Apple M1チップとは?Appleシリコンの特徴・性能とiPhoneやiPadとの関係を解説

Apple M1チップの特徴と連携

iPhone修理歴7年、iPad修理歴5年のそこそこベテラン。とにかく「分解が趣味」という少し変わった修理マニア。ゲーム機やコントローラーなど様々な分解経験があるが、現在ではApple製品以外は触っていない。iPhoneならほとんどの修理が30分以内に対応可能。iPadもパネルやバッテリー交換なら1時間もあれば対応可能。7年間の修理経験を経た知識を元にiPhone大学の監修スタート。

Appleの「M1」は、2020年に登場したMac向けのAppleシリコンです。

それまでのMacではIntel製プロセッサが長く採用されていましたが、M1からAppleが自社設計したチップへ本格的に移行しました。

M1は単なるCPUではなく、CPU・GPU・メモリ・セキュリティ機能などを1つに統合したSoC(System on a Chip)です。

現在はM1以降にも新しいAppleシリコンが登場していますが、M1は「Macの設計思想を大きく変えた最初の世代」として重要な存在です。

この記事では、Apple M1とは何か、Intel製CPUとの違い、M1が注目された理由、iPhone・iPadとの関係までわかりやすく解説します。

Apple M1チップとは?

Apple M1チップとは

Apple M1は、AppleがMac向けに設計した初代Appleシリコンです。

2020年11月に発表され、MacBook Air、13インチMacBook Pro、Mac miniへ初めて搭載されました。

それまでのMacではIntel製プロセッサが中心でしたが、M1ではAppleがチップの設計からOSとの連携まで一体で最適化できるようになりました。

Appleによると、M1には160億個のトランジスタが搭載され、4つの高性能コアと4つの高効率コアからなる8コアCPUを採用しています。

また、CPUだけでなくGPUやメモリ、セキュリティ機能などを1つのSoCへ統合しているのも特徴です。

参考:Apple公式

M1は普通のCPUと何が違う?

M1は「Mac用CPU」と説明されることもありますが、厳密にはCPUだけではありません。

CPU、GPU、Neural Engine、メモリコントローラ、セキュリティ機能など、従来は複数の部品に分かれていた機能を1つのチップへまとめたSoCです。

CPUとGPUなどを1つのチップに統合

従来のパソコンでは、CPUやGPU、メモリなどがそれぞれ独立して構成されることが一般的でした。

M1では複数の機能を1つのSoCへ統合することで、部品同士のデータのやり取りを効率化しています。

AppleがハードウェアとmacOSの両方を設計しているため、ソフトウェアを含めた最適化を行いやすい点もAppleシリコンの特徴です。

ユニファイドメモリを採用

M1では「ユニファイドメモリアーキテクチャ」が採用されています。

これはCPUやGPUなどが同じメモリ領域へアクセスする仕組みです。

従来のようにCPU用、GPU用とデータを何度もコピーする必要を減らせるため、処理効率や電力効率の向上につながります。

AppleもM1について、SoC内の各機能が同じメモリプールへアクセスできることを大きな特徴として挙げています。

高性能コアと高効率コアを使い分ける

M1のCPUは、4つの高性能コアと4つの高効率コアで構成されています。

動画編集など負荷の高い処理では高性能コアを使い、軽い処理では高効率コアを使うことで、性能と消費電力のバランスを取りやすくなっています。

この設計思想は、iPhoneやiPad向けのApple製チップでも採用されてきました。

M1が注目された理由

Apple M1が注目された理由

M1が登場した際に大きな注目を集めたのは、単純に処理性能が上がったからだけではありません。

Macの内部設計そのものをApple主導へ切り替えたことに大きな意味があります。

性能と省電力性を両立しやすくなった

Appleシリコンでは、ハードウェアとmacOSをApple自身が設計できます。

そのため、チップとOSを一体で最適化しやすくなり、高い処理性能を維持しながら消費電力を抑える設計が可能になりました。

M1搭載MacBook Airでは、従来のIntel搭載モデルと比較してバッテリー駆動時間が大きく伸びたことも、登場当時に注目されたポイントです。

MacBook Airではファンレス設計も実現

M1搭載MacBook Airでは、冷却ファンを搭載しないファンレス設計が採用されました。

負荷が高い処理では性能調整が入る場合がありますが、一般的な作業では静かに利用できる点がメリットです。

発熱や消費電力を抑えやすいAppleシリコンの特徴を生かした設計といえるでしょう。

M1を搭載した主なApple製品

M1はMacだけで終わったチップではありません。

2020年にMacへ初搭載されたあと、iPadにも採用されました。

代表的なM1搭載製品には次のようなものがあります。

M1を搭載した主な製品
  • MacBook Air
  • 13インチMacBook Pro
  • Mac mini
  • 24インチiMac
  • iPad Pro
  • iPad Air

その後、AppleシリコンはM1 Pro・M1 Max・M1 Ultraなどへ展開され、さらにM2以降の世代へ進化しています。

そのため、現在M1は最新世代ではありませんが、Appleシリコン時代の出発点となったチップとして位置付けられます。

M1とiPhoneのAシリーズチップは何が違う?

AppleはM1より前から、iPhoneやiPad向けにAシリーズチップを自社設計してきました。

たとえばiPhone 4にはA4、iPhone 12シリーズにはA14 Bionicが搭載されています。

M1もARM系アーキテクチャをベースにしたApple独自設計のSoCであり、iPhoneやiPad向けチップで培った技術がMacへ広がった流れと考えると理解しやすいでしょう。

ただし、M1とiPhone用Aシリーズチップはまったく同じものではありません。

MacやiPadなど、より高い処理性能が必要な製品向けに設計され、CPUやGPU、メモリ構成なども異なります。

AppleシリコンMacではiPhone・iPadアプリも使える

AppleシリコンMacではiPhoneやiPadアプリも利用できる

M1をはじめとするAppleシリコンMacでは、対応するiPhone・iPadアプリをMac App Storeからインストールして利用できます。

Appleによると、iPhone・iPadアプリはAppleシリコンMac上で、基本的にiOS・iPadOSと同じフレームワークやランタイム環境を使って動作します。

そのため、開発者側でMac専用にアプリを書き直さなくても、対応するアプリであればMac上で動かせます。

ただし、すべてのiPhone・iPadアプリがMacで利用できるわけではありません。

アプリ開発者はMacでの配信を停止できます。また、GPSや加速度センサーなどiPhone特有のハードウェアへ強く依存するアプリは、Macで適切に動作しない場合があります。

Mac App Storeでは、利用可能なアプリに「iPhone用にデザイン」「iPad用にデザイン」などと表示されます。

iPhone・iPadユーザーにとってのメリット

M1そのものをiPhoneへ搭載するという意味ではありませんが、Appleシリコンの普及によってApple製品同士の連携はより重要になりました。

同じApple Accountでデータを共有しやすい

iCloudを利用すれば、写真やファイル、Safariの情報、メモなどをiPhone・iPad・Mac間で共有できます。

MacもApple独自設計のチップへ移行したことで、Appleはハードウェアとソフトウェアをまたいだ機能を展開しやすくなりました。

iPhone・iPadアプリをMacでも利用できる場合がある

普段iPhoneやiPadで使っているアプリがAppleシリコンMacに対応していれば、Macでも同じアプリを利用できます。

ただし、アプリによってはMac版が別途用意されていたり、Macでは配信されていなかったりするため、App Storeで確認が必要です。

iPadにもMシリーズが採用されるようになった

M1はMac専用チップとして登場しましたが、その後iPad ProやiPad AirにもMシリーズが搭載されるようになりました。

これにより、MacとiPadの両方で同系統のAppleシリコンが使われるようになり、高負荷な画像編集や動画編集などにも対応しやすくなっています。

M1搭載Macは今でも使える?

M1は2020年に登場したチップなので、現在は後継世代が複数登場しています。

そのため、新品のMacを選ぶ場合はM1だけに絞らず、現在販売されている最新モデルとの価格差や用途を比較した方がよいでしょう。

一方、中古市場ではM1搭載Macが流通しており、Web閲覧、Office系作業、動画視聴、軽い画像編集などの用途で検討されることもあります。

ただし、中古Macを購入する場合はチップ性能だけでなく、バッテリー状態、メモリ容量、ストレージ容量、OSの対応状況なども確認することが重要です。

Apple M1についてよくある質問

M1はCPUですか?

CPUだけではありません。

M1はCPUやGPU、Neural Engine、メモリ関連機能などを1つへ統合したSoCです。

M1とIntel製CPUは何が違いますか?

大きな違いは、Apple自身がMac向けに設計し、macOSと一体で最適化できる点です。

また、M1ではCPUやGPUなどをSoCへ統合し、ユニファイドメモリを採用しています。

M1はiPhoneにも搭載されていますか?

iPhoneにはM1ではなく、主にAシリーズのApple製チップが搭載されています。

MシリーズはMacや一部iPad向け、Aシリーズは主にiPhone向けと考えるとわかりやすいでしょう。

M1 MacならiPhoneアプリを全部使えますか?

いいえ。

AppleシリコンMacでは多くのiPhone・iPadアプリを利用できますが、開発者がMacでの配信を停止している場合や、Macとの互換性がない場合は利用できません。

M1はもう古いチップですか?

最新世代ではありません。

ただし、M1はAppleシリコンMacの初代チップであり、現在のMacやiPadへ続く設計思想の基礎となった重要な世代です。

まとめ|M1はAppleシリコン時代を始めた重要なチップ

M1はAppleシリコン時代を始めた重要なチップ

Apple M1は、2020年に登場したMac向け初代Appleシリコンです。

CPUだけでなくGPUやメモリ、セキュリティ機能などを1つのSoCへ統合し、AppleがハードウェアとmacOSを一体で最適化できるようになったことが大きな特徴です。

その後はiPadにもMシリーズが搭載され、現在のApple製品ではAppleシリコンが重要な基盤となっています。

また、AppleシリコンMacでは対応するiPhone・iPadアプリも利用できるため、Mac・iPhone・iPadをまたいだApple製品同士の連携という点でもM1の登場は大きな転換点でした。

M1は最新世代ではありませんが、現在のAppleシリコンへつながる最初の一歩として知っておく価値のあるチップです。

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