大阪市住之江区は、大阪市の南西端にある大阪湾沿岸の埋立地を中心としたエリアです。この区の最西端にある埋立てされた人工島は一般に「咲洲(さきしま)」と呼ばれています。ここには、オフィス、ショールームやアウトレットモールなどの総合複合施設の「ATC(アジア太平洋トレードセンター)」や、「インテックス大阪」の愛称で知られ、多様な催しが開催される国際展示場の「大阪国際見本市会場」などがあります。
また、かつては「WTC(ワールドトレードセンター)コスモタワー」と呼ばれており、運営会社の債務超過による破綻と旧・大阪府庁庁舎(以下、「旧府庁」という)の建て替え経費試算等の問題から紆余曲折の末に大阪府が所有権取得して改称された「大阪府咲洲庁舎」がありますが、耐震性や防災拠点等の問題から現状では旧府庁からの完全移転には至っておらず、旧府庁との併用がされています。
区内の主な交通は、大阪市営地下鉄四つ橋線が北区の西梅田(にしうめだ)駅から「住之江公園(すみのえこうえん)」駅を終点として伸びており、ここから区内湾岸エリアを新交通システムの大阪市交通局南港ポートタウン線(愛称、「ニュートラム」)が「フェリーターミナル」駅などを経由して咲洲北端のコスモスクエア駅まで伸びています。更に、大阪市営地下鉄中央線が港区の大阪港駅からコスモスクエア駅まで延伸されており、大阪市内の中心部市街地からのアクセスも良いエリアとなっています。また、フェリーターミナル駅最寄の「南港フェリーターミナル」は、四国や九州方面に向かうフェリー航路の拠点となっています。
堺市は、大阪府下にあって大阪市に次ぐ政令指定都市で、2006年4月に、市内を7つに分けた区制を施行しました。また、佐賀県、徳島県、福井県、山梨県などを総人口では上回っており、観光などの点では京都、奈良、神戸よりも知名度は低いものの、大阪湾岸にある工業地帯の中核を担う関西でも有数の第二次産業(加工、生産など)を中心とした大都市です。
この点、湾岸にある地理も手伝って交易も盛んであったため、かつて戦国時代頃には、多くの金銀鉱石の集まる状況から「東洋のベニス」とも称されており、鉄砲生産に携わる鍛冶(かじ)職人が多かったなどの名残りもあってか、現在でも高い技術を誇る伝統産業として業務用包丁などの高品質な刃物生産が有名です。
一方、市内中央部には、俗に「仁徳天皇陵(にんとくてんのうりょう)」として知名度の高い、「大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)」を含む「百舌鳥古墳群(もずこふんぐん)」があり、市内には古(いにしえ)の時代からの歴史的構造物、建造物なども数多くあります。
その他、市内沿岸部の南端にある浜寺公園(はまでらこうえん)エリアは、かつては浜寺海水浴場があって、この地で開校されてから約100年の歴史を誇り、多様な泳法を修練するための「浜寺水練学校(はまでらすいれんがっこう)」がありますが、ここが日本でのシンクロナイズドスイミング発祥の地とされています。
岸和田市は、大阪府南部の泉南地域にある中心都市で、市内沿岸部の北端に国指定の名勝「岸和田城(きしわだじょう)」があります。この点、岸和田市は、全体としては南北に細長く伸びた市域で、南端には金剛・和泉葛城山系(こんごう・かつらぎさんけい)を構成する山のひとつで和歌山県境にある「和泉葛城山(いずみかつらぎさん)」があります。また、岸和田漁港があり、イワシやタコなどの水揚げでも大阪周辺では有名ですが、水なすやタマネギなどの農産物でも有名な産地です。
尚、岸和田市を語る上で欠かせないのが「岸和田だんじり祭」です。この祭りは、岸和田城下の周辺エリアで毎年9月に行われる勇壮な、昨今では約60万人ともいわれる観光客で賑わう国内でも屈指の祭です。
岸和田市民や出身者は、「だんじり祭のために生きている」といわれるほど情熱のある祭り好きで知られ、町内を強引に曳き回すだんじりによる事故や被害を対象にした火災保険商品もあるほどで、中には「だんじりのためなら死ねる。」とまで豪語する人もいるそうです。もっとも、毎年9月に開催されることからも、他地域の秋祭りと同様に五穀豊穣の祈願が起源とされています。