アンテナが立っているのに通信できない?「パケ止まり」・「パケ詰まり」とは何か?
iPhoneを使用している際、「アンテナピクトは立っているのに、なぜかインターネットに接続できない」といった症状が現れることはないでしょうか。特に2020年の春以降、5G対応の基地局が整備されるようになってから、このような症状が現れるケースが相次いでいます。通称「パケ止まり」または「パケ詰まり」とよばれるこの症状は、何が原因で発生するのでしょうか。
今回の記事では、パケ止まりやパケ詰まりが起こる理由として考えられることを紹介するとともに、万が一インターネットに接続できなくなった場合の対処方法についても解説します。
目次
- 1 パケ止まり・パケ詰まりとは何か?
- 2 パケ止まり・パケ詰まりが起こる原因
- 3 パケ止まり・パケ詰まりが起こった場合の対策
- 3.1 機内モードのON/OFF 一時的にパケ止まりやパケ詰まりが発生した場合には、iPhoneの機内モードをONにした後、再びOFFにすることで復旧できるケースが多いです。「普段は安定して接続できる場所なのに、なぜか今日に限ってうまく接続できない」場合には、4Gと5Gの切り替え(ハンドオーバー)がうまくできていない可能性があります。そのような場合に、機内モードのON/OFFは効果を発揮します。 ちなみに、この理由としては、機内モードは4Gや5Gの携帯電話ネットワークへの接続を一時的に切り替えられるためです。機内モードをONにすると4Gや5Gへの接続は一時的に切断され、OFFにすることで復帰します。もちろん、iPhone本体の電源をON/OFFでも対応できますが、より素早く対処する方法としては機内モードのON/OFFがおすすめです。 機内モードのON/OFFは以下の手順で設定します。 簡単!機内モード設定方法 iPhoneのホーム画面右上から下方向へスワイプ → 左上にある飛行機のアイコンをタップ → オレンジ色の表示で機内モードON 「設定」アプリ →「機内モード」をON 5Gの設定を変更する
- 3.2 パケ止まり・パケ詰まりの根本的な解決には時間がかかる
パケ止まり・パケ詰まりとは何か?
パケ止まり、またはパケ詰まりとは、iPhoneにアンテナピクトが立っているにもかかわらず、インターネットに接続できなくなる現象のことを指します。この状態になると、たとえばYouTubeにアクセスし動画を開こうとした際に、円形のアイコンがグルグルと回ったまま動画が閲覧できなかったり、ブラウザからリンク先をタップしても目的のWebサイトが表示されなかったりします。
このような現象は、主に5Gのアンテナピクトが立っている場合に発生することが多いとされています。従来の3Gや4Gといったネットワーク回線でも同様の事象が発生するケースはあったのですが、回線の混雑時やアクセス先のサーバーに過度な負荷がかかっている場合に発生することが多く、そのまま待っていたり時間をおいてアクセスし直すと改善されることがほとんどでした。
しかし、5Gのエリアが拡大するようになってから、いくら待っていてもアクセスできない、または同じ場所で時間帯を問わずパケ止まり・パケ詰まりが発生するといったケースが報告されているのです。パケ止まりやパケ詰まりが起こった状態でそのまま待っていると、ブラウザの場合は一定時間を経過した後に「このサイトにアクセスできません」という表示が出てきて、その先に進めなくなってしまいます。
パケ止まり・パケ詰まりが起こる原因
では、なぜこのようなパケ止まりやパケ詰まりが起こるようになったのでしょうか。大手キャリアでは明確な原因にまで言及はしていませんが、「主に5Gのアンテナピクトが立っている状態で発生する」、「同じ場所で発生することが多い」という2つの特徴を加味すると、5Gの通信エリアの問題が可能性として浮上してきます。
たとえば、5Gと4Gの両方の電波が入っている場所で、5G対応のスマートフォンを使用した場合、5G通信がオンの設定になっていれば5Gネットワークへの接続が優先されます。しかし、アンテナピクトは立っている状態でも電波が微弱な場合、良好な通信環境とはいえずインターネット接続がうまくいかない場合もあるのです。また、何らかの原因によって5Gから4Gへの電波の切り替えがうまくいかず、5Gで何度もアクセスしようとしてタイムアウトになっている可能性も考えられます。
いずれにしても上記で挙げた内容は、大手キャリアが正式に発表しているものではなく、あくまでも可能性の一つに過ぎません。しかし、5Gエリアの拡大とともにパケ止まりやパケ詰まりの報告が増えてきたことや、5Gのアンテナピクトが立っている状態で発生しているケースが多いことを考えると、パケ止まり・パケ詰まりの裏には5Gに関連した要因があると推察できます。
パケ止まり・パケ詰まりが起こった場合の対策
では、実際にiPhoneを利用している最中に、パケ止まりやパケ詰まりの症状が現れた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。今回は2つのポイントを紹介します。
機内モードのON/OFF
一時的にパケ止まりやパケ詰まりが発生した場合には、iPhoneの機内モードをONにした後、再びOFFにすることで復旧できるケースが多いです。「普段は安定して接続できる場所なのに、なぜか今日に限ってうまく接続できない」場合には、4Gと5Gの切り替え(ハンドオーバー)がうまくできていない可能性があります。そのような場合に、機内モードのON/OFFは効果を発揮します。
ちなみに、この理由としては、機内モードは4Gや5Gの携帯電話ネットワークへの接続を一時的に切り替えられるためです。機内モードをONにすると4Gや5Gへの接続は一時的に切断され、OFFにすることで復帰します。もちろん、iPhone本体の電源をON/OFFでも対応できますが、より素早く対処する方法としては機内モードのON/OFFがおすすめです。
機内モードのON/OFFは以下の手順で設定します。
簡単!機内モード設定方法
- iPhoneのホーム画面右上から下方向へスワイプ → 左上にある飛行機のアイコンをタップ → オレンジ色の表示で機内モードON
- 「設定」アプリ →「機内モード」をON
5Gの設定を変更する
iPhoneではモバイルネットワークでデータ通信を行う場合、4Gまたは5Gのネットワークを設定によって選択できるようになっています。通常、デフォルトの設定では「5Gオート」となっており、これは「5Gに接続したほうが通信速度が速いと判断した場合、5Gに接続する」という機能です。しかし、何らかのトラブルによってハンドオーバーがうまくいかないと、決まった場所でパケ止まりやパケ詰まりが発生することも考えられます。
そのため、たとえば勤務先や自宅、通勤ルートなどでパケ止まりやパケ詰まりが頻発する場合には、「5Gオート」ではなく「4G」へ固定しておくと良いでしょう。4Gへ固定する際の設定方法は以下の通りです。
ネットワーク「4G」固定方法
- 「設定」アプリ→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」→「4G」を選択
パケ止まり・パケ詰まりの根本的な解決には時間がかかる
パケ止まりやパケ詰まりが頻発すると、ブラウザやSNS、YouTubeなどにアクセスするたびにストレスを感じてしまいます。機内モードや5Gの設定変更といった応急処置で一時的に改善はするものの、設定の変更に手間がかかったり、せっかく5G対応のiPhoneを持っているにもかかわらず機能をフル活用できなかったりといったデメリットがあることも確かです。
一刻も早く根本的な解決がされる様、今後に期待していきましょう。
機内モードのON/OFFは以下の手順で設定します。
- iPhoneのホーム画面右上から下方向へスワイプ → 左上にある飛行機のアイコンをタップ → オレンジ色の表示で機内モードON
- 「設定」アプリ →「機内モード」をON
- 「設定」アプリ→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」→「4G」を選択