iPhoneが水没したときの応急処置の方法!Appleでの修理料金も紹介します!
近年のiPhoneはいずれも防水・耐水仕様となっていることから、プールや海水浴などを楽しむ際にも携行している方は多いのではないでしょうか。しかし、防水や耐水仕様が備わっていても、使い方を間違えてしまうと水没と判定され、高額な修理費用が請求される可能性があります。
特に注意しなければならないのが、iPhoneが水に濡れた後の対処方法です。本記事では、iPhoneの水没はどのように判定されるのか、水没を防ぐために押さえておきたい正しい対処法とNG行為、Appleでの水没修理の費用について詳しく解説します。
目次
iPhoneの水没を判別する方法
画像引用元:iPhone や iPod の液体による損傷は保証対象外(Apple)
そもそもiPhoneはどのような基準で「水没」と判断されるのでしょうか。「本体を分解し内部の基盤を細かく確認しなければ水没の判断ができないのではないか?」と考えている方も多いと思いますが、実際の確認方法は極めて簡単です。
iPhoneのSIMカードスロットを取り出すと、入り口付近に液体侵入インジケータ(LCI)とよばれるものが見えます。このインジケータは、通常時であれば白色またはシルバー色をしていますが、水に触れると赤色に変色するという特性をもっています。そのため、SIMカードスロットを取り出したときに液体侵入インジケータを確認し、赤く変色していれば「水没」という判断になります。
インジケータはSIMカードスロットの少し奥まった場所にあるため、周囲の明るさなどによっては目視だけで正確に確認できないこともあるでしょう。そのような場合には、SIMカードスロットの入口付近にライトを照射するか本体を傾けるなどして、見やすい位置で確認します。
なお、iPhoneのモデルによってもSIMカードスロットの位置はわずかに異なるため、詳細についてはApple公式の「iPhone や iPod の液体による損傷は保証対象外」で確認してください。
防水のはずのiPhoneが水没する理由とは
近年のiPhoneはいずれも防水・耐水の仕様となっていることから、「水没になることはありえないのではないか?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
確かに、通常使用の範囲内であれば一定の防水性能が発揮できるため水没にいたることは少ないです。しかし、何らかの理由でSIMカードスロットが外れた状態で水の中に入れてしまったり、極端な温度変化の環境下で使用しiPhone内部に結露が生じてしまったりと、さまざまな原因によって水没することがあるのです。
また、最近ではサウナがブームとなっており、時間を有効に活用するためにサウナの中にiPhoneを持ち込んで使用する人も少なくありません。しかし、サウナの内部は極めて湿度が高く、長時間にわたって使用しているとiPhoneの内部に結露が発生しやすい状況に陥ります。実際にAppleではiPhoneをサウナやスチームルームで使用することを禁止しています。
さらに、プールなどでiPhoneを身につけたまま泳ぐ行為や、シャワーやサーフィン、ジェットスキーなど強い水圧がかかる環境下での使用、iPhoneを落下させるなど強い衝撃を与える行為も水没につながる可能性が高いことから、Appleは禁止しています。
Appleが禁止している行為
- サウナルームでの使用
- スチームルームでの使用
- iPhoneを身につけたまま泳ぐ
- シャワーを浴びながらの使用
- サーフィン、ジェットスキーなど強い水圧がかかる環境下での使用
- iPhoneを落下させる行為
水没したiPhoneに見られる症状
万が一iPhoneが水没すると、普段通りにiPhoneを使用しているにもかかわらず、挙動がおかしかったり正常な使用に支障をきたしたりすることがあります。具体的にどのような症状が現れることが多いのか、いくつか代表的なものを紹介しましょう。
- 画面が暗くなる、反応が遅いなどのディスプレイ・タッチパネルの異常
- 充電ができないなどのバッテリーの異常
- カメラモードの画面や撮影した写真が真っ黒になるカメラの異常
- 音が聞こえない、割れたような音がするなどのスピーカーの異常
ディスプレイ・タッチパネルの異常
ディスプレイやタッチパネルの異常は水没による症状のなかでも発見しやすい傾向にあります。
たとえば、ディスプレイに縞模様やラインが入ったり、最悪の場合真っ暗な画面のまま何も表示されなくなったりすることもあります。また、タッチパネルを操作しているにもかかわらず、反応が遅い、または一切反応しなくなるケースもあるようです。
バッテリーの異常
バッテリーの異常として多く見られるのは、充電の減りが極端に早くなるパターンや、急に電源が落ちるといった症状です。また、充電ケーブルを差しているにもかかわらず、なかなか充電残量が溜まらず完了しないといったパターンもあります。
ちなみに、充電端子部分に水滴が付着したままライトニングケーブルを差し込んでしまうと、「Lightning コネクタで液体が検出されました」という警告文が表示されることがあります。これは水没を知らせるものではなく、あくまでも故障を防ぐための警告文に過ぎません。
緊急時など急ぎで充電をしなければならない場合には、この警告を無視して充電を継続することもできます。
カメラの異常
カメラの異常として見られる典型的な症状は、起動しても映し出される映像が真っ暗なままになるパターンや、撮影した画像が真っ黒になっているというものです。
これはバックカメラはもちろんのこと、フロントカメラにも共通の症状が現れることがあります。
スピーカーの異常
水没時に現れるスピーカーの異常としては、ボリュームを上げているのに音が鳴らない、割れたような音が再生されるといったものです。また、スピーカーの状態によっては音がこもったように聞こえるパターンもあります。
水滴が付着したときに一時的に上記のような症状が現れるケースもあれば、水没によって症状が直らなくなることもあるようです。
iPhoneが水に濡れたときにとるべき正しい対処方法
防水・耐水仕様が備わっているiPhoneですが、水に濡れたときに正しい対処をとらなければ水没となり高額な修理費用が発生する可能性があります。このような事態を防ぐためにも、iPhoneが濡れてしまったときにとるべき対処法を覚えておきましょう。
- 表面に水滴が付着している場合には、清潔なレンズクロスなど柔らかい布で拭き取ります。
- ライトニング端子の部分を下にして軽くiPhoneを叩き、水分を下に落下させます。
- しばらく放置して自然乾燥させます。できるだけ風通しの良い場所に置いておきましょう。
- ジュースやコーヒー、調味料など水以外の液体がiPhoneに付着した場合には、水で優しく洗い流した後に水分を拭き取りましょう。
- タオルなど糸くずが発生しやすい布を使用すると、端子部分に付着しショートを引き起こす可能性もあるため、必ず柔らかい布を使用してください。
- 扇風機の風を当てることでスピーディーな乾燥が期待できます。
水没時にとってはいけないNG行為
上記とは反対に、iPhoneが水に濡れて水没が疑われる際にやってはいけない行為をいくつか紹介しましょう。
- 電源を入れる
- 水分を出そうと強く振る
- 早く乾燥させようとドライヤーなどの熱風を当てる
- 直射日光のあたる場所に放置する
- 音が聞こえない、割れたような音がするなどのスピーカーの異常
- ライトニング端子に入った水を綿棒などでとる
電源を入れる
多くの人が、iPhoneを水没させた後に慌てて電源を入れてしまい、端末が無事かどうかを確認しようとします。これは大きな間違いです。水没直後に電源を入れると、通常とは異なる経路で電流が流れ、結果として基盤が破損する可能性があります。最も復旧率が高いのは、水没した直後に電源を入れず、すぐに近くの修理店へ持ち込むことです。多くの即日修理店では、水没修理を受け付けており、運が良ければデータを失うことなく端末を復旧できるでしょう。
iPhoneを強く振る
ライトニング端子の内部に水が侵入したとき、水分を外に排出しようとするあまり強い力で振り回すことがあります。しかし、このような行為はiPhoneの内部に水分を侵入させてしまい逆効果となる可能性が高いです。
あくまでもライトニング端子の部分を下にした状態で、手で優しく叩く程度におさめ、それ以降は自然に乾燥するのを待つのがベストです。
ドライヤーなどで熱い風を当てる
短時間で乾燥させようとするあまり、ドライヤーなどで熱風を当てる方も多いですが、このような行為も水没時の対処法としては好ましくありません。
そもそもiPhoneは0℃から35℃の環境で使用するよう定められており、ドライヤーの熱風を当てることで高温になり、故障の原因となる可能性があるためです。
直射日光のあたる場所に放置する
iPhoneが濡れた場合には自然乾燥をして水分を蒸発させるのが鉄則ですが、ドライヤーの熱風を当てるのと同様に高温になる場所に放置することも厳禁です。
直射日光がiPhoneに当たると本体の温度が急激に上昇していき、画面に「高温注意」の警告が表示されることがあります。この状態になると温度が低下するまでiPhoneが使用できなくなるほか、故障の原因となる可能性もあるためです。
自然乾燥をするときには直射日光が当たらない、風通しの良い場所を選びましょう。なお、扇風機の風は問題ありません。
綿棒などをライトニング端子に押し当てる
ライトニング端子の部分に水分が残っていると、ケーブルを差し込んだときに警告が表示され充電ができなくなります。
このとき、水分を素早く取り除くために綿棒などを端子部分に差し込んだり、押し当てたりすると内部の基盤がショートし故障の原因になることがあります。ライトニング端子に水分が入り込んだ場合には、端子部分を下にして軽く叩いた後、自然に水分が蒸発するのを待ちましょう。
Appleに修理依頼した時の水没の修理費用
実際に水没したiPhoneを修理してもらうためには、どの程度の費用がかかるものなのでしょうか。iPhoneのモデルや修理の依頼先によっても費用は異なります。
修理料金の比較表
モデル | アップルストア・Apple正規サービスプロバイダ | iPhone修理専門店 |
---|---|---|
iPhone 15 Pro Max | 114,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 15 Pro | 105,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 15 Plus | 96,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 15 | 87,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 14 Pro Max | 114,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 14 Pro | 105,800 円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 14 Plus | 96,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 14 | 87,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~70,000円程度 |
iPhone 13 Pro Max | 96,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 13 Pro | 87,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 13 | 68,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 13 mini | 59,400円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 12 Pro Max | 96,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 12 Pro | 87,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 12 | 68,800円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone 12 mini | 59,400円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~50,000円程度 |
iPhone SE(第3世代) | 44,000円(AppleCare+未加入) 12,900円(AppleCare+加入) |
12,000~20,000円程度 |
※2024年3月29日現在
水没修理はどこに依頼すべき?
水没の修理費用一覧でも紹介した通り、AppleCare+へ加入しているか否かによっても修理費用は大きく変わってきます。そのため、まずは現在の保証内容を確認し、もしAppleCare+へ加入済みであればアップルストアまたはApple正規サービスプロバイダへ依頼するのがおすすめです。
一方、AppleCare+へ加入していない場合には、iPhone修理専門店へ依頼したほうが割安な費用で修理をしてもらえる可能性は高いでしょう。
iPhone修理専門店によっても費用や修理の条件・内容は異なり、アップルストアやApple正規サービスプロバイダとほとんど変わらない修理費用がかかるケースもあります。いくつかの修理業者に見積もりをとってもらい、複数店舗を比較したうえで修理先を絞り込んでみるのがおすすめです。