東大阪市は、文字どおり大阪市の東部に隣接しており、大阪府の東端として奈良県生駒(いこま)市に隣接する地方自治法による政令によって指定された中核市です。市内の中央には、大阪市内から奈良県生駒市方面への東西に2本の鉄道路線が横断しています。その一つは、北寄りを東西に敷設された阪神高速13号東大阪線に沿って大阪市営地下鉄中央線が、長田(ながた)駅で近鉄けいはんな線に連絡して主に地下を運行し、残りの一つは、その南寄りを近鉄奈良線が運行していますが、これらは生駒駅で合流します。
この点、近鉄奈良線は、市内東部の瓢箪山(ひょうたんやま)駅から北方向へ進路を変えて生駒山の急勾配を登坂する経路を辿るため、生駒山中腹付近にある石切(いしきり)駅あたりから大阪平野部の市街地を見下ろす沿線の眺望は格別です。
他方、東大阪市は、小規模で高い技術を有したベンチャー経営の町工場や企業が多いことでも知られています。
中でも、新幹線車両などに使用され、過酷な振動状況にあっても緩まないナットを生産する「ハードロック工業(株)」などは有名です。また、中小企業の高い技術力を集結して人工衛星を打ち上げようとするSOHLA(東大阪宇宙開発協同組合)が2002年に設立され、2009年1月に人工衛星「まいど1号」が種子島宇宙センターから打ち上げられました。
寝屋川市は、大阪府の北河内地域に属する6市(守口市、門真市、大東市、四条畷市、枚方市、交野市)総てに隣接する中心都市で、2014年5月に改正された地方自治法によって2019年4月に中核市への移行を目指す「施行時特例市」です。
市内の北部、香里園(こうりえん)駅から南に小高くなった丘に登ると、千葉県成田市にある成田山新勝寺別院の「成田山大阪別院・明王院(みょうおういん)」があります。この寺院は、縁起上で大阪の鬼門にあたる北河内地域が京阪沿線にあっても住宅開発なども思うように進まないため、京阪電鉄が成田山新勝寺に対し、「鬼払い」のご利益とアピール効果を求めて大阪別院の建設を依頼して、元々は香里遊園地のあった場所に建立されました。この寺院は、「人車一体」の祈祷を行った最初の寺院としても知られ、交通安全の祈祷で関西圏では有名です。
このような経緯もあって、現在でも京阪電車の各列車車両には、この寺院の御守りが祀ってあります。因みに、毎年、この寺院での節分には、豆撒き行事の際に、一般には「鬼は外、福は内」との掛け声であるところ、そもそも鬼の出ない場所であることから、「福は内」を連呼して豆を撒きます。