iPhoneで確定申告はできる?条件や必要なもの、手続き方法を解説
個人事業主はもちろん、ふるさと納税をしている方や副業によって収入を得ている方は確定申告が必要となる場合があります。しかし、これまで確定申告をした経験がない方にとっては、「手続きが難しそう」、「手続きに時間がかかるのではないか」、「税理士に依頼しなければできないのではないか」と考えがちです。
しかし、じつは一定の条件を満たせば、書類へ記載したりPCで帳簿をつけたりしなくてもiPhoneから確定申告ができることをご存知でしょうか。そこで今回は、どのような条件を満たせばiPhoneで確定申告ができるのか、手続きに必要なものや手順も含めて詳しく解説します。
目次
iPhoneで確定申告ができる条件
はじめに、iPhoneで確定申告が行える条件について紹介しましょう。iPhoneを含めスマートフォンで確定申告が行えるのは、以下の所得が対象となります。
- 給与所得
- 公的年金等
- 雑所得
- 一時所得
- 配当所得
上記のうち、会社員で2か所以上から給与所得を得ている場合でもiPhoneでの確定申告が可能です。
個人事業主やフリーランスとして生計を立てている方の場合、多くは「事業所得」という区分で確定申告を行っているはずです。しかし、上記のとおり、iPhoneで確定申告が行える条件に事業所得は含まれておらず、従来通りPCでのe-TAXか確定申告書へ記入しての申告手続きとなります。
iPhoneでの確定申告に必要なもの
では、iPhoneで確定申告を行う場合、何を準備しなければならないのでしょうか。必要なものは以下の通りです。
- iPhone(iPhone7以降)
- マイナンバーカード
- 源泉徴収票
- 控除証明書
iPhoneでの確定申告には「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」という2つの方法があり、より簡単に手続きが可能なマイナンバーカード方式を選択する場合、マイナンバーカードを用意しなければなりません。また、マイナンバーカードをiPhoneで読み取ってデータを入力する必要があるため、ICカードの読み取り機能に対応したiPhone7以降の端末でなければ対応できないため注意が必要です。
源泉徴収票は確定申告の際に必須ではありませんが、iPhoneのカメラで読み取ることで細かい金額や内容を自動的に入力できるため、申告手続きの際には準備しておいたほうがスムーズです。
iPhoneで確定申告を行う手順(マイナンバーカード方式)
では、実際にiPhoneで確定申告を行う場合、どのようて手順で進めれば良いのでしょうか。今回は、より手続き方法が簡単なマイナンバーカード方式で申告する際の手順を5つのステップに分けて解説します。
1.「確定申告書等作成コーナー」へアクセス
はじめに、iPhoneのブラウザから「確定申告書等作成コーナー」へアクセスします。「確定申告書等作成コーナー」とは国税庁が公開している専用サイトで、検索エンジンからキーワードを入力するか、以下のURLへジャンプするとiPhone用の作成コーナーが閲覧できます。
確定申告書作成コーナー:https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/smsp/top#bsctrl
なお、上記にアクセスできたら「作成開始」をタップし、申告する収入等を選択した後、提出方法は「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択し次へ進みます。
2.「マイナポータルAP」をインストール
次に、「申告書作成前の確認」という画面に遷移した後、「マイナポータルAP」とよばれるアプリのインストール画面が出てきます。AppStoreのアイコンをタップするとアプリのダウンロード画面が表示されるため、通常のアプリと同様にインストールしてください。
なお、「マイナポータルAP」をダウンロード後はアプリを開く必要はなく、ふたたびブラウザへ戻って利用規約を確認し「同意して次へ」をタップします。
3.マイナンバーカードの読み取り
「マイナポータルAP」のインストールが終わったら、マイナンバーカードの読み取りに進みます。
e-Taxのログイン画面で「マイナンバーカードの読み取り」という項目が出てくるため、これをタップするとマイナンバーカードの利用者証明用電子証明書のパスワードが求められます。マイナンバーカードの発行時に設定した数字4桁を入力し、iPhoneの背面にマイナンバーカードをセットして読み取ります。
なお、マイナンバーカードの読み取り手順についてはiPhoneの画面上に詳しく表示されるため、指示に従って作業してください。
4.各項目の入力
その後、利用者情報と源泉徴収票、控除証明書に記載された金額などを入力します。なお、源泉徴収票が手元にあれば、iPhoneで書類を撮影し、その内容が自動的に各項目へ反映される機能が2021年度から実装されています。
確定申告で入力する項目については、所得の種類や申告内容によっても異なるため、画面に表示された説明を確認しながら作業を進めましょう。
5.データを送信
各項目の入力が完了し内容に誤りがないことを確認したら、申告書データを送信します。このとき、「署名を付与する」という項目をタップすると、電子署名が付与され安全にデータが送信されます。無事データの送信が完了すると、受付結果が表示され一連の申告手続きは完了となります。
- 国税庁サイトの確定申告書等作成コーナーで「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択
- 「マイナポータルAP」をインストール
- 「マイナンバーカードの読み取り」を選択しパスワードを入力後に読み取り
- 各項目、金額を入力
- データを送信し完了
iPhoneで確定申告を行ったほうが良い人
iPhoneで確定申告書を行うにはさまざまな条件があると紹介しましたが、具体的にどのような人が適しているのでしょうか。今回は代表的な3つのケースを例に紹介します。
ふるさと納税をした人
ふるさと納税を行った場合、寄付金控除を適用することで住民税の節税効果が期待できます。収入が給与所得のみの会社員で、ふるさと納税で全国の自治体へ寄付をした方はiPhoneで簡単に確定申告手続きが可能です。
医療費控除の申告が必要な会社員
医療費控除は年末調整での控除ができないため、会社員であっても確定申告が必要です。通院や入院にかかった医療費の領収証をもとに、医療費控除の明細書欄へ金額を記入することで控除を受けられます。
副業収入が雑所得にあたる人
副業として物販やアフィリエイトなどで収入を得ている場合、雑所得として確定申告を行う必要があります。給与所得を得ながら副業として雑所得を得た場合には、iPhoneから簡単に確定申告ができます。
確定申告は早めに済ませよう
副業などで収入を得ている場合、確定申告によって抜け漏れなく納税の手続きをしなければなりません。また、ふるさと納税や高額な医療費がかかった場合には、確定申告をすることで還付金を受け取れたり、住民税が軽減できたりするメリットもあります。
今回紹介してきたように、一定の条件を満たせばiPhoneでも簡単に確定申告が可能なため、この機会にぜひ試してみてはいかがでしょうか。
今回はiPhoneで確定申告できる条件や必要なもの、手続き方法について詳しく解説しました。デジタル化が進む行政サービスですが、iPhone本体も続々新機能が加わりできることが増えています。「iOS15.2へのアップデートがスタート!注目の新機能を解説」では、iOS15.2で新たに搭載された便利な機能をご紹介しています。ぜひあわせてご参考ください。