iPhoneのスピーカーが故障?トラブルシューティングのポイントと修理費用の相場も紹介
iPhoneは毎年のように進化しており、カメラやディスプレイ、マイクなどさまざまなインターフェースの性能が向上しています。スピーカーも例外ではなく、迫力のある音質で音楽や動画を楽しむことができます。
しかし、普段通り使用しているにもかかわらず、ある日突然スピーカーからの音が出なくなったり、ノイズが入ったりと不具合が生じるケースもあります。
iPhoneのスピーカーが故障・不具合を起こすのはなぜなのか、考えられる主な原因を紹介するとともに、故障を切り分けるための確認事項、修理にかかる費用なども解説します。
目次
iPhoneのスピーカー位置をおさらい
iPhoneのスピーカーがおかしい、音声に異常が感じられた場合には、まずどちらのスピーカーに異常が発生しているのかを切り分ける必要があります。というのも、iPhoneには2つのスピーカーが搭載されており、使用状況や用途によっても使い分けられているためです。
iPhoneに搭載されているスピーカーは以下の2種類です。
- 本体上部の内蔵ステレオスピーカー
主に通話時に電話の音声を発するために用いられます。 - 本体下部の内蔵ステレオスピーカー
オーディオ再生や着信音、スピーカーモードで通話する際などに用いられます。
ちなみに、本体下部の内蔵ステレオスピーカーの位置は、ライトニング端子の右横にあり、左横にある穴はスピーカーではありません。
下部のスピーカーはオーディオ再生や着信音などを知らせることがメインの用途のため、本体上部にある内蔵ステレオスピーカーよりもスピーカーが大きく中低音なども響きやすい仕様となっています。ただ、たとえば画面を横向きにして映画や動画を楽しむ場合には、本体上部と下部のスピーカー両方から音声が再生され、より迫力のあるサラウンドを楽しめます。
iPhoneのスピーカーが何かおかしい、音量が小さい、あるいは音声が出ないといった場合には、どちらスピーカーがおかしいのか調べておきましょう。
iPhoneのスピーカーが故障した際に出る症状と確認すべき事項
iPhoneのスピーカーがおかしいと感じた場合でも、必ずしもそれが故障とは限りません。よくあるiPhoneのスピーカーの不具合や異常と、事前に確認しておきたいトラブルシューティングについて解説しましょう。
- 通話時に相手の声が聞こえない
- オーディオや動画を再生したときの音が出ない
- 音が小さい
- 音がこもったように聞こえる・音にノイズが入る
通話時に相手の声が聞こえない
電話やLINEの音声通話などを利用したとき、自分の声は相手に聞こえているにもかかわらず相手の声が一切聞こえないことがあります。このような場合、まずは以下の項目を確認しておきましょう。
確認項目
- 音量設定
- ほかのスピーカーやイヤホンにBluetooth接続されていないか
特に多いのがスピーカーやイヤホンへのBluetooth接続です。知らないうちにBluetoothに接続されているとiPhone本体からの音声は無効化されてしまうため、以下の手順でBluetoothを設定しましょう。
対応方法
- ホーム画面右上から下方向へスワイプ
- Bluetoothのアイコンが有効化(青色)されていた場合、タップし無効化(白色)
自分の声も相手の声も聞こえず、Bluetoothの設定を見直しても変わらない場合には、本体上部の内蔵ステレオスピーカーおよび本体下部にある内蔵マイクも故障している可能性があります。
オーディオや動画を再生したときの音が出ない
電話や音声通話の際に声は聞こえるものの、オーディオや動画を再生したときに音が出ないというケースもあります。このような場合、まずは以下の項目を確認しておきましょう。
確認項目
- 音量設定
- ほかのスピーカーやイヤホンにBluetooth接続されていないか
確認後も不具合が続く場合は、オーディオや動画再生で使用されるのは本体下部のスピーカーであるため、下部スピーカーの故障が疑われます。
また、オーディオや動画再生においてはコンテンツ側の不具合の可能性も考えられます。これを切り分けるためには、以下の方法がスピーカーの異常を判断するうえで有効です。
コンテンツの不具合かを確認する
- 設定
- サウンドと聴覚
- 着信音と通知音の音量
スライドバーを左右に動かしたとき、スピーカーから着信音が聞こえればスピーカーに異常はなく、コンテンツ側の問題である可能性が高まります。
音が小さい
音声そのものは聞こえるものの、音量がいつもより小さい、聞こえにくいというケースもあります。このような場合、まずは以下の項目を確認しておきましょう。
確認項目
- 音量設定
- スピーカーにホコリや異物が詰まっていないか
- 「着信音と通知音の音量」設定
その他、スピーカーの部分に異物が詰まっていないかも確認しておきましょう。また、意外と多いのが「着信音と通知音の音量」設定です。以下の手順で設定を確認しておきましょう。
「着信音と通知音の音量」の設定確認
- 設定
- サウンドと聴覚
- 着信音と通知音の音量
上記のメニュー内にあるスライドバーを動かしてみて、正常な音量で聞こえるかを試してみてください。「ボタンで変更」が無効化されていると、着信音が鳴っても音量ボタンでボリュームを調節できないため、必要に応じてこちらの設定も見直しましょう。
音がこもったように聞こえる・音にノイズが入る
スピーカーからの音はなんとか聞こえているものの、音がこもったように聞こえる、あるいは音割れのようにノイズが入るといった症状が現れることもあります。このような場合、まずは以下の項目を確認しておきましょう。
確認項目
- スピーカーにホコリや異物が詰まっていないか
- スピーカー部分が水に濡れていないか
音のこもりやノイズといった症状は、特に水濡れによって起こる場合が多いです。防水・耐水仕様のiPhoneがほとんどですが、スピーカー部分を濡らしてしまうと音に異常が発生します。
このような症状が現れた場合には、iPhoneを十分に乾かした後で音楽などを再生し、正常な状態に戻っているかを確認しましょう。
iPhoneを乾かす際には、スピーカー部分を下にしてから軽く手で叩き、余分な水分を取り除いた後、直射日光が当たらない風通しの良い場所で自然乾燥させてください。ドライヤーなどで熱風を当てると故障につながるリスクがあります。
iPhoneのスピーカーが故障する主な原因
iPhoneの不具合や故障といえばバッテリーの劣化やディスプレイのヒビ・割れなどが典型的であり、これらに比べるとスピーカーの故障はそれほど多くありません。
しかし、iPhoneの取り扱い方を間違うとスピーカーに不具合や故障を招くリスクが高まります。主な原因として考えられるポイントは以下の通りです。
物理的な衝撃や圧力
コンクリートやアスファルトの上など、硬いものの上にiPhoneを落下させてしまうと、強い衝撃が加わり内部のスピーカーが破損することがあります。
また、ズボンのポケットにiPhoneを入れたまま座ったり、しゃがみこんだりすると強い圧力が加わり、こちらも物理的な破損につながる危険があるでしょう。
衝撃や圧力によって破損するのはiPhoneのガラスが一般的ですが、落とし所や力が加わる箇所によってはスピーカーが破損することもあるのです。
汚れ
iPhoneの表面は滑らかで凹凸が少ない形状をしているため、比較的掃除やメンテナンスもしやすいですが、スピーカー部分には小さな穴が開いており、ホコリや液体、その他異物が侵入しやすい形状をしています。
ライトニング端子は比較的汚れが目立ちやすい特性がありますが、スピーカー部分は穴の大きさが小さく、普段使用しているなかであまり気に留めているという方は少ないのではないでしょうか。
だからこそ、メンテナンスがおろそかになってしまい、汚れが原因でスピーカーの故障や不具合につながるケースがあります。
水没
近年のiPhoneには防水・耐水機能が搭載されるようになり、キッチンや洗面台、バスルームなどで使用する機会も増えています。また、悪天候時でも雨の心配をすることなく使用しているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、iPhoneの物理的な破損によって本体にわずかな隙間ができると、内部に水が侵入し水没に至る危険があります。また、長時間にわたって水の中に沈ませておくなど、本来想定していない使い方によっても水没する可能性はあるでしょう。
水没によって現れる症状はさまざまで、ディスプレイ表示や一切の操作が無効になることもあれば、音声が出ない、あるいは聞き取りづらくなるケースもあります。
iPhoneのスピーカーを修理する方法と費用相場
iPhoneのスピーカーに不具合が生じた場合、修理にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。Appleへ修理を依頼した場合と、iPhoneの修理専門店へ依頼した場合の相場を紹介します。
修理料金の比較表
モデル | アップルストア・Apple正規サービスプロバイダ | iPhone修理専門店 |
---|---|---|
iPhone 14 Pro Max | 107,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 14 Pro | 99,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 14 Plus | 92,400円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 14 | 82,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 13 Pro Max | 92,400円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 13 Pro | 83,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 13 | 68,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 13 mini | 59,400円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 12 Pro Max | 92,400円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 12 | 83,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 12 | 68,800円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone 12 mini | 59,400円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
iPhone SE(第3世代) | 44,000円(AppleCare+未加入) 12,900(AppleCare+加入) | 5,000円程度~ |
上記の通り、Apple公式の修理よりも、iPhone修理専門店のほうが安価な費用で収まる可能性はあります。
ただし、上記はあくまでもスピーカーのみに不具合があった場合の修理費用です。修理にあたってはiPhone全体の状態を確認した後、外装を分解して内部基盤などの状態も確認することから、この際に水没判定が出たり、その他の不具合や修理箇所が見つかる可能性もあります。
このような場合には修理費用が加算され、上記以上のコストがかかるおそれもあることを念頭に置いておきましょう。
iPhoneのスピーカーの修理は専門店へ相談してみよう
数あるスマートフォンのなかでも、日本では特にiPhoneユーザーが多いことから、ネット通販サイトなどを見るとユーザー自身が修理するための専用キットが販売されています。
しかし、スピーカー修理に限らず、iPhoneを自力で分解して修理することはおすすめできません。スマートフォンは電波法とよばれる法律によって厳しいルールのもと設計されており、「技術基準適合証明(技適マーク)」が付与されています。ところが、ユーザー自身が分解したり修理したりすることで技適マークが無効となり、取り締まりの対象となるケースがあるのです。
そもそもiPhoneの修理には高度なスキルと知識が必要であり、説明書を見ながら行ったとしても作業ミスによって破損させる危険もあるでしょう。iPhoneの修理にはさまざまなリスクがつきまとうためAppleまたは専門業者へ依頼するのがベストといえるでしょう。