子どものネットトラブルはどう防ぐ?スマートフォンの契約前に確認すべきポイント
子どもの進学に合わせて、スマートフォンの契約を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、初めて子どもにスマートフォンを持たせる際には、思わぬトラブルに巻き込まれるのではないか、ゲームなどのアプリで金銭的な負担が増大するのではないかなど、さまざまな不安が生じるものです。
そこで今回は、iPhoneなどのスマートフォンを持たせるにあたり覚えておきたい、子どものネットトラブルをいくつか紹介します。また、トラブルに巻き込まれないようにするにはどのような対策が有効なのかについても解説しますので、契約前にぜひご覧いただき、家族で十分に話し合ったうえで検討してみてください。
子どものネットトラブル事例
まずは子どものネットトラブルにはどのようなものがあるのか、今回は特に注意しておきたい4つのケースに分けて紹介します。
アプリや有料コンテンツの高額課金
iPhoneをはじめとしたスマートフォンは、無料で好きなアプリをダウンロードして楽しむことができます。しかし、たとえばゲームアプリの場合、アプリそのものは無料でダウンロードできても、無料で遊べる内容には限りがあったり、強力なアイテムを手に入れるためには課金が必要なケースもあります。
通常、そのような有料コンテンツを購入する場合には、クレジットカード情報を入力する必要があるのですが、子どもが勝手に親の財布からカードを抜き取り、クレジットカード情報を入力して課金するケースもあります。
最近ではクレジットカードの明細書が書面で届かず、オンラインで確認する場合も多く、口座から高額な利用料金が引き落とされて初めて気付くケースも多いのです。
SNS上での炎上
誰もが気軽に利用できるSNSですが、不適切な投稿によって炎上するリスクも秘めています。特にフォロワーが少ないユーザーは、自分の投稿は限られた人しか見ていないと錯覚しがちですが、実際にはインターネット上で誰もが閲覧でき、世界に情報を発信しているのと同じことでもあるのです。
自分自身は問題ないと考えていても、常識的に考えて不適切な内容だと、一気に情報が拡散し炎上騒動を引き起こすこともあります。さらに、投稿の内容が法に抵触したり、特定の相手に損害を与えるような内容だと、責任を問われる可能性も十分考えられます。
個人情報の漏えい
SNS上で親しい友人や信頼できる人だけをフォローしているからといって、個人情報をアップしてしまうと、氏名や住所、通学している学校などが特定される可能性もあります。個人情報が漏えいすると、悪意のあるユーザーがいたずらで自宅に押しかけてきたり、通学している学校に個人を中傷する電話がかかってきたりと、さまざまな実害が及ぶケースも考えられます
誹謗中傷による被害または加害
SNSでの炎上とも密接な関わりがありますが、個人を中傷する投稿やメッセージが届き、精神的に大きなダメージを受ける可能性もあります。SNSは相手の顔が見えないため、言葉が過激になりやすい傾向があるのです。
また、誹謗中傷を受ける立場だけではなく、炎上に加担し誹謗中傷を行う加害者になる可能性もあります。たとえ相手に非があったとしても、乱暴な言葉で相手を傷つける内容を投稿したり、メッセージを送ったりすると、重大なトラブルに発展することも十分考えられます。最悪の場合、法的な責任を問われるケースもあるため、そのようなリスクを子どもに十分理解してもらう必要があるのです。
- アプリや有料コンテンツの高額課金
- SNS上での炎上
- 個人情報の漏えい
- 誹謗中傷による被害または加害
子どものネットトラブルを未然に防ぐための対策
スマートフォンを持たせることで、さまざまなネットトラブルが想定されますが、これらを未然に防ぐためにはどのような対策が求められるのでしょうか。
プリペイドカードを利用する
アプリや有料コンテンツの高額課金を未然に防ぐためには、クレジットカードの管理を厳重にし勝手に登録されないようにすることが重要です。どうしても有料コンテンツの課金をしたい場合には、プリペイドカードを購入し、事前に設定した金額以上の課金ができないようにしましょう。
たとえばiPhoneの場合、アプリの購入やアプリ内での有料コンテンツの課金には「iTunesカード」を登録しておくことで金額の範囲内の課金が可能です。iTunesカードはコンビニなどでも購入でき、1,000円や2,000円など、あらかじめ金額が決められているため、高額請求の抑止に役立ちます。
SNSを利用するうえでのモラルを教育する
SNSの炎上リスクをゼロにするためには、SNSそのものを利用させないことも一つの方法です。しかし、一律に禁止することで、学校や子ども同士のコミュニティの中でいじめにつながる危険性もあるでしょう。
そこで、もっとも現実的な対応としては、SNSを利用するうえでのマナーやモラルを教育し、ネット上における善悪の判断ができるようにしておくことです。具体的な方法としては、過去に炎上につながった事例を子どもと共有することが効果的といえるでしょう。
また、個人情報の漏えいからトラブルに巻き込まれることを予防するためにも、顔写真をアップしない、氏名や住所、通っている学校名などをSNS上に書き込まないなど、家庭内のルールを明確化しておくことも重要なポイントです。
子どもから気軽に相談できる環境を整えておく
万が一、子どもがネットトラブルに巻き込まれた場合に備え、親自身がSNSやインターネット関連の知識を身につけておき、子どもの悩みに相談できる体制を整えておくことも重要です。
たとえば、子どもが誹謗中傷の被害に遭っている場合、親がSNSやインターネットに疎いと相談しても無駄なのではないかと感じ、一人で抱え込んでしまうことも考えられます。しかし、親が普段から積極的にSNSを活用し、インターネットやスマートフォンの操作に慣れていると、子どもにとっても相談しやすいものです。
SNSは子どもにとってプライベートな空間であり、親に知られたくないというケースも多いもの。しかし、自分の親が普段からSNSを活用し、インターネットの世界に慣れていることを子どもが知っていれば、万が一のときに頼りになる存在となります。
あまり干渉しすぎると、子どもは自身のプライベートを干渉されたと感じ逆効果となってしまうため、自然な信頼関係を構築できるように取り組んでみましょう。
- プリペイドカードでの課金
- SNS利用に際してのモラル教育
- 子どもから相談できる環境を整備
万が一ネットトラブルに巻き込まれた場合の対処方法
家庭内のルールを明確化し、十分な対策を講じていたとしても、ネットトラブルに巻き込まれる可能性はゼロとは限りません。万が一、子どもがネットトラブルに巻き込まれた場合、どのような対処をとるべきなのでしょうか。
緊急の場合は迷わず110番へ
ネットトラブルが原因で事件に巻き込まれた場合、迷わず110番へ通報しましょう。たとえばSNS上に個人情報が漏えいし、自宅に人が押しかけている場合や、脅迫めいた手紙やメッセージが届いているなど、実害が及んでいたり身の危険を感じたりしている場合には、早めに110番へ通報し警察に相談しましょう。
判断に迷う場合には#9110へ
ネットトラブルといってもさまざまなパターンがあり、110番へ通報すべきか迷うケースも多いことでしょう。そのような場合には、「#9110」へダイヤルすると警察相談専用電話へつながります。最寄りの警察署につながる仕組みとなっており、「このような状況だが110番へ通報すべきか」という内容を警察に直接相談できます。
電話での相談がしづらい場合には警察庁のホームページで確認
ネットトラブルに関して、電話よりも気軽に相談できる窓口をお探しの方には、警察庁が開設している「インターネット安全・安心相談」のオンライン窓口がおすすめです。
フィッシングや料金請求、有料サイトなどの相談カテゴリがあり、一般的なトラブルの相談に対して解決策を提示しています。匿名性が担保され、時間に関係なく気軽にアクセスして確認できるため、ネットトラブルの初期対応を確認する窓口としてもおすすめです。
- 緊急の場合には110番
- 判断がつかない時は#9110
- 電話以外なら「インターネット安全・安心相談」のオンライン窓口
ネットトラブルを理解したうえでスマートフォンの契約をしよう
中学校や高校などへの入学のタイミングで、スマートフォンを契約する家庭も少なくありません。しかし、今回紹介してきたように、スマートフォンを所持するということはさまざまなネットトラブルに巻き込まれるリスクもはらんでいることも理解すべきです。
ネットトラブルに巻き込まれないよう、必要な対策を講じることはもちろんですが、万が一トラブルに巻き込まれた場合を想定し、相談窓口や対処方法を確認しておくことも重要といえます。これからiPhoneをはじめとしたスマートフォンの契約を検討している方は、ぜひ本記事の内容を参考のうえ、家庭内のルールを話し合ってみてください。