ステイホームの意外な悩み「Wi-Fiが遅くなった」を解消する方法

ステイホームの意外な悩み「Wi-Fiが遅くなった」を解消する方法

新型コロナウイルスの影響を受け、リモートワークやネット配信の動画サービスを利用する機会が増えた方も多いのではないでしょうか。しかし、このような生活環境の変化にともない、ネット回線の速度低下に悩むケースが増えています。一口に回線速度の低下といってもさまざまな原因が考えられ、それぞれに適した対策を講じる必要があります。

そこで今回は、自宅でPCやiPhoneを利用していてWi-Fiが遅くなったと感じている方のために、Wi-Fiの速度が低下する要因と対策について詳しく解説していきます。

Wi-Fiの速度が低下する原因

Wi-Fiがつながらなくなった、もしくは通信速度が大幅に低下した場合、そこにはさまざまな要因が考えられます。今回は一般家庭でありがちな4つの要因をピックアップしてみました。

Wi-Fiの速度が低下する原因

Wi-Fiルーターとの距離・障害物

Wi-Fiルーターもしくはアクセスポイントとの距離が遠すぎたり、端末までの間に障害物がある場合に回線速度が大幅に低下することがあります。たとえばルーターは1階、PCやiPhoneなどの端末を2階で使用している場合、電波が減衰して思うようにスピードが出ないケースは少なくありません。

Wi-Fiルーターに近い場所では問題なく使用できるのに、離れた場所で使用した途端にスピードが遅くなる場合は、距離や障害物による電波の減衰が主な要因として考えられるのです。

電波の干渉

Wi-Fiルーターが発している電波の周波数は2.4GHzまたは5GHzが使用されていますが、このうち2.4GHzの周波数帯を使用している場合、他の家電製品と電波が干渉してスピードが遅くなるケースがあります。具体的には電子レンジやBluetooth対応のスピーカー、コードレス電話などが代表的。

一部の家電製品では周波数帯の変更が可能な製品も登場していますが、電子レンジやBluetooth対応の家電製品などは調整ができないこともあります。回線速度が遅いと感じた場合、そのときに電子レンジなどの家電製品が動いていないかを確認し、特定のタイミングだけ速度が低下するようであれば電波干渉の可能性が高いといえるでしょう。

また、これらの家電製品がない場合でも、複数のWi-Fi接続端末を使用していると、周波数帯を奪い合うことにもなるため十分な回線スピードが出ないケースもあります。

同時接続数

Wi-Fiルーターには同時に接続できるPCやスマートフォンなどのデバイス数上限が決められており、これをオーバーしてしまうとWi-Fiに接続することができなくなります。
たとえば4人家族でひとつの通信回線を共有している場合、スマートフォン4台に加えてタブレット端末やPC、テレビ、スマートスピーカー、スマートウォッチなどのデバイスも接続していると、あっという間に接続数の上限に達してしまうことも。

仮に接続上限数以下であったとしても、オンラインゲームなどネットワーク負荷の高いサービスを使用していると、通信帯域を専有して速度が遅くなることも考えられます。

集合住宅向けの回線

ステイホーム期間中に多くの人が体験したのが、マンションやアパート向けに提供されているインターネット回線の速度低下です。一戸建て住宅の場合、自宅に光回線を引き込む際には世帯ごとに専用の回線が用意されます。しかし、集合住宅の場合は、その建物自体に回線を引き込み、そこから各部屋に回線を分配しているような状態になっていることがほとんどです。

集合住宅向けプランの月額料金が安く設定されているのはこのためなのですが、一方で他の部屋で利用しているユーザーが多くなればなるほど帯域が制限され回線速度も低下してしまいます。

Wi-Fiルーターとの距離・障害物への対処

Wi-Fiの通信速度が低下する主な要因が分かったところで、ここからは具体的にどのような対策を講じれば良いのか解説していきましょう。まずはルーターとの距離や障害物が原因で速度が低下しているケースから紹介します。

Wi-Fiルーターとの距離・障害物への対処

設置場所を変更する

Wi-Fiルーターと端末の距離が離れすぎている場合は、単純にWi-Fiルーターの設置場所を変更して距離を短くしてみましょう。一人暮らしの部屋であれば移動も簡単だとは思いますが、家族と同居している場合は公平に電波が行き届くように、自宅の中央付近にルーターを設置してみるのがおすすめ。

通信事業者からレンタルしている光ユニットとWi-Fiルーター機能が一体化している場合は、市販されているWi-Fiルーターに買い替えてみるのも有効です。電波の強度が強く、より広範囲に届くWi-Fiルーターも販売されているため、どうしても移動が難しい場合は検討してみるのが良いでしょう。

中継機を追加する

自宅が広くWi-Fiルーター1台だけではカバーするのが難しい場合は、別途中継機を購入してみるのもおすすめです。中継機とはその名の通り、Wi-Fiの電波を増幅して目的地まで飛ばしてくれるデバイス。Wi-Fiルーターと端末の中継地点となるところに中継機を設置することで、電波強度をアップさせて快適に通信できるようになります。

中継機はWi-Fiルーターに比べて安価なため、複数ポイントの電波対策にも役立ちます。

電波の干渉への対策

次に、家電製品や他のWi-Fi接続端末との電波が干渉している場合の対策について紹介します。

電波の干渉への対策

Wi-Fiの周波数を変更する

電子レンジやBluetooth対応のデバイスを使用している場合は、Wi-Fi側の周波数を2.4GHzから5GHzへ変更しましょう。ただし、古いWi-Fiルーターの場合5GHzに対応していないケースもあるため、事前に確認が必要です。2.4GHz帯の周波数は「IEEE 802.11b」または「IEEE 802.11g」という規格が使用されており、5GHz帯の場合は「IEEE 802.11a」「IEEE 802.11n」「IEEE 802.11ac」という規格が使用されています。

なお、通信規格によっても回線速度は異なり、光回線のWi-Fiルーターとしては「IEEE 802.11n」または「IEEE 802.11ac」に対応したものがおすすめです。
Wi-Fiルーター側での周波数変更の方法は端末によっても変わるため、マニュアルなどを確認して作業を行ってください。

異なるSSIDを使用する

複数のWi-Fi接続端末があって電波が干渉していると考えられる場合は、デバイスごとに異なるSSIDに分散させて使用するのがおすすめです。Wi-Fiルーターによっては複数のSSIDに対応しているケースが多く、それぞれ異なる電波帯域で通信が可能になります。

ちなみに、接続先となるSSIDを変更するということは、それぞれに対応したパスワードもiPhoneやPC側で設定し直さなければならないため注意が必要です。

同時接続数がオーバーした際の対策

次に、Wi-Fiルーターの同時接続数がオーバーしてしまった場合に有効な対策をご紹介します。

同時接続数がオーバーした際の対策

異なるSSIDを使用する

電波干渉対策でも紹介したように、回線接続数が増えてきた際には異なるSSIDに分散させて使用してみましょう。たとえばSSIDが3つ存在するWi-Fiルーターの場合は、1つのSSIDに10台接続するよりも「3台、3台、4台」といったように分散させたほうが電波効率が良く回線速度も出やすくなります。

集合住宅で回線速度が低下した際の対策

一部の集合住宅では、「無料でインターネット回線が利用できる」などの特典を提供しているところが存在します。しかし、集合住宅である以上、つねに安定的な回線品質が実現できるとは限らないもの。特に夜間など多くの人が集中してアクセスしてしまうと、ADSL以下の回線速度にまで低下してしまうこともあります。

もしこのような事態になってしまったら、まずはアパートやマンションの管理会社に相談してみることをおすすめします。管理会社によっては回線の入れ替え工事などに応じてくれる可能性もあります。

一方で、そのような対応が望めないようであれば、管理会社が提供している光回線サービス以外に乗り換えを検討してみましょう。建物によっても対応している回線は異なるため、NTTやKDDIなどインターネット回線を提供している大手通信事業者に問い合わせてみるのがおすすめです。

iPhoneのテザリングを活用するのもおすすめ

iPhoneのテザリングを活用するのもおすすめ

固定回線の通信速度低下の要因とその対策について紹介してきましたが、もっと手軽に対策を講じたいと考える方も多いことでしょう。Wi-Fiルーターの難しい設定ができない方や、回線そのものを変更することが難しい方はiPhoneのテザリング機能を検討してみてはいかがでしょうか。

別途テザリングオプションに加入する必要はありますが、機器を追加で購入する必要もなく、現在もっているiPhoneをモバイルWi-Fiルーターのようにして使用できるため、自宅以外の場所でもPCやタブレット端末でインターネットを楽しむこともできます。

テザリングオプションの加入について分からないことがある方や、設定方法などのサポートを受けたい方も、大手通信キャリアのショップやサポートセンターで対応してくれるため安心です。

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