iPhoneの修理を依頼する際に覚えておきたい「総務省登録修理業者」とは?
iPhoneをはじめとしたスマートフォンの電源が入らなくなったり、画面が割れてしまったりした際に、多くの方は本体を買い換えるか修理を依頼するはずです。なかでも修理は買い換えに比べて費用が安価であることや、即日修理可能なお店も増えていることから、多くのユーザーに需要があります。
修理業者を選ぶ際には「総務省登録修理業者」として登録されているかを確認することが重要です。本記事では、総務省登録修理業者とは何か、確認方法や登録業者以外で修理をした際に考えられるリスクなども紹介します。
目次
総務省登録修理業者とは
「総務省登録修理業者」とは、その名の通り総務省に登録されているスマートフォンの修理業者のことを指します。スマートフォンの修理を手掛ける業者であれば登録が義務付けられており、ユーザーは安心して修理作業を依頼できるメリットがあります。
総務省登録修理業者として登録するためには、最低限の作業品質が担保されていることはもちろんですが、修理に使用する部品の仕入れ元が明確であることや、製品番号が付いていることなども審査対象に含まれ、これらの審査をクリアして初めて登録できる状態となります。
総務省登録修理業者として登録されると、修理方法書に従って修理を行うことや修理記録を10年間保存すること、修理した端末にその旨の表示を記すことなどが電波法によって義務付けられます。また、修理の対象箇所となるのはディスプレイやフレーム、マイク、スピーカー、カメラ、コネクタ、バッテリーなど、電波の質に影響を与えるリスクが低いパーツに限定されています。このように、総務省登録修理業者は義務とルールを遵守して修理業務を行います。
「認定」ではなく「登録」というワードを聞くと基準が緩いのではないかとイメージする方も多いですが、実際にはさまざまな厳しい審査と義務があり、一定の安全性や信頼性を担保できるようになっているのです。
- 最低限の作業品質をクリアできているか
- 部品の仕入れ元が明確であるか
- 部品に製品番号が付いているか など
- 修理方法書に従って修理を行うこと
- 修理記録を10年間保存すること
- 端末に修理したことを表示すること
- 電波の質に影響を与えにくいパーツに限定して修理が可能 など
登録修理業者制度が策定された背景
従来、携帯電話の修理は通信キャリアの看板が掲げられたショップに依頼するのが一般的でしたが、スマートフォンが普及するにつれ、画面割れや水没、バッテリーの交換といった症状で修理を依頼する頻度が高まったこと、ショップへ依頼した場合の修理費用が高額であることから、安価で修理を行う業者が増えてきました。
本来、スマートフォンは電波法とよばれる法律に基づいて製造され、基地局からの電波を受信する端末として動いているため、修理にあたっては正しい知識と技術をもった技術者が電波法を遵守して行う必要があります。
しかし安価で修理を行う業者が増えたことで、法律に対する正しい認識がなかったり、技術力が担保されていなかったりして修理をめぐるトラブルが多数発生していました。また、コストを削減するあまり、粗悪なパーツを利用せざるを得なく、修理の品質が著しく劣るケースもあったのです。
そこで、総務省では電波法で定める技術基準に適合した修理を促進するために、電波法の一部を改正し登録修理業者制度を導入しました。登録修理業者制度が導入された結果、このような消費者トラブルの件数も減少し、多くのユーザーが安心して修理を依頼できる環境が整備されました。
総務省登録修理業者の確認方法
修理を依頼するお店が総務省登録修理業者へ登録されているかを確認するためには、総務省が公表している「登録修理業者一覧」を参照する方法が確実です。
ただし、お店の名称がそのまま登録されているとは限らないため、ホームページなどから運営会社を調べ、社名で検索してみましょう。また、修理業者によっては登録番号がホームページへ記載されているケースもあります。これは「R」からはじまる7桁の英数字からなる番号であり、登録番号から検索することで該当の事業者を特定することも可能です。
総務省登録修理業者以外で修理をした場合のリスク
スマートフォンの修理業者には総務省への登録が義務付けられていることから、お店を選ぶ際には総務省登録修理業者であるか否かを確認することが大前提となります。では、万が一修理を依頼したお店が総務省登録修理業者でなかった場合、どういったリスクが想定されるのでしょうか。
電波法違反となる
電波法ではスマートフォンなどの無線機器に対し、「技適マーク」とよばれるマークを付与することを定めています。正規のルートで購入したスマートフォンや、総務省登録修理業者で修理をしたスマートフォンには技適マークが付いていますが、それ以外の業者で修理をしてしまうと技適マークが失効してしまいます。
スマートフォンの修理そのものは違法ではありませんが、技適マークの効力が失われたスマートフォンで通信を行ってしまうと、その時点で違法性が問われる可能性があるのです。すなわち、ユーザー自身が気づかないうちに違法行為に及んでしまうリスクがあることから、総務省登録修理業者ではない業者へ修理を依頼するのは避けるべきです。
修理の品質が担保されない
総務省登録修理業者として登録されるためには、上記でも紹介したように最低限の作業品質が担保されていることや、修理に使用する部品の仕入れ元が明確であることなどが要件として定められています。
万が一、正規に登録されていない修理業者へ依頼してしまうと、粗悪なパーツを使用されたり、修理の技術が未熟であったりして、「修理を依頼したのに該当箇所が直っていない」、「すぐに壊れてしまった」といったトラブルが発生する可能性もあります。
詐欺などのトラブルに見舞われる危険性も
総務省への登録が義務付けられているにもかかわらず、それを行わないまま事業を運営している企業や店舗は、コンプライアンス意識が欠如している可能性が高いといえます。そのような修理業者へ依頼すると、見積もり時よりも高額な費用を請求されたり、正当な理由なく高額な費用を請求されたりと、詐欺被害に遭うリスクもあるでしょう。
- 違法行為のリスク・・・電波法に則っていることを証明する技適マークが失効するため
- トラブルが発生するリスク・・・粗悪なパーツの使用や技術が未熟なことが考えられるため
- 詐欺被害のリスク・・・コンプライアンス意識が欠如していることが考えられるため
iPhoneの修理は総務省登録修理業者へ依頼しよう
本体価格が高騰しているiPhoneをできるだけ長く使い続けるために、修理は有効な選択肢のひとつといえます。しかし、iPhoneユーザーのなかには総務省登録修理業者の存在を知らず、悪質な修理業者へ依頼しトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
また、技適マークの効力が失われたiPhoneで通信をしてしまうと、電波法違反に問われるリスクもあるため、修理業者は慎重に選ぶ必要があります。まずは今回紹介した総務省登録修理業者へ登録済みの業者であるかを確認することが、信頼できる修理業者選びの第一歩といえるでしょう。
本記事では、総務省登録修理業者とは何か、確認方法や登録業者以外で修理をした際に考えられるリスクなども紹介しました。「安全第一!耐久性・耐衝撃性に特化したiPhoneケース5選」では、数あるiPhone用ケースの中から、耐久性や耐衝撃性に特化した製品を厳選して5つ紹介しています。生活の必需品ともいえるスマートフォンを守るためにも是非ご覧ください。