【2022年1月最新版】5Gエリア拡充の現状と今後の予想

【2022年1月最新版】5Gエリア拡充の現状と今後の予想

2020年春から5Gの商用スタートが開始し、間もなく2年が経とうとしています。現状では多くのユーザーが4Gを利用していますが、今後本格的に5Gへの移行が進むことは間違いありません。しかし、「いまだに自宅や職場は4Gのまま」という方や、「5Gのエリアは不安定に感じる」という方も少なくありません。
そこで今回は、2022年1月時点において大手キャリアの5Gエリアはどこまで拡大しているのか、今後見込まれる5Gエリアの拡大についても詳しく解説します。

大手キャリアの5G対応エリア

はじめに、5Gの商用サービスを開始している大手キャリアのエリアはどこまで拡大しているのか、2022年1月時点での現状を紹介しましょう。今回は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社について、4Gと5Gのエリアを比較します。

NTTドコモ

NTTドコモ

出典:NTTドコモ公式サイト

主要キャリアのなかでも5Gエリアの整備が進んでいるのがNTTドコモです。首都圏のエリアマップを見てみると、黄色の4Gエリアに比べて赤色の5Gエリアは分散しているものの、着実にエリアは拡大しているのがわかります。
なお、商業施設や公共交通機関、観光施設など、屋内で5Gの電波が届きにくい場所においても重点的にエリア対策を行っており、「5G利用可能スポット」が多数存在します。

KDDI

KDDI

出典:KDDI公式サイト

KDDIはNTTドコモほどではないものの、都心部を中心に5G対応エリアを着実に拡大しています。薄い黄色部分の4Gエリアに比べると、濃い黄色部分と赤の5G対応エリアはまだまだ少ないですが、2022年夏以降の予定では一気にエリアが拡大する見込みとなっています。

ソフトバンク

ソフトバンク

出典:ソフトバンク公式サイト

NTTドコモと並んで5Gエリアの拡大が進んでいるのがソフトバンクです。かつては主要キャリアのなかでもエリアが狭く、通信が安定しないといった評価を受けがちだったソフトバンクですが、2010年代に入り急ピッチで基地局を整備。その結果、4Gはもちろんのこと赤色の5G対応エリアも一気に拡大し、都心部はもちろん地方においても5G化が着実に進んでいます。

楽天モバイル

楽天モバイル

出典:楽天モバイル公式サイト

2020年に新たに携帯電話事業へ参入した楽天モバイルは、パートナー回線としてKDDIへローミング接続し運用しています。黄色で示された5Gのエリアに限定して比較すると、まだまだ実用的とはいえないのが現状です。しかしながら、着実に自前のエリアを拡大しています。今後成長が期待されます。

キャリア 22年1月現在
NTTドコモ 最も広い。「5G利用可能スポット」の整備を進めている。
KDDI まだ今は狭いが、2022年夏以降一気にエリアが拡大予定。
ソフトバンク ドコモに次ぐ広さ。地方においても5G化を進めている。
楽天モバイル 現在エリアの範囲は狭いが、着実に自前のエリアを拡大中。

基礎知識として知っておきたい5Gの「NR化」と「Sub6」

基礎知識として知っておきたい5Gの「NR化」と「Sub6」

大手キャリアが「5G」という名称で提供している通信網にはいくつか種類があり、じつは同じ5Gであっても通信速度や対応エリアが異なります。特に押さえておきたいのが、「NR化」「Sub6」とよばれるもの。両者は何が異なるのか詳しく解説しましょう。

NR化とは

上記で紹介した5G対応エリアのマップでは、同じ5Gであっても複数に色分けがされています。たとえば、KDDIの場合、濃い黄色部分とピンク色の部分はともに「5G」であり、マップで示した範囲内であればスマートフォン上に5Gというピクトが表示されるはずです。

しかし、濃い黄色部分の5Gは5G専用の周波数でなく、4Gで利用されている周波数を利用したものです。電波の特性として、周波数が高ければ高いほど通信速度は高速化し、反対に周波数が低い場合は低速となります。同時に、周波数が高くなれば電波は障害物に弱く、広範囲までカバーすることが難しいという特性もあります。そこで、大手キャリアではいち早く5Gを整備するために、周波数が低く広範囲をカバーしやすい4Gの基地局を流用し5Gを整備しているのです。

これを「NR化」とよびます。ただし、NR化によって整備された5G網は、あくまでも周波数が4Gと同じのため、通信速度は従来とほとんど変わりません。

Sub6とは

4Gで用いられる周波数を5Gに流用するNR化に対し、5Gのメリットを生かすために5G専用の設備と周波数を用いるのがSub6とよばれるものです。Sub6の意味は「6GHz以下の周波数」を指し、3.7GHzおよび4.5GHzに対応した5Gエリアのことを意味します。

NR化に比べてSub6は高速である一方で、周波数が高い分、一気にエリアを拡充するのが難しいといったデメリットもあります。ただし、大手キャリアのエリアマップを見てみるとSub6に対応したエリアは着実に拡大しており、あと数年もすれば実用的なレベルにまで達する可能性は十分あるといえるでしょう。

概要 メリット デメリット
NR化 4Gの基地局を使用 スピーディーに広範囲をカバー 通信速度は従来と変わらない
Sub6 5G専用の設備と周波数 NR化に比べて高速 拡充するのが難しい

「ミリ波」によって5Gの真価が発揮

基礎知識として知っておきたい5Gの「NR化」と「Sub6」
2022年1月の時点において、大手キャリアの5GエリアはNR化とSub6によって拡充されています。しかし、本来の5Gとは「超高速・大容量」、「多接続」、「超低遅延」という特性があります。IoTの社会実装とも深く関連するこれらの特性は、Sub6よりもさらに高い周波数である28GHzの5Gによって現実的となります。そして、この28GHz帯の周波数「ミリ波」とよんでいます。

ミリ波は極端に周波数が高いため、Wi-Fiルーターのように限られた範囲内で使用することが前提となります。なお、冒頭で紹介したNTTドコモの「5G利用可能スポット」のなかには、ミリ波を採用したところも存在します。

電波の特性上、障害物に強いミリ波を実現できる可能性は低いことから、5Gエリアの拡充にあたっては屋外の広範囲をカバーするにはSub6、多くのユーザーが訪れる屋内や観光スポット、商業施設内など限られた範囲をカバーする目的ではミリ波といったように、用途に応じて使い分けることが一般的になると考えられます。

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今回は、2022年1月時点での大手キャリアの5Gエリアと、今後見込まれる5Gエリアの拡大やそれぞれの周波数についても詳しく解説しました。「iOS15.2へのアップデートがスタート!注目の新機能を解説」の記事では、2021年12月にリリースされたiPhone向けOSの最新バージョン「iOS 15.2」について詳しく書いています。併せてチェックしてみてください。

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