世界的な半導体不足はiPhoneにも影響?今後とるべき対策とは
2020年から2021年にかけて、世界的な半導体不足に陥っています。iPhoneをはじめとしたスマートフォンやタブレット端末、PCといったデバイスはもちろんですが、自動車や家電製品にも半導体は欠かせない部品のひとつです。特にスマートフォンは情報を得るためのライフラインの一部となっており、半導体不足によって端末が調達できないとなると多くの方にとって生活に支障をきたしてしまいます。
そこで今回は、半導体不足に陥っている原因は何なのか、iPhoneの供給に影響はあるのか、今後私たちがとるべき対応についても詳しく解説します。
目次
世界的に半導体が不足している原因
そもそも、なぜ世界的に半導体が不足する状況に至ったのでしょうか。そこにはいくつかの原因があるのですが、特に大きな要素として挙げられるのが新型コロナウイルスの世界的な感染拡大です。
2020年春から夏頃にかけて、アメリカやヨーロッパ、アジアの国々で新型コロナウイルスが猛威をふるい始め、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切る国が増加しました。その結果、自動車や精密機器、半導体を製造する工場までもが稼働停止に追い込まれ、一切の生産活動ができない状態に陥りました。
しかし、そのような中でも製品の受注は積み重なり、生産が滞っているにもかかわらずオーダーが増加する事態となったのです。ロックダウンが解除されて以降は工場も順次稼働していきますが、同時に経済活動が再開されたことによって消費者のニーズも爆発的に伸び、需要が供給を上回る状態が続いているのです。
また、新型コロナウイルスによって世界の人々のライフスタイルや働き方が変化したことも大きな要因といえるでしょう。テレワークやリモートワークへ移行する企業が増えたことによって、PCやスマートフォン、タブレット端末といったITデバイスの需要も増加。当然のことながら、これらの製品に半導体は欠かせない存在であることから、さらに半導体不足に拍車をかけることとなりました。
- 新型コロナの感染拡大による工場停止
- テレワークやオンライン授業による需要増
iPhoneの生産にも影響
世界的な半導体不足はiPhoneの供給にも影響を及ぼしています。アメリカのAppleストアではiPhone13シリーズの在庫切れに陥る店舗が続出し、すでに入手困難になっています。一方、日本では比較的手に入れやすく、2021年11月9日現在、AppleオンラインストアでiPhone13 Proをオーダーすると最短で到着するのが11月25日です。
しかし、海外での影響が日本国内に及ぶケースも十分に考えられ、今後クリスマス商戦や年末年始、年が明けて年度末商戦に突入する頃までに深刻な在庫不足に陥る可能性は否めません。
さらに、iPhoneに限らずiPadやPCなどにも半導体不足の影響が時差的に波及してくる可能性もあるでしょう。
半導体不足はいつまで続く?
アメリカ大手の通信社であるブルームバーグ社は2021年10月、AppleがiPhoneの生産目標を1,000万台引き下げる見通しであることを報道しました。また、同時に、大手半導体メーカーは「半導体不足は少なくとも2022年末までか、場合によってはそれ以上長引く可能性がある」とも伝えています。そのため、iPhone13シリーズは今後入手しづらくなる可能性があるほか、最悪のパターンとしては2022年に発表される次期iPhoneにも影響が及ぶこともあるでしょう。
2020年後半から半導体不足が報道されるようになり、時間の経過とともに半導体の供給状況は悪化しているという情報が次々と入るようになりました。そのため、現時点で半導体不足の明確な出口は見えておらず、いつまで続くかは見通せない状況です。
これからiPhoneを購入するにはどのような対策が必要?
では、実際にこれからiPhoneの買い替えを検討している方は、具体的にどのような対策を講じておけば良いのでしょうか。今後の状況次第でとるべき対策も変わってきますが、現時点で考えられる有効な対策を2つ紹介しましょう。
早めに購入する
現時点でiPhoneの購入を検討している、または迷っている場合には、できるだけ早めに購入しておくことがおすすめです。iPhoneシリーズは価格の変動がほとんどなく、現行モデルは次期モデルが発売されるまで販売価格が変わるケースは稀です。半年後に購入しても現在の価格と変わらないのであれば、確実に入手できる今のうちに購入しておくのも一つの手といえるでしょう。
むしろ数カ月後、半年後の在庫状況は予測が難しく、最悪の場合ショップやオンラインストアに在庫が一切残っていない可能性も考えられます。
中古端末の購入を検討する
金銭的な余裕がなく今すぐに購入するのが難しい場合や、購入のタイミングを逃してしまい、在庫がなくなってしまう可能性も考えられるでしょう。そのような事態に陥った場合には、新品ではなく中古端末を購入するという選択肢もあります。世界的に見ても日本はiPhoneのシェアが高く、中古スマホを取り扱う店舗には現行モデルはもちろん、過去のモデルも含めて多くのiPhoneが販売されています。
仮に、半年後や一年後まで半導体不足が続き、AppleがiPhoneの生産体制を大幅に縮小しても、中古端末があれば当面の間はスマートフォンを使うことできます。ただし、Appleが生産体制を大幅に縮小することで、中古端末にユーザーが流れ価格が高騰することも予想されるため、いずれにしても購入は急いだほうが良いといえます。
- 日本にはまだ在庫があるため、早めの購入が良い
- 希望の機種がない場合は、入荷を待つより中古品を買う方が手に入りやすい
半導体不足に備えてiPhoneの機種変更のタイミングを見極めよう
今回紹介してきたように、半導体不足は深刻化しており、引き続きiPhoneの供給に影響を及ぼすことが十分考えられます。日本国内においては、現時点でiPhoneが手に入らない状態ではありませんが、今後どのように情勢が変化していくかは分かりません。
故障や不具合、破損によって急いで機種変更をしなければならないのに、在庫がなく購入できない可能性もあるでしょう。そのような事態を未然に防ぐためにも、iPhoneの買い替えを検討している方はできるだけ早いタイミングで決断することが重要です。
文章中でも出てきたiPhone13シリーズ。現在購入を検討している方も多いのではないでしょうか。「待望の「iPhone 13」シリーズ登場!「iPhone 12」と徹底比較」をご参考のうえ、早めに購入を考えてもよいかもしれませんね。