米国でiPhoneのセルフ修理プログラムがスタート!日本での開始予定は?
Appleは2021年11月に、ユーザー自身がiPhoneの修理を可能にするプログラムを提供すると発表していました。そして2022年4月27日から、かねてより予告していたセルフ修理プログラムを米国でスタートし話題になっています。
しかし、「iPhoneを自分で修理する」というのはどういうことなのか、リスクはないのか、日本でのスタートはいつなのか、などさまざまな疑問を抱いている方も多いことでしょう。そこで今回は、iPhoneのセルフ修理プログラムの内容を詳しく紹介するとともに、日本での開始予定についても触れていきます。
iPhoneのセルフ修理プログラムとは
今回Appleが提供を開始したiPhoneのセルフ修理プログラムとは、iPhoneの修理マニュアルを公開したうえで、「Apple Self Service Repair Store」から提供される部品を使ってユーザー自身での修理を可能とするものです。
従来、AppleではiPhoneの修理マニュアルを一般には公開しておらず、修理用部品もApple認定修理業者でなければ手に入れることはできませんでした。一部では互換性のある非公式の部品を使って修理することもできましたが、信頼性の高いApple純正部品が手に入れられるようになったこと、そして修理マニュアルが公開されたことが画期的なポイントといえるでしょう。
なお、セルフ修理プログラムはすべてのiPhoneが対象ではなく、iPhone12シリーズとiPhone13シリーズ、そしてiPhone SE(第3世代)に限られます。iPhone 11シリーズおよびiPhone SE(第2世代)以前のモデルは対象外となります。
日本での開始は未定
今回スタートしたiPhoneのセルフ修理プログラムは、米国のみでの提供となります。修理マニュアルは日本語ではなくすべて英語での記載となっているほか、「Apple Self Service Repair Store」も日本向けには提供されていません。
そもそも日本でスタートする予定があるのか、そしてその時期はいつ頃になるのかが気になるところですが、現時点で日本での開始は未定となっています。
iPhoneのセルフ修理が可能になるとどんなメリットがある?
今後日本でもiPhoneのセルフ修理プログラムが開始された場合に備え、メリットを知っておきたいと考える方も多いことでしょう。そこで、iPhoneを自分自身で修理することでどのような利点があるのか、今回は3つのポイントを挙げて紹介します。
修理費用を抑えられる
Apple認定修理業者では修理内容に合わせて料金が決められていますが、当然のことながらこのなかにはパーツ代のほか、修理にかかる工賃も含まれています。しかし、ユーザーが自分自身で修理できるようになれば、パーツ代のみで修理が完了でき、修理費用を抑えられると考えられます。
店舗に足を運ぶ必要がなくなる
自宅や職場の近くにApple認定修理業者があれば良いですが、そうでない場合には修理のたびに店舗へ足を運ぶ時間と交通費がかかってしまいます。Appleに宅配便で端末を送付することも可能ですが、この場合は修理品が自宅に到着するまで一時的に使用できなくなってしまいます。
しかし、パーツを取り寄せることができれば、自宅にいながら修理できるため、遠方に店舗があって通いづらいという方にも大きなメリットとなるでしょう。
Apple認定修理業者が扱っているパーツを利用できる
これまでiPhoneを自力で修理しようと考えた場合、互換性のある部品を購入することで対応することもできました。しかし、これはApple純正部品ではないため、品質面で不安を抱えていたことも事実。今後iPhoneのセルフ修理プログラムが提供されるようになると、信頼性の高いApple純正部品を入手でき、修理マニュアルに沿って正しい作業ができるでしょう。
iPhoneのセルフ修理の注意点
iPhoneのセルフ修理プログラムはメリットばかりとは限らず、注意しておかなければならない点もあります。こちらも3つのポイントを挙げて紹介しましょう。
専門知識とスキルが必要
iPhoneのセルフ修理プログラムでは、Apple公式の修理マニュアルが公開されるとはいえ、作業そのものは緻密なので、慎重さが要求されます。普段から精密機械の修理や改造を行っている、または電子部品に関する知識が豊富な方は問題なく作業できると思いますが、そうでない方にとってはハードルの高い作業です。
破損・データ消去のリスク
専門知識やスキルがなく、電子部品の扱いに慣れていない方が修理しようとすると、誤ってほかの部品を傷つけてしまったり、紛失したりするリスクもあるでしょう。その結果、iPhoneを修理するつもりがさらに破損箇所を拡大させてしまったり、静電気によって本体に保存されているデータが消去されてしまったりする危険性もあるのです。
特殊な工具が必要
電子機器の修理にはドライバーやペンチ、ピンセットなどの工具が不可欠です。しかし、iPhoneに採用されているパーツは一つひとつが小さく、一般的な工具では対応できません。iPhoneの修理に特化した特殊な工具を揃えなければならず、パーツも含めると割高なコストに感じられるかもしれません。
ちなみに、「Apple Self Service Repair Store」では専用の修理ツールをレンタルすることもできますが、米国での提供価格は1週間で49ドル(約6,300円)となっています。
iPhoneの修理は専門業者への依頼がベスト
これまでApple認定修理業者へ依頼するのが一般的であったiPhoneの修理ですが、日本でもセルフ修理プログラムが開始されれば修理の選択肢は広がるでしょう。
しかし、電子機器の修理に慣れていない方にとっては、破損やデータ消去のリスクなどデメリットがあることも事実です。実際にAppleでもiPhoneの修理はプロの業者へ依頼するのが安全であると紹介しています。
もし今後日本でもiPhoneのセルフ修理プログラムが開始された場合には、さまざまな修理方法を比較しながら慎重に検討する必要がありそうです。
今回は、Appleが提供を開始したiPhoneのセルフ修理プログラムについて、メリットやデメリットをまとめて解説しました。「新型iPhone SE(第3世代)登場!これまでと変わったポイント・変わらないポイントを紹介」では、3世代目となる最新のiPhone SEについて詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご参考ください。