iPhoneの充電が途中で止まってしまうのはなぜ?確認しておきたい設定を解説
「iPhoneに充電器を接続してしばらく経つのに、バッテリー残量が100%になっていない」あるいは「満充電になるまで異常に時間がかかる」といった経験はないでしょうか。
特に、iPhoneの設定をリセットしたり、機種変更をした直後からこのような症状が見られる場合、バッテリー充電に関する設定が影響している可能性が考えられます。
そこで本記事では、iPhoneの充電が途中で止まる主な理由や、バッテリー充電に関する設定の確認方法について詳しく解説します。
目次
iPhoneの充電が途中で止まる理由
充電ケーブルを差し込んでいるのに、時間が経過してもバッテリー残量が100%に達しないという場合、主に以下の原因が考えられます。
iPhoneに負荷がかかりすぎている
iPhoneに過度な負荷がかかっている場合、充電が途中で止まることがあります。
たとえば、充電中に高負荷のアプリやゲームを使用すると、本体が発熱しバッテリーの劣化を早めたり故障を引き起こすリスクが高まります。
そのため、本体を保護するために充電が一時的に停止する仕様となっているのです。
金村豪
充電がストップしたとき、本体が異常に高温になっている場合には負荷のかかりすぎが主な原因として考えられることから、これを軽減するために不要なアプリを閉じたり、一時的にiPhoneの使用を中止することが大切です。
充電上限が設定されている
2023年に発売されたiPhone 15シリーズ以降のモデルでは、バッテリー寿命を延ばすために充電上限が設定できる仕様となりました。
2024年にリリースされたiOS18からは充電上限を80%から100%の間で5%刻みに設定することも可能となり、この機能がオンになっていると基本的にバッテリー残量は上限の数値までしか充電されません。
また、業務用の連絡ツールとしてiPhoneを使用している場合、企業側が提供する管理プロファイルの設定が影響している場合もあります。
充電上限をあえて100%未満に設定する理由としては、充電時にかかるバッテリーへの負荷を軽減しバッテリー寿命を延ばすという目的があるためです。
「バッテリー充電の最適化」が設定されている
充電上限とは別に、iOSには「バッテリー充電の最適化」という機能も備わっています。
これは充電上限と同様にバッテリーの劣化を防ぐための機能であり、デフォルトの設定ではオンの状態になっています。
バッテリー充電の最適化がオンの状態では、80%までは通常通り充電が行われますが、それ以降は充電スピードが緩やかになるのが特徴です。
金村豪
バッテリー充電の最適化はiPhoneの機械学習機能によりユーザーの充電のサイクルを予測しており、たとえば「23時頃に充電器に接続され7時に充電が終了する」というパターンが多い場合には、7時にバッテリー残量が100%になるように充電が行われます。
「充電上限」および「バッテリー充電の最適化」の設定確認方法
充電上限やバッテリー充電の最適化は、バッテリーの寿命を延ばすために有効な機能ではありますが、その一方で「できるだけ早く100%まで充電したい」というケースもあるでしょう。
また、現在使用しているiPhoneがどのような設定になっているのか確認したいという方も多いはずです。
そこで、「充電上限」および「バッテリー充電の最適化」の設定手順をご紹介しましょう。
「充電上限」の設定
「充電上限」の設定方法は以下の通りです。
- 「設定」をタップ
- 「バッテリー」をタップ
- 「充電上限」のスライドバーを任意の値に設定
「バッテリー充電の最適化」の設定
「バッテリー充電の最適化」の設定方法は以下の通りです。
- 「設定」をタップ
- 「バッテリー」をタップ
- 「バッテリー充電の最適化」をオン
金村豪
なお、「バッテリー充電の最適化」は充電上限が100%に設定されている場合のみ有効にでき、充電上限が80%から95%に設定されている場合には無効となります。
充電の繰り返しによってバッテリーが劣化する理由
iPhoneに搭載されているバッテリーは半永久的に使用できるものではなく、さまざまな理由によって劣化が進みます。
極端な高温または低温など、周囲の環境条件が大きな要因となることも多いですが、これとは別に頻繁な充電の繰り返しもバッテリー寿命を縮める要因となってしまいます。
そもそもリチウムイオン電池は、プラスの電極とマイナスの電極間をリチウムイオンが移動する化学反応によってエネルギーを供給しています。ところが、充放電を繰り返すことで徐々に電極の構造が変化し、リチウムイオンの移動効率が低下していくのです。
特にリチウムイオン電池の場合は0%まで放電したり、逆に100%までのフル充電を頻繁に繰り返すと電極に大きなストレスが加わり、劣化を早めてしまう特性があります。
金村豪
リチウムイオン電池には「充放電サイクル」という寿命の目安があり、約500~1,000回のサイクルで性能が徐々に低下していきます。
「充電上限」や「バッテリー充電の最適化」は設定したほうが良い?
結論からいえば、iPhoneに搭載されている充電上限やバッテリー充電の最適化は、日常的な使用においては設定しておいたほうが良いといえるでしょう。
上記で説明した通り、iPhoneのバッテリーとして搭載されているリチウムイオン電池は、0%までの放電および100%のフル充電を頻繁に繰り返すと劣化が早まります。
しかし、バッテリーの残量を見ながら充電のタイミングを調節するといったことは面倒であり、ストレスにも感じてしまうでしょう。「充電上限」あるいは「バッテリー充電の最適化」を設定しておけば、充電のタイミングを見極める必要がありません。
バッテリーの残量表示が大幅に減ってしまう原因についてiPhoneバッテリーの残量表示が突然大幅に減ってしまう、電源が落ちてしまう原因と対処法の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
設定を見直しても症状が改善しない場合は修理も検討しよう
普段iPhoneを使用していて、「充電器を接続していたはずなのにバッテリー残量が100%になっていない」という場合には、今回ご紹介した内容を参考にまずはiPhoneの設定を確認してみましょう。
それでも異常が見られる場合には、バッテリーの劣化による不具合が考えられるため修理も検討してみてください。