楽天モバイルでもiPhoneは使える?安さの秘密や完全仮想化ネットワークついても解説
2020年4月に正式サービスが開始された楽天モバイル。CMも盛んに放映され、料金の安さもあって今もっとも注目されている通信キャリアといえるでしょう。MVNO(仮想移動体通信事業者)とは異なり、大手通信キャリアと同様に自前のネットワークインフラをもっているにもかかわらず、なぜここまで料金を下げることができるのでしょうか。
また、そもそも「楽天モバイルでiPhoneは使えるのか」と疑問に感じている方も多いはず。そこで今回は、楽天モバイルの安さの秘密やiPhoneが利用できるのか否か、気になる通信エリアなどについても詳しく解説していきます。楽天モバイルへの乗り換えを検討している方は、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。
目次
楽天モバイルでiPhoneは使える?
結論から言えば、楽天モバイルでもiPhoneシリーズは使用できます。ただし、対応しているのはiPhone XR以降のみ。iPhone X以前の端末はSIMフリーであっても楽天モバイルで使用することはできません。
また、楽天モバイルで使用できるのはあくまでも国内での通話やデータ通信のみであり、海外ローミング機能を使用することはできません。そのため、海外への出張や旅行に頻繁に出かける機会が多い方は特に注意が必要です。
現在手持ちのiPhoneが使用できるか否かは以下の表を確認するか、楽天モバイルのホームページでも詳細を確認できます。
ちなみに、他社で契約したiPhoneをそのまま楽天モバイルで利用する場合は、事前に「SIMロック解除」の手続きが必要になります。SIMロック解除の手続きはWebまたはショップ、コールセンターで行うことができます。ただし、ショップやコールセンターでの受け付けとなると事務手数料が3,000円発生するため、もし無料での解除を希望する場合はWeb上での手続きを行います。
NTTドコモ | au | SoftBank | SIMフリー | |
iPhone SE(第2世代) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone 11 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone 11 Pro | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone 11 Pro Max | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone XS | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone XS Max | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone XR | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhone X | × | × | × | × |
iPhone 8 | × | × | × | × |
iPhone 8 Plus | × | × | × | × |
iPhone 7 | × | × | × | × |
iPhone 7 Plus | × | × | × | × |
iPhone SE(第1世代) | × | × | × | × |
楽天モバイルが採用している完全仮想化ネットワークとは
楽天モバイルは大手キャリアに比べて大幅に月額料金が抑えられており、ユーザーから見ると魅力的なプランに映ります。もちろん、かつてソフトバンクが参入したときのように、いち早く多くのユーザーを囲い込むための戦略的な要素もあるのですが、ここまで料金を抑えられた背景には楽天モバイルが独自に提供している「完全仮想化ネットワーク」の存在が挙げられます。
通信キャリアが提供している携帯電話ネットワークは、街のいたるところに設置された基地局によって成り立っています。山間部に建てられた大規模なアンテナ設備はもちろん、ビルの屋上などにも携帯電話用のアンテナが設置されているのを目にしたことがある方も多いと思います。
しかし、実は携帯電話の基地局というのは単にアンテナが立っているだけではなく、その裏でさまざまなハードウェアに接続されており、コアネットワークとよばれるプラットフォーム上に複数の基地局がつながっている構造になっているのです。
従来、携帯電話と基地局を結ぶ無線アクセスネットワークと、基地局を結ぶコアネットワークは専用のハードウェアが必要であり、当然のことながら基地局を運用していくためには莫大なコストをかけて整備しなければなりません。
しかし、楽天モバイルが実現している完全仮想化ネットワークでは、基地局内にあるのは電源設備とアンテナという極めてシンプルな構成。従来、基地局内に設置されていたハードウェアの役割は専用のソフトウェア上で動作する仕組みとなっており、これが「完全仮想化ネットワーク」とよばれる名称の由来です。基地局に設置するハードウェアが少なくなればなるほど、運用コストも減るため、その分利用料金に反映しやすいのです。
ちなみに、楽天モバイルが採用したコアネットワーク、無線アクセスネットワークまでを含めた完全仮想化ネットワークは、世界初の試みとして注目されています。
楽天モバイルのエリアについて
楽天モバイルを契約するうえで気になるのが、通信エリアの広さではないでしょうか。楽天モバイルのエリアは大きく分けて「楽天回線エリア」と「パートナー回線エリア」の2つに分けられ、このうちパートナー回線エリアとはau回線に接続して利用できるエリアのことを指します。
純粋な楽天モバイルのサービスエリアである楽天回線エリアは、2020年10月現在、東京都を中心とした関東圏と、名古屋、大阪、京都、福岡などの大都市部が中心となっており、地方の山間部などでは利用できるエリアが限られています。
また、気になる5Gエリアについてですが、東京都では世田谷区の一部、その他の道府県についても利用できるエリアは極めて限定的であり、まだまだ実用的なレベルとは言えない状況です。5G、4Gのサービスエリアの詳細は楽天モバイルのホームページでも確認できるため、契約前にぜひ確認しておきましょう。
楽天モバイルの料金
楽天モバイルでは「Rakuten UN-LIMIT」という料金プランを提供しており、2020年9月から「Rakuten UN-LIMIT 2.0」という4G専用プランから「Rakuten UN-LIMIT V」という4G/5G対応のプランへ変更となりました。
「Rakuten UN-LIMIT V」は月額2,980円でデータ使い放題、国内通話かけ放題というシンプルな料金体系を実現。月額料金は1年間無料となっており、契約時の事務手数料3,300円も全額ポイントとして還元されます。
ただし、楽天モバイルのデータ使い放題となるのは、あくまでも楽天回線エリアのみ。パートナー回線エリアでは1ヶ月あたり5GBまでという上限があるため注意が必要です。
ちなみに、「Rakuten UN-LIMIT V」は4Gで利用しても5Gで利用しても料金や条件は一切変わりません。そのため、自宅が楽天回線エリアにあり、さらに5Gの提供エリア内にある方にとっては極めてメリットの大きいプランといえるのではないでしょうか。
楽天モバイル契約時には端末やエリアチェックを忘れずに
楽天モバイルの利用料金はシンプルで分かりやすく、一定の条件を満たす方にとっては魅力的な通信キャリアといえるでしょう。しかし一方で、使用できるiPhoneのバージョンが限られていたり、データ使い放題となるエリアも限られているなど注意すべきポイントが多いことも事実です。
2021年春以降、通信エリアも徐々に拡大していく予定ではありますが、契約前には必ず自宅や職場の周辺、通勤で使用するルートがエリアに入っているかも含めてしっかり確認しておくようにしましょう。