」と表示されます。
コネクタ部分の劣化・損傷
バッテリーそのものに異常はなかったとしても、LightningやUSB-Cなどの充電コネクタ部分に劣化や損傷が見られると、充電に時間を要したり熱が生じたりすることもあります。
高所からの落下や圧力、水に濡れた際に十分な乾燥をしなかったなど、物理的な要因によってコネクタの損傷につながるケースが少なくありません。
高温環境下での使用
高温の使用条件下では、iPhoneが過熱することがあります。iPhoneの設計は、0℃から35℃の範囲内での使用を前提としています。そのため、気温が35℃を超えるような環境ではiPhoneの使用を控えることが推奨されます。
例えば、夏の暑い日に車内など高温になりやすい場所にiPhoneを置きっぱなしにすると、デバイスは過熱し、温度警告が表示される可能性があります。この警告が出ると、iPhoneは温度が正常範囲に戻るまで、機能が一時的に限定されます。また、直射日光の下にiPhoneを置く行為も、デバイスの温度上昇の一因となります。
iOSアップデート後
iOSの大規模なアップデート後にiPhoneが過熱する現象は、特に珍しいわけではありません。Appleは新バージョンのソフトウェアをリリースする前に広範なテストを行いますが、最新のスマートフォンの複雑性によっては、思わぬ問題が生じることがあります。
アップデートによって新たに導入された機能や最適化作業が、多くのリソースを消費するバックグラウンド処理を引き起こし、それが発熱に繋がることがあります。またアプリが新しいOSバージョンに対応していない場合にiPhoneの温度が高くなることがあります。
充電中の使用
充電中は電気を送り続けている状況なので、熱を帯びます。また、iPhoneの使用時も熱を帯びることは前述の通りです。つまり充電時の熱と使用時の熱が重なって、熱が蓄積され、iPhoneが非常に熱くなることがあります。
- 純正ではない充電器を使用している場合
- 充電ケーブルが損傷しているか劣化している場合
iPhoneが発熱したときの正しい対処法
iPhoneに異常な発熱が見られたとき、対処を誤ってしまうと深刻なダメージを与え使用不能になることもあります。
このような事態を防ぐためには、発熱が見られた際にどのように対処すれば良いのでしょうか。
電源をオフ
真っ先に行うことは、iPhoneの電源を切ることです。
iPhoneを起動したままではCPUやバッテリーに負荷がかかり続けている状態のため、電源を切ることで発熱が解消され熱が外に逃げやすくなります。
涼しい場所に移動する
電源を切ったら、風通しの良い涼しい場所にiPhoneを置き熱が冷めるのを待ちます。
あくまでも自然に熱を逃がすのがポイントであり、熱をもっているからといって冷蔵庫や冷凍庫に入れるのは厳禁です。
急激にiPhoneを冷やすと本体の内部に結露が生じ、水没の原因になることがあるためです。
また、iPhoneを手で持ったままだと体温が伝わり熱が下がりづらくなるため、テーブルやデスクなどの上に置いておきましょう。
起動中のアプリを閉じる
熱が冷めて正常な状態に戻ったら、iPhoneの電源を入れます。本体が立ち上がったら、起動していたアプリを一旦全て閉じてしばらく様子を見ましょう。
また、バッテリー残量がなく充電が必要な場合には、起動中のアプリを閉じてから充電ケーブルを差し込んでください。
バックアップをとる
iPhoneの発熱が頻発する場合、いつ本体が故障してもおかしくない状態といえます。
万が一に備えて、本体に保存してあるデータのバックアップをとっておきましょう。
iCloudによるバックアップ方法
iCloudを契約している場合、以下の手順で簡単にバックアップが可能です。
- 設定を開く
- Apple ID
- iCloud
- iCloudバックアップ
- 今すぐバックアップを作成
iPhoneをWi-Fiに接続→「設定」アプリ→冒頭にあるユーザー名をタップ→「iCloud」をタップ→「iCloudバックアップ」をタップ→「iCloudバックアップ」をオン→「今すぐバックアップを作成」をタップ
iPhoneの発熱を抑えるための対策
iPhoneが発熱しないよう安全に使用するためには、どういった対策が必要なのでしょうか。
アプリの自動更新をオフ
保存してあるアプリに新機能が加わったり、バグが見つかったりしたときにアップデートが行われることがありますが、これを自動化し常に最新の状態に保てるのがアプリの自動更新という機能です。
アップデートを手動で行う必要がなく便利な機能ですが、その一方でアプリの自動更新が有効になっていると、バックグラウンドで多くのデータ通信や処理が行われる可能性があります。
その分本体にかかる負荷も増大するため、この機能をオフにしておくことで発熱のリスクを低減できます。
アプリの自動更新の設定方法
アプリの自動更新の設定方法は以下の通りです。
- 設定を開く
- App Store
- 「アプリのアップデート」をオフ
風通しの良い場所で使用する
PCと同様、iPhoneも熱がこもりやすい場所で長時間使用すると本体内部に負荷がかかり、発熱の原因になります。
特に長時間の使用や高グラフィックのゲームなどを楽しむ際には、直射日光が当たらない風通しの良い場所で使用するよう心がけましょう。
また、テーブルやデスクの上、スマホスタンドの上など、表面に冷却効果があり熱がこもりにくい場所が適しています。
ケースを替える
落下時の損傷や傷を防ぐためにiPhoneのケースは必須のアクセサリーですが、厳重なプロテクト機能によって放熱が妨げられるものも少なくありません。
表面に細かい穴が開いているなど、熱が逃げやすい形状・デザインのケースに買い替えることで発熱や故障のリスクを低減できる可能性があります。
充電しながら使用しない
バッテリー残量が少ない、あるいはバッテリーの減りを気にせずiPhoneを使いたい場合などに、充電しながら通話やゲームなどを操作するという方も少なくありません。
しかし、このような使い方はバッテリーに大きな負荷がかかり、発熱や劣化を早める原因になります。
通話やアプリを使用する際には、十分なバッテリー残量を確保したうえで充電ケーブルを抜いた状態で操作してください。
iPhoneの修理が必要なパターン
iPhoneの発熱によって本体に深刻な損傷が生じると、修理が必要となるケースもあります。
どのような場合に修理の対象となるのか、代表的なパターンをいくつかご紹介しましょう。
バッテリーが劣化している
バッテリーの経年劣化が進むと、本体に異常な発熱が見られるほかバッテリーそのものが膨張してくることもあります。
本体のディスプレイパネルまたは背面が浮き出てくるように盛り上がると、内部に強い圧力が加わりメイン基板の損傷につながる危険もあることから早急な修理が必要です。
端子が劣化・損傷している
LightningやUSB-Cの充電端子が劣化、損傷している場合も修理の対象となります。
特に日常的に水に濡らす機会が多いと端子部分に腐食が見られるケースもあり、これが本体の発熱原因になっている可能性があります。
端子部分の損傷を修理するには本体パネルを外し内部基板を分解する必要があり、十分な知識がないままDIYで修理を行ってしまうと損傷を悪化させる可能性があるため専門店へ修理を依頼しましょう。
慢性的に発熱が生じる
iPhoneの発熱を抑えるための対策で紹介した内容を心がけているにもかかわらず、たびたび原因不明の異常な発熱が見られる場合には内部を分解したうえで診断を受ける必要があります。
本体のわずかな隙間から水が侵入したり、あるいは内部に結露が生じて基板を損傷させている可能性も考えられるため、できるだけ早めの対処が求められます。
iPhone12のバッテリー修理手順の記事は「iPhone12のバッテリー修理手順・交換時期の目安を徹底解説」の記事をご参照ください。
修理にかかる費用はどれくらい?
iPhoneの修理を依頼した場合、どの程度の費用がかかるものなのでしょうか。
修理内容によっても異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
Apple正規の修理サービスの場合
Apple StoreやApple正規サービスプロバイダ、キャリアショップなど、Apple公式の修理サービスではAppleCare+への加入有無によって修理費用が大きく変わります。
たとえば、バッテリーの劣化が原因で発熱している場合、AppleCare+加入中であれば無料で交換できますが、非加入の場合は11,200円から15,800円の交換費用が発生します。
また、内部基板や充電端子などバッテリー以外が原因となっている場合には、AppleCare+加入中で12,900円、非加入の場合は4万円から10万円以上の修理費用となる可能性もあります。
修理専門店の場合
修理専門店とは、Apple公式ではない修理サービスを提供しているお店のことです。駅前や大型ショッピングモール内などに小さな店舗を設けているお店が多く、Apple純正パーツではなく汎用パーツを使用している分、安価な修理が可能です。
ただし、AppleCare+を適用した修理が受けられず、汎用パーツを使用することでそれ以降のApple公式の修理やサポートが受けられなくなる店には注意が必要です。
修理費用は店舗によっても異なりますが、バッテリー交換であれば5,000円から1万円程度、充電端子や内部基板などの修理は1〜2万円程度で済むケースが多いようです。
iPhoneの発熱が見られたら適切な処置と早めの修理が大切
iPhoneを使用していると本体が熱く感じられることも多いですが、手で持てないほどの発熱が見られる場合には何らかの異常が発生している可能性は高いでしょう。
まずは電源を切って風通しの良い場所で熱を冷まし、高い負荷を与えないような使い方を心がけることが大切です。
そのうえで慢性的な発熱が見られる場合にはAppleや修理専門店で本体内部に異常が発生していないかを診てもらい、必要に応じて修理を依頼しましょう。