iPhoneを開発したのは日本だったかも!?「Zaurus」という電子手帳をご存じか?

iPhoneの起源は日本!?Appleより先にスマホの先駆けを創った日本人、知られざるその歴史、SHARPのZAURUS

どうも!ライターのソラです。現在多くのメーカーがスマートフォンを製造しています。その草分け的な存在として2007年にアップル社からiPhoneがリリースされました。しかし、実はこれより遙か前の1993年に、現在のスマートフォンを目指した携帯型情報端末が日本企業【シャープ】から【Zaurus】という商品としてリリースされていたのです。今回の記事では、もしかしたら日本の企業がAppleより先にiPhoneのような革新的商品をリリースしていた!…かもしれないという事実をご紹介します。

【Zaurusとは】

皆さんはシャープが販売していた「Zaurus」という電子手帳を知っていますか?そもそも今の20代以下の世代には「電子手帳」という存在自体耳にしたこと無い人が多いかもしれないですね。そもそも電子手帳とは、携帯電話が普及する前にビジネスマンが活用していた電子機器の手帳のことです(今では一部子ども用の玩具として残っているみたいです)。
電子手帳【画像引用元】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%89%8B%E5%B8%B3#/media/File:Oz-7000_open.jpg

初期の電子手帳はスケジュールや住所録が管理できるだけの簡単な機能しか搭載していませんでしたが、やがて多くのアプリケーションを搭載し多機能化していきました。電子手帳は紙の手帳と違い検索が簡単にできることや、情報量が増えてもかさばらないため、1990年代には多くのメーカーから様々な電子手帳がリリースされていました。その中で特にビジネスパーソンに愛用されていたのがシャープのZaurusです。通常の電子手帳はガラケーに近い操作感でしたが、ザウルスは当時珍しかったタッチパネルを搭載しており、住所録やスケジュール管理だけでなく、無線LANカードやカード型PHSといった、通信機能を付加させるオプションを付けることでビジネスメールを外出先で閲覧できたり、インターネットにアクセスできたりと、非常に多機能な電子手帳でした。言ってしまえば通話機能の付いていないスマートフォンのようなものだったのです。
Zaurus【画像引用元】
http://www.troeszter.net/SharpZaurus.html

画像は最終モデルの「SL-C3200」ですが、サイズ感はやや厚みがあるものの、カラー液晶タッチパネルである点やアプリが一つずつ配置されているレイアウト感は現在のスマホに近いものがありますね。
これをAppleよりも前に日本が開発していたというのは感動ものです。

【Zaurusの誕生】

ザウルスシリーズ開発の歴史には、実はiPhoneを創った「アップルコンピューター」が関わっています(アップルコンピューターはiPhone発売の1月9日にApple Incへ改称しました。)。現在スマホやPCでは一般的なタッチ操作ですが、それの基礎となる「手書き認識」という機能に関してシャープとアップルコンピューターは共同研究を行っていました。その中でアップルは「Newton」という世界最初の携帯情報端末を作り上げ(商業的にはダメダメでしたが…。)シャープは「Zaurus」というタッチ操作ができる電子手帳を作り上げたのです。

【Zaurusの進化】

1993年当初はスケジュール管理や住所録といった、正に「電子手帳」という感じのザウルスですが、改良に改良を重ねて1994年には外付けオプションを使った通信機能を獲得し、メールやインターネットへの接続が屋外でも可能になりました。2000年頃には電子書籍や音楽、ゲームと機能を増し続け、ビジネスパーソン向けに株取引もできるようになりました。

【進化の終着点とザウルスの終焉】

Zaurusの開発担当者たちは、進化の最終形態として「通話機能の獲得」を目指していました。そのために日本の大手通信会社に働きかけてザウルスの携帯電話化を進めていたのですが、大手通信会社はザウルスの携帯電話化を渋り、実現することはありませんでした。その後、ザウルス開発チームはシャープの携帯電話部門に移り、「カメラ付き携帯」の開発に携わって世界初のカメラ付き携帯電話【J-SH04】を作り上げ、携帯電話で撮影した写真を交換する「写メール」の文化を作り上げることになります(この写メールという言葉も今は廃れてきているので20代以下は知らない人が多いかもしれませんね…。良かったらお父さんやお母さんに聞いてみてください)。
現在のスマートフォンに繋がる技術をふんだんに盛り込んだZaurusですが、進化の終着点となる「携帯電話化」を果たすことができず、2006年3月にZaurusの最終モデルとなる「SL-C3200」の発売を最後にその歴史に幕を閉じることとなりました。

【iPhone登場】

Zaurusの最終モデルがリリースされてから10か月後の2007年1月9日に、AppleからiPhoneが発表されました。
初代iPhone【画像引用元】
https://ja.wikipedia.org/wiki/IPhone_(%E5%88%9D%E4%BB%A3)#/media/File:Original_iPhone_docked.jpg

世界が衝撃を持って迎えたアイテムでしたが、その多くの機能はZaurusも持ち合わせているものでした。
もちろんデザイン性や操作性、そして何よりも携帯電話としての機能と言う点で異なる部分はありますが。タッチパネルでの操作やアプリケーションを盛り込むことでの多機能化、当時の携帯電話では難しかったビジネスメールの外での送受信やウェブへの接続など、ZaurusとiPhoneの共通性は非常に多くありました。iPhoneが登場した当初、ザウルス開発者のひとりは「ついに来るべきものが来た」と思ったそうです。

ザウルスが発売開始されたのが1993年と、ネット環境が整うずっと前でした。しかし日本の大手通信会社がザウルスの携帯電話化を推し進めていたら、もしかしたらスマートフォンの先駆けはAppleのiPhoneではなく、シャープのZaurusだったのかもしれません。

【早すぎたZaurus】

開発者のお子さんが大きくなり過去に開発されたザウルスを見て父親に
「お父さんが本当に作ろうとしていたのはスマートフォンだったんだね」
と語ったそうです。
このコメントめっちゃ泣けた!
きっと独創的過ぎて時代が追いつけてなかったんだと思う。何年も経って、やっと…やっと時代がZAURUSに追いついた。周りの人もZaurusの最終進化の形を理解してくれた。けれども時代がそれを許してくれなかった…。
大手の通信会社がザウルスの携帯電話化を後押ししていたら、もしかしたらスティーブ・ジョブズじゃなくて、Zaurus開発者が世界中からクローズアップされていたのかもしれない…。世界のAppleじゃなくて、世界のシャープになってたんじゃなかろうか…。そんなことを思ってしまいますね。もしもそうなっていたら、このサイトは「iPhone大学」じゃなくて「Zaurus大学」になっていたかもしれません(笑)。
Zaurusは世界のZaurusになれませんでしたが、日本の技術者はめっちゃスゴイということが分かりますよね。これから先、革新的なアイテムをどんどん開発してもらいたいですね(^_-)-☆
その時には大手企業も渋らずに一緒に冒険してくれたら良いなと思います。

【参考URL】
http://ezaurus.com/

・一緒に読んでほしい記事
iPhoneの歴史(iPhone初代~iPhone6迄)

同じカテゴリー内の記事

Apple、Mac、Macintosh、macOS、Safari、iPhone、iOSの商標およびそのロゴは、「Apple Inc.」の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※iPhone商標は「アイホン株式会社」の登録商標または商標です。 ※iOS商標は「Cisco Systems, Inc.」の登録商標または商標です。
ページ上部へ戻る