5Gって結局何?iPhoneはどう変わる?

手のひら 5G
目次
1.「5G」とは?
 -1-1・5Gとは「第5世代」のことApple Musicの概要
 -1-2・【5Gの特徴】1.高速・大容量
 -1-2・【5Gの特徴】2.低遅延
 -1-2・【5Gの特徴】3.多接続

2.5GがiPhoneに搭載されると何が変わる?
 -2-1・4K・8Kの動画サービスも見られる
 -2-2・データ量制限がなくなる
 -2-3・迫力のあるスポーツ観戦やライブ映像を楽しめる
 -2-4・サービスエリアは格段に拡がる可能性もある

3.5Gが開始されるのはいつから?
 -3-1・ある日突然5Gに一斉に切り替わるのではない
 -3-2・5Gの周波数帯割当はすでに完了している
 -3-3・2019年秋から試験運用開始
 -3-4・海外の一部では5Gがスタートしているところも

4.5Gに関連するAppleの公式発表は未だなし

 

iPhoneをはじめとした携帯電話向けの電波は現在主に4G/LTEが採用されていますが、最近になって「5G」というワードをよく耳にすることが多くなりました。「4Gの次だから、なんとなくスピードが速くなる感じ?」と漠然としたイメージを持っている方も多いと思いますが、正確にその意味を知っている方は決して多くありません。

そこで今回は、5Gとは何なのか、これまでの4G/LTEと何が違うのか、そしてiPhoneが5Gに対応することによって何が変わるのかについても詳しく解説していきます。

「5G」とは?

スマホと観葉植物まずは5Gの基本を押さえておきましょう。今回は4G/LTEと比較しながら、5Gというものがどのような特性があるのか3つのポイントに分けて解説します。

5Gとは「第5世代」のこと

そもそも5Gの「G」とは「Generation」の略称です。その名の通り5つ目の世代という意味をもち、携帯電話の電波の歴史で5世代目にあたるものになります。

1980年代に登場した自動車電話やショルダーホンに採用されていたのが1Gであり、この頃はアナログ回線が利用されていました。そのため、現在のようにインターネットはおろか、メールなども利用することができませんでした。その後、2Gになってデジタル回線に移行し、3G、4Gと通信スピードが飛躍的に向上してきたという歴史があります。

それでは、現在利用している4G/LTEの回線から5Gに移行することによって、具体的にどのような違いが生じるのか詳しく見ていきましょう。

【5Gの特徴】1.高速・大容量

5Gの通信速度は4G/LTEに比べて飛躍的に向上します。これは1Gからの歴史を見ても想像しやすいのではないでしょうか。具体的な数値を挙げるとすれば、4G/LTEでは最大1Gbpsであった通信速度が20Gbpsまで拡張され、ストレスのない通信が可能になります。

しかし、現在ネットサーフィンや動画・音楽のストリーミング、SNSなどを利用しているうえで通信速度に不満を感じていない方にとっては、「これ以上速くなっても意味がないのでは?」と考えるかもしれません。

しかし、4Kや8Kレベルの超高精細な映像データや、AR・VRのデータ、3D映像などを伝送する場合は現在の4G/LTEのスピードでは対応できません。実際には他にもさまざまな用途に応用できるのですが、個人用のスマートフォンなどで実感できる用途としては上記のようなものが分かりやすいです。

【5Gの特徴】2.低遅延

インターネットをするうえで普段あまり気にしている方は少ないと思いますが、実は通信を行う以上、少なからず遅延は起こっています。遅延とはその名の通り通信の遅れであり、テレビ放送の中継などで音声が遅れて聞こえてくるようなものが分かりやすい事例といえます。

4G/LTEの遅延は10ミリ秒(0.01秒)であるのに対し、5Gの遅延は1ミリ秒(0.001秒)に短縮されます。5Gの低遅延は一般のスマホユーザーにとっては関連性は低いですが、自動運転や遠隔医療といった技術には欠かせないメリットです。

【5Gの特徴】3.多接続

5Gの3つ目の特徴が、多接続です。これはその名の通り、一度に接続できるデバイスの数を表します。4G/LTEでは1平方キロメートルあたり10万デバイスであったのに対し、5Gになると1平方キロメートルあたり100万デバイスの接続が可能になります。

年末年始や大規模なイベントなどがあると、多くのユーザーのアクセスが殺到して通信不能になることがありましたが、5Gになるとそのような問題も緩和されると予想されています。

また、スマートフォンに限らず、IoT(Internet of Things)技術の台頭によって多くのデバイスがインターネットに接続されることになるため、新たなテクノロジーに対応するためにも多接続という特徴は5Gの大きなメリットになります。

<5Gと4G/LTEの違い>

  5G 4G/LTE
通信速度 最大20Gbps 最大1Gbps
遅延 1ミリ秒(0,001秒) 10ミリ秒(0,01秒)
同時接続数 100万デバイス/平方キロメートル 10万デバイス/平方キロメートル

5GがiPhoneに搭載されると何が変わる?

スマホ ネットワーク5Gの基本は分かったものの、多くの方が気になっているのは「5GがiPhoneに搭載されると結局何が変わるの?」ということではないでしょうか。現在Appleから5Gに関連することで公式に発表されていることは何もないのですが、国内の通信大手の動きから考えられることを参考に紹介していきましょう。

4K・8Kの動画サービスも見られる

まずは5Gの最大の特徴である通信速度に注目すべきでしょう。これまで最大1Gbpsの速度であったものが20倍もの20Gbpsに対応することによって、HD画質以上の超高精細な画質の動画を楽しむことができるようになるかもしれません。

すでにiPhoneやiPadは4Kレベルの画質に対応するディスプレイを採用しているため、あとは通信速度が課題といえるでしょう。ちなみに、4K動画の配信に対応するためには通信速度以外にも動画サイト側で対応することが大前提となりますが、YouTubeなどの大手であればすぐに対応してくる可能性もあります。

データ量制限がなくなる

KDDIは2019年夏から「auデータMAXプラン」という新たな料金プランを提供します。これは1ヶ月あたりのデータ通信量の上限を撤廃したもので、5Gの提供を前提にしたものといえます。実際にKDDIをはじめとした通信会社は2019年秋から5Gのテスト運用を開始し、2020年春からは商用サービスをスタートする予定です。

特に動画やゲームなどデータ通信容量の消費が激しいユーザーであっても、データ量の制限がなくなることによって好きなだけ利用することができるようになるでしょう。

これは5Gの特性である高速通信と多接続のメリットを活かしたものといえます。

迫力のあるスポーツ観戦やライブ映像を楽しめる

スポーツの試合や音楽のライブにおいて、会場に複数のカメラを設置して迫力のある映像を楽しむことができる「スタジアムエンターテインメント」というサービスが検討されています。

実際にKDDIではプロ野球の試合において実証実験を実施。好きな角度からの映像をリアルタイムで楽しむことができ、まるでグラウンドに立っているようなリアルなスポーツ観戦を可能にしました。

実証実験ではタブレットを使用していましたが、これが一般のアプリケーションとして展開されると、iPhoneやiPadなどからでも手軽にスタジアムエンターテインメントが楽しめるようになります。

現在の4G/LTEでこの仕組みを採用しようとすると、あまりにもデータ容量が大きく対応できません。5Gの超高速な通信速度と多接続だからこそ実現できる仕組みといえます。

サービスエリアは格段に拡がる可能性もある

大手通信会社は5Gのエリア拡充に向けて、基地局を共同で運用していくとしています。KDDIとソフトバンクは実際に基地局の共同整備について合意しており、これまでのように通信会社によってサービスエリアに大きな差が生じることも少なくなる可能性があります。

また、総務省では全国にある信号機に携帯電話用の基地局を搭載するといった新たな取り組みも検討しています。

5Gが開始されるのはいつから?

黒板に4gと5g5Gが実際にサービス開始されるのはいつ頃になるのでしょうか。気になるサービス開始時期についてまとめてみました。

ある日突然5Gに一斉に切り替わるのではない

まず大前提として覚えておきたいのは、現在使用している4G/LTEから5Gに一斉に切り替わるのではなく、徐々に5Gへと切り替えが進んでいくということです。そのため、5Gのサービス開始がアナウンスされた後も、実際にはしばらくの期間中4G/LTEがメインで利用されていくことになります。

これは2Gから3G、3Gから4Gへの切り替えの際にもあったことです。当分の間はiPhoneを始めとしたスマートフォンも、4Gと5Gに両方対応する端末が製造されていくはずです。

5Gの周波数帯割当はすでに完了している

通信会社を管轄する総務省では、すでにNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社に対して5Gの周波数帯の割当を完了しています。そのため、大手通信会社はいずれも5Gサービスを提供することが決まっています。

2019年秋から試験運用開始

大手通信会社はいずれも2019年から5Gの試験運用の開始に向けて動いています。その後、2020年春には商用サービスが開始され、2020年東京オリンピックに間に合うように整備している状況です。

海外の一部では5Gがスタートしているところも

アメリカや韓国といった一部の国では、すでに5Gのサービス提供が開始されています。そのため、「日本だけが遅れているのではないか」と考えている方も少なくありませんが、重要なのはスタートの時期だけではなく実際に実用的に利用できる環境を早く整備できるかです。日本では2年以内に少なくとも全都道府県に5Gのサービスエリアを展開する予定のため、普及のスピードは世界的に見ても早いといえるはずです。

5Gに関連するAppleの公式発表は未だなし

iPhoneに関連するAppleからの公式な発表はありません。毎年のようにiPhoneに関連する新型製品の情報はさまざまなところから漏れてきますが、2019年から2020年にかけては5G開始のタイミングということもあり、噂が加熱していきそうです。

ただし、今回紹介してきたように、5Gがスタートした後も一斉に切り替わるものではないため、しばらくの間は現在と同様に4G/LTEをメインに利用していくことになるはずです。

5Gという新しいテクノロジーによって、さらにiPhoneは使いやすくなると予想されますが、肝心のサービスエリアの拡がりや範囲などを見極めたうえで慎重に判断したいものです。もし5G対応のiPhoneが発売されるまで機種変更を待っているという方は、今回紹介してきた内容も参考にしながら検討材料にしてみてください。

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