iPhoneは水没する?疑われる症状や正しい対処法、NG行動の一例をご紹介

Phone水没の症状や正しい対処法

iPhone、iPad、Android、3DS、PSP、Switchなど幅広い端末に対応可能。都内の人気店で働いていたが、連日の修理に疲れて腱鞘炎を発症し、現在はシフトを調整している。休みの日は完全にオフモードに入るため連絡が一切つかなくなるのが特徴。買取経験も豊富なため、修理と買取両方の目線からのアドバイスに定評あり。

iPhoneをお風呂場や洗面所、キッチンなどで使用する方も多いと思いますが、水回りにおいて注意したいのが水没故障です。

しかし、「防水機能が搭載されたiPhoneはそもそも水没の心配がないのではないか?」と考える方も少なくありません。

本記事では、iPhoneの水没が疑われる症状やNG行動、正しい対処法などを詳しく解説します。

「防水仕様のiPhoneも水没する」は本当?

「防水仕様のiPhoneも水没する」は本当?

2016年9月に発売されたiPhone 7以降、近年のiPhoneシリーズには防水機能が備わっておりキッチンや風呂場、悪天候時の屋外などでも気にすることなく使用できます。そのため、「iPhoneが水没する心配はないのでは?」と疑問に感じる方も多いでしょう。

しかし、結論からいえば防水仕様のiPhoneであっても使い方を誤ると水没する可能性は十分あります。

そもそもiPhoneに搭載されている防水機能というのは、一定の条件下で適正に使用された場合を想定しています。

たとえば、強い衝撃や圧力が加わって本体の一部が変形すると、歪んだフレームの隙間から水が内部に侵入し基板を損傷させる危険もあります。

また、冷房のきいた室内から真夏の屋外へ移動したときなど、温度差の激しい空間を行き来するとiPhoneの内部に結露が生じ水没することもあるのです。

水没の確認方法

iPhoneが水没しているかどうかは、ユーザー自身で簡易的に判別することも可能です。

SIMトレイを取り外したとき、本体の内側に「液体侵入インジケータ」とよばれるものが搭載されており、この部分が赤く変色していると水没と判定されます。

通常は白またはシルバーの色をしているため、もし液体侵入インジケータが見えづらい場合にはライトなどを使って内部を照らしながら確認してください。

なお、SIMトレイの位置はiPhoneのモデルによっても異なりますが、iPhone 12シリーズ以降は左側面、iPhone 11シリーズ以前は右側面にあります。

液体侵入インジケータの確認方法はAppleのWebサイトでも詳しく紹介されているため、ぜひこちらも参考にしてみてください。

iPhoneが水没したときに現れる症状

iPhoneが水没したときに現れる症状

iPhoneの内部に液体が侵入し水没した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。代表的な症状は以下の通りです。

代表的な症状
  • 電源が入らない・電源がすぐに落ちる
  • Appleのロゴマークが繰り返し表示される(リンゴループ)
  • 画面表示の異常(線が入る、表示が乱れるなど)
  • タッチパネルが反応しない・反応が悪い
  • バッテリーの消耗が早い
  • 充電ができない
  • スピーカーの音が鳴らない
  • 通話や音楽再生時にノイズが入る など

上記は水没時に現れることの多い症状ですが、必ずしも全ての症状が現れるとは限りません。

また、あくまでも水没の可能性があるということに過ぎず、ほかの原因によって症状が現れている可能性もあるため詳細についてはAppleや修理専門店での診断が不可欠です。

水没が疑われる場合の正しい処置

水没が疑われる場合の正しい処置

もし、上記で紹介したような水没が疑われる症状が現れた場合、誤った使い方を続けていると状態が悪化する可能性があります。これを防ぐためには、どういった処置が求められるのでしょうか。

電源を切る

水没の症状が頻発する場合には、電源を切り内部基板への通電を遮断することが大切です。

電源が入ったままだとバッテリーから内部基板へ給電が継続され、水に濡れた一部の回路がショートするなどして状態を悪化させる可能性があります。

外部と連絡をとらなければならないなど、緊急時以外は電源を切っておくようにしましょう。

また、当然のことではありますが充電ケーブルも取り外し外部からの給電も遮断してください。

SIMカードを抜く

SIMカードを挿入するスロットの部分に水が溜まっていると、徐々に内部に浸透していくことがあります。

また、SIMカードが差し込まれた状態だとSIMカードの金属チップにサビや腐食が生じ使用できなくなることも考えられるため、電源を切った後はSIMトレイを抜いてSIMカードを取り出しておきましょう。

一言メモ

    この際、同時に液体侵入インジケータが赤色に変色しているかも確認してください。

自然乾燥させる

iPhoneの表面に付着した水分を拭き取り、自然乾燥させます。

水没が疑われる場合、内部まで水が浸透している可能性があるため、SIMトレイを外した状態で風通しの良いところにしばらく放置し水分を取り除くことで正常に戻ることがあります。

ただし、本体表面は乾いているように見えても、内部に水が浸透していると乾燥にある程度の時間を要します。最低でも半日から1日程度は電源を入れずに乾燥させておきましょう。

ポイント

    湿度が高い季節やできるだけ時間を短縮したい場合には、乾燥剤とiPhoneをビニール袋などに入れておくのもおすすめです。

水没時にやってはいけないこと

水没時にやってはいけないこと

水没が疑われる症状が現れたとき、誤った使い方や操作を行うことで状態が悪化するおそれがあります。これを防ぐために、やってはいけないNG行為をいくつかご紹介しましょう。

端末を振る

水に濡れたとき、本体に付着した水分を取り除こうとして本体を振ってしまうことがあります。

しかし、このような行動は本体の表面に付着した水分を取り除くことはできますが、内部に浸透した水分までは取り除くことができません。

そればかりか、本体に残った水分が内部基板の広範囲に浸透する原因にもなってしまいます。

水没が疑われるときにiPhone本体を振る行為は、さらに状態を悪化させる原因になりかねないため絶対に避けましょう。

ドライヤーで熱風を当てる

iPhoneの水没が疑われる場合、上記でもご紹介した通り自然乾燥をさせることが基本です。

早く乾燥させたいからといって、ドライヤーで熱風を当てると端末に熱が加わり、端子部分や本体の一部が変形するリスクがあります。また、あまりにも強い風が当たることでSIMトレイを取り外した部分の隙間から水滴が奥まで浸透していき、さらに状態を悪化させることもあるでしょう。

このような理由から、ドライヤーを使って強制的に乾燥させる行為もNGといえます。

修理が必要な症状・状態とは?

iPhoneの水没が疑われるものの、修理に出すべきか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

上記でご紹介した通り、電源を切ってから自然乾燥させた後、正常な動作に戻った場合には修理に出さずしばらく様子をみてみるのもひとつの方法といえます。

しかし、SIMトレイを取り出した際に液体侵入インジケータが赤く反応している、あるいは自然乾燥後も症状が改善しない場合には早めに修理を依頼しましょう。

また、自然乾燥によって一時的に症状が改善したものの、その後しばらくして動作が不安定になったり不具合が現れたりするケースも珍しくないため、

万が一に備えてバックアップをとっておくことも大切なポイントです。

バックアップの方法については「iPhoneのバックアップにはどんな方法がある?それぞれの手順も紹介」の記事をご参照ください。

水没修理はどのように行われる?

水没修理はどのように行われる?

iPhoneが水没したとき、修理はどのような手順で行われるのでしょうか。iPhoneの状態や症状によっても異なるケースがありますが、基本的には以下の4つのステップに沿って作業が進められます。

1.フロントパネルを外す

はじめに、iPhoneのディスプレイ部分を覆っているフロントパネルを外します。

充電端子部分にある極小サイズの星型ネジを外し、吸盤と特殊なピックなどを使ってフロントパネルを少しずつ持ち上げていきます。

iPhoneに使用されているネジは一般的な工具で取り外すことはできないため、専用の星型ドライバーやピンセットなどが必要です。

2.基板の分解

次にフロントパネルや基板などに接続されている>ケーブル類を外して分解します。

ケーブルといっても一般的な太さのものではなく、薄い金属やフィルムのような細かいパーツで構成されており慎重に扱わないと断線する危険性があります。

また、どのケーブルがどの部分に接続されているかといった内部構造を理解しないまま作業を進めてしまうと、分解の際に無理な力が加わり壊れる可能性もあるため注意が必要です。

3.乾燥

細かなパーツを一つずつ取り外し、分解ができたら乾燥させクリーニングを行います。

この時点で基板の損傷や腐食などが見られない場合、再びパーツを組み立てて電源を入れることで復旧できる可能性もあります。

4.パーツ交換

パーツの一部に破損が認められた場合には、該当部分のパーツを交換しながら動作確認を行っていきます。

iPhonの修理の詳しい流れについては「iPhoneの修理はどのような流れで進められる?預かりから返却までのフローを解説」をご参照ください。

水没修理にかかる費用

水没修理にかかる費用

iPhoneの水没修理を依頼する場合、多くの方が気になるのはコストの問題ではないでしょうか。

iPhoneの修理は大きく分けてApple公式の修理サービスと、それ以外の修理専門店に依頼する方法がありますが修理費用は大きく異なります。

Apple

Apple StoreやApple正規サービスプロバイダ、キャリアショップなどへ修理を依頼する場合、水没の修理メニューは「その他の損傷」が該当します。修理を依頼するiPhoneのモデルおよびAppleCare+への加入状況によっても修理費用は大きく変わります。

たとえば、iPhone 15の水没修理を依頼した場合、AppleCare+加入中であれば12,900円で修理が可能ですが、未加入であれば87,800円と非常に高額です。

一言メモ

    ちなみに、「修理」と表記していますが正確には本体交換であり、店頭に在庫があればその場で古い端末から新しい端末へと交換をしてくれます。

基本的に内部基板に水が侵入し水没したiPhoneは、一時的に症状が改善したとしてもいつ不具合が再発するか分からないため、Appleでは修理ではなく本体そのものを交換しています。ディスプレイの割れやヒビ、バッテリー交換などに比べて修理費用が非常に高額なのはそのためです。

修理専門店

Apple正規サービスプロバイダではないものの、iPhoneの修理に対応している専門店も数多く存在します。

修理専門店ではAppleCare+を利用できないほか、Apple純正のパーツではなく汎用パーツを使用して修理を行うケースが多いという特徴があり、その分修理費用を安く抑えられる可能性があります。

水没が疑われる場合、本体を分解し乾燥・クリーニング、および動作確認を行いますが、これら一連の作業で5,000円から7,000円程度の費用が相場となっています。

不具合があり交換が必要なパーツがあれば、その分がさらに実費として請求されます。

水没修理の費用を安く抑える方法

水没が疑われる場合、修理費用を安く抑えるためにはまず「AppleCare+」への加入状況を確認しておく必要があります。

AppleCare+へ加入していれば、最新機種であっても12,900円で本体交換ができるため、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダ、キャリアショップなどへ依頼するのがベストといえるでしょう。

一方、AppleCare+未加入で修理費用が高額になる場合には、修理専門店へ相談してみるのもひとつの手といえます。

本体交換ではないため不具合が再発するリスクはありますが、内部を分解し乾燥・クリーニングをすることで症状が改善できる可能性は高いです。

修理金額まとめ
修理先 項目 金額
Apple AppleCare+加入 12,900円
AppleCare+未加入 87,800円
街の修理店 5,000円~7,000円

iPhoneの水没修理はAppleまたは修理専門店へ相談しよう

iPhoneの水没修理はAppleまたは修理専門店へ相談しよう

防水機能が搭載されたiPhoneであっても本体のわずかな隙間から水が侵入する可能性はあり、水没のリスクは決してゼロではありません。

iPhoneに何らかの不具合が見られる場合、水没による故障の可能性があるため早めにAppleや修理専門店へ相談し、本体交換や修理を行うことが大切です。

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