iPhoneで使えるAR(拡張現実)アプリ9選
ARやVRといった言葉を耳にしたことのある人は多いと思いますが、具体的に何のことなのか正確に理解している人は意外と少ないものです。最近ではARやVR以外にも、MRやSRといった新たな技術も続々と登場してきています。 ARやVRは専用のデバイスを購入しないと楽しめないと考えられがちですが、実は私たちが持っているiPhoneでもARを手軽に楽しむことができます。
また、そもそもARを活用したアプリをすでに使っている人もいるかもしれません。そこで今回は、iPhoneで使えるARのアプリをいくつかご紹介していきましょう。
目次
AR(拡張現実)とは?
まずはARとは何のことなのか、基本的なことから解説していきます。ARとは「Augmented Reality」の略称で、日本語では拡張現実という言葉に直訳できます。 その名の通り、iPhoneなどのデバイスを通じて、目の前に広がっている現実を拡張するような機能が特徴的です。目の前のリアルな世界にはないはずのものなのに、iPhoneのディスプレイには現実世界に溶け込んだようにモノが存在していることを表現できます。
ARに似たものとしてVR(仮想現実)がありますが、これは仮想の空間やモノを映し出すための技術です。たとえばヘッドマウントディスプレイでゲームをしたり映画を映し出すことで、周囲360°がすべて仮想の世界で表現できます。ARは今あるリアルの世界をベースにして作られますが、VRはそもそもリアルにはない世界を1から作り出すことができるという違いがあります。 ARやVRの技術はエンターテインメントの業界はもちろんですが、さまざまな産業に応用することも検討されはじめました。
また、iPhoneやiPadなどのディスプレイが中心のデバイスだけではなく、スマートグラスなどのウェアラブル端末が普及してくるとますますARの楽しみ方は広がってくると期待されています。 いわゆるガラケーとよばれた携帯電話からiPhoneをはじめとしたスマートフォンに一気に切り替わったように、今から何年後かにはスマートグラスなどの新しい端末でARの世界を楽しむのが当たり前になっているかもしれません。
今すぐに利用できるiPhoneのAR
それではここから、iPhoneで体験できるARコンテンツや対応アプリを紹介していきましょう。まずはiPhoneにアプリをインストールすることなく、そのままの状態でも楽しめるコンテンツを3つご紹介します。
計測アプリ
iOS11以降のバージョンには「計測」というアプリが内蔵されています。これはカメラに映ったものの長さや距離を計測できるアプリです。たとえば引越し先の部屋に家具を設置したり、カーテンを新調したりする際の寸法を測る場合などに活用できます。
撮影方法や採寸方法によっては多少の誤差が出てしまうこともありますが、おおよその寸法をメジャーがなくてもスマートに計測できるという意味ではメリットが大きいのではないでしょうか。ちなみに、このようなARの機能に対応しているのはiPhone6S以降のデバイスが対象となります。iPhone6以前の場合はAR機能を司る「ARKit」という機能に対応していないため、計測アプリはもちろんさまざまなAR機能が利用できない可能性があります。
Appleのホームページ
iPhoneでアップルのホームページへアクセスし、それぞれの商品ページに進むとARコンテンツが閲覧できます。最新のiPhoneやiPad、Apple Watch、Macなど、あらゆる商品の外観をARで確認できます。見たい角度から自由に商品を閲覧でき、まるで手に取っているかのようなリアルなARコンテンツが出現。
たとえば自分のデスクにMacを置いたときにどの程度の大きさになるのかをイメージしたり、Apple Watchであれば自分の腕に試着するようにして楽しむこともできるでしょう。カタログやホームページの画像など、通常の二次元データでは実現できなかったこともARであれば確認できます。 ちなみに、これらのARコンテンツはパソコン上からAppleのホームページを閲覧しても見ることはできず、あくまでもiPhoneやiPadなどのデバイスに限られます。Appleの商品を購入する際には、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
Googleで動物を検索
Google検索で動物を検索すると、動物のARコンテンツが表示されることをご存知でしょうか。実はこの機能、2019年6月頃から英語での検索に対応し、その後9月から日本語での検索にも対応しはじめました。 対象となっている動物は猫や犬、トラ、ライオン、ヤギなど全部で29種類。検索結果に現れる「3D表示」をタップすると、自分の部屋のなかに動物を呼び出したかのようなリアルな世界が表示されます。
ペットを飼えない集合住宅やアレルギーに悩む人でも、手軽に動物によって癒やしの効果を得ることができると期待できます。 ちなみにこの動物ARの機能も、パソコンからでのアクセスには対応しておらず、iPhoneやAndroid、iPadなどAR機能を搭載した端末でなければ表示できません。
もしお気に入りの動物がいれば、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
iPhoneで使えるARアプリ
次に、iPhone向けにARアプリとして提供されているものをいくつかご紹介していきましょう。今回はゲーム、ユーティリティ、趣味などジャンル別にピックアップしてみました。
ARアプリの本命ともいえるゲームは、さまざまなものが登場しています。なかでも特に知名度が高く人気のゲームを2つご紹介します。
Pokémon GO
2016年に登場したPokémon GOは、ARの世界観を一気に知らしめたiPhoneアプリとして有名です。位置情報を活用しながら、仮想空間ではなく現実空間をフィールドにしたという革新的なゲーム性は多くのユーザーを虜にしました。今もなお世界中で多くのユーザーがPokémon GOを楽しんでおり、その後続々と登場したARゲームの先駆けといえる存在です。
ドラゴンクエストウォーク
ドラゴンクエストウォークは通常ドラクエウォークともよばれ、その名の通り位置情報を活用したドラゴンクエストシリーズです。一言でいえばPokémon GOのドラクエ版であり、2019年9月に配信されて以降、すでにアプリは1,000万ダウンロードを突破しています。 ドラゴンクエストウォークはPokémon GOのヒットを機に生まれたという経緯もあります。長年にわたって世界で愛されてきたRPGコンテンツだけあって、配信翌日のApp Storeセールスランキングでは1位を記録するほどの人気となりました。
ユーティリティ
ARアプリはゲームだけではなく、実用的な用途でもさまざまなアプリに活用されています。ユーティリティジャンルのなかでも人気のアプリを3つご紹介します。
AR WAVE
AR WAVEはiPhoneの画面上でWi-FiやBluetoothなどの電波を可視化するアプリです。Wi-FiやBluetoothは数m離れただけでも電波強度が強くなったり弱くなったりする特性があります。現在接続しているWi-Fiがどの程度の強度があり、どの位置に移動すれば電波が強くなるのかを可視化できるのがAR WAVEの特徴です。
たとえば自宅の模様替えの際に電波強度を調べながら家具の配置を決定したり、ルーターを設置する場所を検討する際にも役立つはずです。
アメミル
アメミルは気象予測とARをかけ合わせたiPhoneアプリです。雨雲が接近してくるとAIが判断をし、降雨情報を伝えてくれます。iPhoneを屋外の風景にかざすと、どの程度の雨が予想されるのかをARによって表示。予想される雨の強さを直感的に伝えてくれます。特に夏や秋の季節でゲリラ豪雨が心配される場合に重宝することでしょう。
趣味
最後に、さまざまな趣味に使えるARアプリを2つご紹介します。
Night sky
Night skyは天体観測を初めてみたい人におすすめのiPhoneアプリです。晴れた日の夜空にiPhoneをかざすと、星を検知して星座をARによって表示してくれます。天体観測が初めての人にとって、夜空を見てもどれがどの星座なのかが分かりづらいケースも多いもの。
そこでNight skyを活用すれば、初心者でも簡単にどこにどの星座があるのかを知ることができます。季節によっても変化する夜空の星を見ていると、ほんの少しだけ非現実的な世界を味わうこともできます。
PinnAR
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PinnARはARを使ったナビゲーションをしてくれるiPhoneアプリです。単にナビ機能が搭載されているだけではなく、文字スキャンやクーポンなどの機能も搭載。たとえば海外旅行に出かけた際に、周辺を散策しながらおすすめのお店を探してみる際にも役立ちます。英語やハングルなど多言語にも対応しているため、お店の看板の文字が読めなくてもiPhoneをかざすだけで何のお店なのかが一発で分かります。
現在地の共有機能も搭載されているため、旅行先で友人や知人とはぐれてしまった場合でもPinnARがあればスムーズにコミュニケーションが取れるはずです。海外旅行に出かける際には、ぜひPinnARをインストールしておきましょう。