iPhoneの「サウンド認識」はどんな場面で活用できる?活用シーンの一例を紹介
iPhoneには聴覚や視覚などをサポートするさまざまなアクセシビリティ機能が搭載されています。本来は身体が不自由な方や、何らかの障がいをもった方をサポートする目的で作られた機能ですが、一般のユーザーのなかにもアクセシビリティ機能をさまざまな用途に活用している方も少なくありません。
幅広い用途に対応できるアクセシビリティ機能ですが、じつはiOSがアップデートされるたびに機能追加が加えられていることをご存知でしょうか。2020年にアップデートされたiOS14においても、新たに「サウンド認識」という機能がアクセシビリティのひとつに追加されました。
そこで今回は、iPhoneのサウンド認識とは具体的にどのようなものなのか、設定方法や活用シーンの一例も含めて詳しく解説します。
iPhoneの「サウンド認識」とは?
そもそもiPhoneの「サウンド認識」とは、聴覚をサポートするアクセシビリティ機能のひとつです。たとえば、非常事態を知らせるサイレンや警報、車のクラクションなど、私たちが安全に暮らすうえで”音”から得られる情報は欠かせないものです。しかし、耳の不自由な方にとっては、それらの音が聞き取れないケースも少なくありません。
そこで、iPhoneがこれらの音を認識し、画面上に通知として表示してくれる機能が「サウンド認識」です。サウンド認識はiOS14からサポートされています。
なお、Appleでは「危害を受けたり、負傷したりする可能性がある場合、危険性の高い場面、緊急事態、またはナビゲーション中などの状況下ではサウンド認識に頼ることをおやめください」と案内しており、あくまでも補助的なツールであることが前提となっています。
認識可能な音の種類
では、iPhoneのサウンド認識はどのような音を検知できるのでしょうか。iOS15で対応しているサウンドの種類を紹介します。
アラーム | 炎 |
---|---|
サイレン | |
煙 | |
動物 | 猫 |
犬 | |
家庭 | 電気器具 |
車のクラクション | |
ドアベル | |
ドアのノック | |
ガラスの割れる音 | |
やかん | |
水の出しっぱなし | |
人 | 赤ん坊の泣き声 |
せき | |
叫び声 |
2021年10月29日現在で対応しているのは上記の15種類です。なお、iOS15のアップデートによって「ガラスの割れる音」と「やかん」の音が新たに追加されています。
サウンド認識の設定方法
iPhoneでサウンド認識を設定する方法は簡単で、以下の通り操作を行います。
- 「設定」アプリを起動
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 聴覚サポート内の「サウンド認識」をタップ
- 「サウンド認識」をオン
- 「サウンド」をタップ
- 認識可能な音の種類ごとにオン/オフ、通知音を選択
なお、「サウンド認識」のオン/オフの下部に「◯MB使用済み」または「ダウンロード中」といった表示が出てきます。サウンド認識はiPhoneに搭載されたAI機能によって音を判定しているのですが、その際に使用する学習データを本体にダウンロードするため、上記のような表示がされます。
サウンド認識が有効に活用できるシーン
サウンド認識は聴覚に障がいをもった方だけでなく、一般ユーザーにとってもさまざまな活用方法が考えられます。どのようなシーンでの利用ができるのか、具体例を3つ紹介しましょう。
音楽を楽しみたいとき
ヘッドホンやイヤホンを装着し、音楽や動画を楽しむ際、音に集中できるメリットがある一方で周囲の音が聞こえにくくなります。たとえ自宅の中で過ごしていたとしても、緊急時のサイレンなどに気付かないおそれもあるでしょう。
そこで、iPhoneのサウンド認識を利用すれば、万が一のときにはiPhoneの画面上に通知が届くほか、音楽や動画再生中にiPhoneがサウンドを発して知らせてくれます。特に一人暮らしで同居している家族が誰もいない場合には、サウンド認識を活用することでさまざまな危険を素早く察知できるようになるでしょう。
通勤途中
徒歩や電車、バスなどで通勤している方の中には、ヘッドホンを装着し音楽を聞きながら移動する方も多いです。ヘッドホンの形状や機能によっては、外部の音を取り込みやすいものも存在しますが、カナル型のイヤホンや大音量で音楽を聴いている場合、外部の音が聞き取りにくいこともあるでしょう。
万が一、徒歩で移動中に車のクラクションが聞き取れないと、危険の察知が遅れてしまい身体に危険がおよぶことも考えられます。そのような通勤途中の事故を防ぐためにも、補助的なツールとしてiPhoneのサウンド認識を活用する方法も有効です。
テレワーク
コロナ禍によってテレワークの機会が増えた現在、オンライン会議などでイヤホンやヘッドホンを装着する場面も多いのではないでしょうか。また、通常のデスクワークにおいても、仕事に集中するため音楽を聞きながら作業を進めていることもあるでしょう。
しかし、このような場合、外部の音が聞こえにくくなり不安を覚えることも少なくありません。たとえば、近所で火事が発生してサイレンが鳴っているにもかかわらず、それに気付かないまま逃げ遅れるケースも考えられるでしょう。また、インターホンが鳴っていることに気付かず来客対応や宅配便の受け取りができないことも。
このように、テレワークならではの悩みを解決する手段としてもサウンド認識は有効なツールといえます。
iPhoneのサウンド認識の活用方法はさまざま
今回紹介してきたように、iPhoneのサウンド認識は聴覚に障がいをもった方はもちろん、一般ユーザーにとってもさまざまな活用方法が期待できます。現在、iPhoneが認識できる音は15種類ですが、iOSのアップデートによってさらに種類が増えることも考えられます。また、学習データが追加されることによって、同じ種類の音でもさまざまなパターンにも対応できるようになるでしょう。
今回紹介したサウンド認識の活用方法はあくまでも一例であるため、まずは実際に設定し使ってみたうえで、自分なりの活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。
iPhoneには他にも生活に便利なアクセシビリティ機能が搭載されています。そのうちの一つに「スクリーンタイム」という機能があります。「スクリーンタイム」については【iPhone・iPadの「スクリーンタイム」とは?機能の詳細や上手な活用方法を紹介】にて是非ご覧ください。