iPhoneで簡単に納税 QRコード決済を活用した税金の納付方法を紹介
主に個人事業主やフリーランス、自営業者の方は、確定申告を終えた後、毎年5月から6月頃にかけて住民税や国民健康保険税などの納付書が届きます。通常、これらの地方税は役所や金融機関の窓口に出向いて納付したり、自治体によってはコンビニ納付に対応しているところも少なくありません。
しかし、これ以外にもQRコード決済を活用し自宅にいながら簡単に納税できることをご存知でしょうか。今回は、QRコード決済で納付可能な税金の種類や納付の手順を紹介するとともに、QRコード決済による納税の注意点もあわせて解説します。
目次
QRコード決済で納付可能な税金
一口に税金といってもさまざまな種類がありますが、大きく分けると「国税」と「地方税」という2種類に分けることができます。その名の通り、国税とは国に納める税金、地方税とは地方自治体に納める税金のことを指し、一例を挙げると以下のような税金が該当します。
- 国税
所得税 法人税 相続税・贈与税 登録免許税 など - 地方税
住民税 事業税 固定資産税 国民健康保険税 自動車税 軽自動車税 など
QRコード決済での納税に対応しているのは基本的に地方税のみで、国税である所得税や法人税、相続税などは原則として窓口での支払いとなります。また、地方税もすべての自治体がQRコード決済での納付に対応しているとは限らないほか、自治体によって納付できる税金の種類も限られます。
なお、自治体ごとにどの税金が納付可能であるかはQRコード決済各社のホームページに掲載されているため、事前に確認しておきましょう。一例として、以下にPayPayとLINE Payのリンクを掲載します。
PayPayが利用可能な自治体と税の種類
LINE Pay 請求書支払いについて
QRコード決済で税金を納める方法・手順
QRコード決済は通常、正方形のQRコードを読み取るか、アプリ上に表示されたバーコードをレジで読み取ってもらって決済します。しかし、税金を納付する場合には、QRコード決済事業者の「請求書払い」という方法を選択する必要があり、普段のショッピングとは少し方法が異なります。
今回は一例としてPayPayでの納付手順を紹介しましょう。
準備するもの
QRコード決済アプリがインストールされたスマートフォン
バーコードが印字された税金の納付書(払込票)
納付手順(PayPayの場合)
- 納付金額以上のチャージ残高があるかを確認
- ホーム画面から「請求書払い」を選択
- 「請求書を読み取る」をタップ
- 枠に合わせてバーコードを読み取り
- 支払い金額を確認のうえ、「今すぐ支払う」をタップ
ちなみに、上記のなかで「今すぐ支払う」ではなく「支払い予約をして後で支払う」を選択した場合、カレンダーから任意の日付を選ぶこともできます。
QRコード決済で納税するメリット
住民税をはじめとした地方税の納付は、QRコード決済以外にも従来通り窓口で済ませることもできます。しかし、QRコード決済を利用することでさまざまなメリットがあることも事実。
QRコード決済では具体的にどのようなメリットがあるのか、主な3つのポイントを紹介しましょう。
窓口まで足を運ぶ必要がない
地方税の窓口支払いの場合、役所や金融機関、またはコンビニまで足を運ばなくてはなりません。しかし、公共交通機関が少ない地方では窓口まで移動する手段が限られるほか、移動に時間がかかることも。
QRコード決済を利用すれば、窓口まで足を運ぶ必要がなく、自宅にいながら簡単に納税を済ませられます。
時間帯を問わず利用できる
コンビニでの納付に対応している場合、通勤途中や帰宅のついでに寄って納付することもできますが、自治体によってはコンビニ納付に対応していないところも存在します。そのような場合、役所や金融機関の窓口で納付することになりますが、窓口が開いている時間帯は限られるため、通勤や帰宅の帰りに立ち寄ることは難しいでしょう。
QRコード決済を利用すれば、時間帯を問わず気付いたときにその場で納付できるため便利です。
決済手数料がかからない
地方税はクレジットカードでの納付も可能な自治体はありますが、決済金額に応じて決済手数料を別途支払わなければなりません。一回あたりの手数料は数百円と少額ですが、1期分、2期分と複数回に分けて支払う場合、そのたびに手数料が発生してしまいます。
QRコード決済であればそのような手数料もかからず、無駄なコストがかかる心配はありません。
- 場所と時間を問わず納税が可能
- 決済手数料がかからない
QRコード決済で納税する場合の注意点
さまざまなメリットのあるQRコード決済での税金納付ですが、いくつか注意しておかなければならない点もあります。
自治体ごとに対応可否が分かれる
2022年5月現在、すべての自治体がQRコード決済に対応しているものではありません。人口の多い大都市は納付可能な自治体がほとんどですが、町や村といった小規模の自治体の場合、そもそも納付できる税金の種類が限られている、またはそもそもQRコード決済そのものに対応できていないケースも少なくありません。
自身が居住している自治体の窓口へ問い合わせるか、QRコード決済各社のホームページを確認しておきましょう。
QRコード決済で支払った場合は領収証が発行されない
窓口で地方税を納付した場合、納付したことを証明する領収証が発行されます。しかし、QRコード決済ではユーザー自身がバーコードを読み取ってオンラインで決済するため、その場で領収証を受け取ることはできません。
何らかの理由で納税したことを証明する必要がある場合、役所の窓口で納税証明書を発行してもらう必要があります。
ポイントが付与されない場合が多い
QRコード決済は決済金額に応じて一定額のポイントが付与されることが大きな魅力ですが、納税の場合はポイントが付与されないケースがほとんどです。
一部の事業者では、一定の条件を満たすことでポイントが付与される場合もあるようですが、そのような例外を除きポイントが付与されることは稀であると考えておきましょう。
- 自治体よって対応が異なる
自治体の窓口へ問い合わせる、QRコード決済各社のホームページを確認する必要あり。 - 領収証が発行されない
役所の窓口で納税証明書を発行してもらう必要あり。 - 基本的にポイントが付与されない
ポイントが付与される自治体は非常にまれ。
2023年度からは全国の自治体でQRコード決済での納付ができるように
総務省では地方税の納付にQRコード決済の対応を積極的に進めており、2023年度からは納付書にバーコードだけでなくQRコードが印字されるようになります。これにより、今までQRコード決済に対応できていなかった自治体も手軽に税金の納付ができるようなるでしょう。
時間帯を問わず好きなタイミングで納付できるようになると、住民税や固定資産税、軽自動車税といった地方税の納付忘れも防止できるはずです。
今回の記事では、QRコード決済で納付可能な税金の種類や手順や、納税の注意点も解説しました。「iPhoneで確定申告はできる?条件や必要なもの、手続き方法を解説」では、iPhoneでの確定申告方法をご紹介しています。どのような条件を満たせばiPhoneで確定申告ができるのか、手続きに必要なものや手順も含めて詳しく解説します。ぜひあわせてご参考ください。