海での水没は復旧率が低い?必ずやるべき応急処置を解説!

海の水没は復旧率が低い?海に落とした後にやるべき応急処置を解説!

iPhoneにとって海水はまさに天敵と言えます。なぜなら、海水は通常の水と比べて塩分を多く含んでいるため、iPhone内部の電子部品に対してより深刻な損傷を引き起こす可能性が高いからです。特に、海での水没事故は修理の難易度を格段に高めます。

この記事では、海水がiPhoneに与える影響と、海に落とした後にやるべき応急処置について解説します。

なぜ海水に落下させると復旧率が低いのか

なぜ海水に落下させると復旧率が低いのか

iPhoneが海水によって水没すると、その修理は一般的な水没事故に比べて非常に困難になります。海水は単なる水ではなく、ナトリウム、マグネシウム、カリウムなどの金属イオンを含む塩分を豊富に含んでいます。これらの塩分は、iPhone内部の電子回路に深刻な腐食を引き起こします。特に、海水が乾燥するときに残される塩分は、電子部品間で短絡を起こしやすく、これが修理を複雑にする主な原因です。

海水による水没後、iPhone内部の腐食は迅速に進行します。塩分は基盤上の微細な電子部品や回路を侵食し、時には完全な機能回復が不可能になるほどのダメージを与えることがあります。このように、海水にさらされたiPhoneを修理する際には、ただ乾かすだけでなく、内部の腐食を抑制し、損傷を最小限に抑えるための特別な処置が必要です。

海水で水没した後にやるべきこと3選

海水で水没した後にやるべきこと3選
海水で水没したらやるべきことがいくつかあります。海水の場合は前述の通りナトリウム、マグネシウム、カリウムなどの金属イオンを含む塩分を豊富に含んでいますので、通常の水没での応急処置とは少し異なります。

通常水没での応急処置に関しては「iPhoneが水没したときの応急処置の方法!Appleでの修理料金も紹介します!」に詳しく解説しています。

電源を切ります

電源が付いている場合は必ず電源を切りましょう。付いていなければそのままでOKです。絶対に電源を付けようとはしないで下さい。ショートしてしまうと復旧率が大きく低下します。

水道水で水洗いします

iPhoneを水洗いするというなんとも危険な行為の様に思えますが、実は効果的です。なぜなのかというと、海水は先ほど伝えた化学物質以外にも小さなゴミなどがiPhoneの中に潜り込んでいる可能性や、塩分によって基盤が腐食し始めている可能性があるからです。普通の水没よりも圧倒的に復旧率が低いのは、基盤の損耗が激しいため、パーツの取り換えや基盤洗浄では修復できないからです。

腐食する前に一刻も早くiPhoneを水で洗い流すこと」が解決策です。中の塩分や汚れが取れるように徹底的に洗いましょう。スマートフォンを水に浸けることに抵抗があるかもしれませんが、電源が切れている状態なら、内部でショートするリスクはほぼありません。

注意ポイント

必ず電源が付いていないことを確認して行いましょう。水洗い後も電源を付けようとは絶対にしないでください。

出来るだけ早く修理店に持っていく

海水に濡れたスマートフォンは、すぐに電源を切り、不純物を取り除いたらすぐに修理店に持っていくことが重要です。海水の場合はジップロックに水を入れて付けたまま修理店に持っていくのが腐食を抑えるのにオススメです。

iPhoneをジップロックに入れ、しっかりと密閉することで、乾燥による腐食を防ぎます。不純物が少なく電気を通しにくい蒸留水を使用することを推奨します。途中でスマートフォンの電源を入れることは避け、できるだけ早く修理店に持ち込んで内部洗浄と乾燥を行ってもらいましょう。

修理店に持ち込む際は、「海に落としたこと」「水で洗ったこと」をしっかり説明します。多くの場合、修理店ではエタノールによる基盤洗浄を行いますが、水浸しの状態であると一部の店舗では修理を断られる可能性もあります。

何度も言いますが、海水での水没修理は、時間との戦いです。可能な限り迅速に修理店に持ち込むことが重要です。近くの修理店に関してはをお探しの場合は、評判の高いiPhone修理店を厳選紹介!からお探しいただけます。

Appleに修理依頼した時の水没の修理費用

水没の修理費用

実際に水没したiPhoneを修理してもらうためには、どの程度の費用がかかるものなのでしょうか。iPhoneのモデルや修理の依頼先によっても費用は異なります。

修理料金の比較表

モデル アップルストア・Apple正規サービスプロバイダ iPhone修理専門店
iPhone 15 Pro Max 114,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 15 Pro 105,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 15 Plus 96,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 15 87,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 14 Pro Max 114,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 14 Pro 105,800 円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 14 Plus 96,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 14 87,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~70,000円程度
iPhone 13 Pro Max 96,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 13 Pro 87,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 13 68,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 13 mini 59,400円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 12 Pro Max 96,800円(AppleCare+未加入) 
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 12 Pro 87,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 12 68,800円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone 12 mini 59,400円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~50,000円程度
iPhone SE(第3世代) 44,000円(AppleCare+未加入)
12,900円(AppleCare+加入)
12,000~20,000円程度

※2024年3月29日現在

引用元:iPhone の修理サービス(Apple)

海水に水没させたときの応急処置まとめ

いかがでしたか。このiPhone修理店も口を揃えて「海水での水没は普通の水没よりも圧倒的に復旧率が落ちる」とおっしゃいます。原因は海水による基盤の腐食という事なので、今回の方法によって基盤の腐食スピードを遅らせる応急処置を行い、修理店に持っていくと復旧率は大幅に上がると思います。

もちろんiPhoneはリチウムバッテリーを使用しているため、水道水で洗浄する事自体が危険ですが、電源を落としたままであれば大きな心配はありません。海水が付着したままの状態よりは、大幅に復旧率が上がるので是非実践してみてください。今回紹介した方法が確実に復旧を保証するモノではございませんので、その点はご理解下さいませ。

木村篤士
木村篤士
iPhone修理歴7年、iPad修理歴5年のそこそこベテラン。とにかく「分解が趣味」という少し変わった修理マニア。ゲーム機やコントローラーなど様々な分解経験があるが、現在ではApple製品以外は触っていない。iPhoneならほとんどの修理が30分以内に対応可能。iPadもパネルやバッテリー交換なら1時間もあれば対応可能。7年間の修理経験を経た知識を元にiPhone大学の監修スタート。

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