今後「USB-C搭載iPhone」は出るか?待望論がやまないワケ

今後「USB-C搭載iPhone」は出るか?待望論がやまないワケ

ここ数年、iPhoneの新型モデル発表の時期になると必ずといって良いほど「USB-C」端子の搭載が話題に上がります。しかし、2020年に発売された「iPhone12」でも、2021年に発売されたばかりの「iPhone13」シリーズにおいてもUSB-Cへの対応は見送られ、従来通りLightningコネクタが採用されることとなりました。

しかし、なぜこれほどまでにUSB-Cが注目されるのでしょうか。LightningコネクタとUSB-Cの違いをおさらいするとともに、実際に今後USB-Cを搭載したiPhoneは登場する可能性はあるのかについても詳しく解説します。

iPhone・iPadの端子の歴史

iPhone・iPadの端子の歴史

写真:DOCKコネクタ

はじめに、iPhoneおよびiPadに搭載されてきた端子は、これまでどのような歴史があるのか振り返っていきましょう。

DOCKコネクタ

日本で初めてiPhoneが販売されたのは、今から10年以上も前の2008年。「iPhone3G」という名称で発表され、これを機にスマートフォンが爆発的に普及していきました。
当時のiPhoneに搭載されていたのは、「DOCKコネクタ」とよばれる横長の端子です。同じくAppleの「iPod」シリーズにも搭載されていた端子であり、現在のLightningコネクタに比べて端子部分が大きい特徴がありました。

DOCKコネクタは、その後の「iPhone3Gs」、「iPhone4」、「iPhone4s」まで採用され続け、iPhoneの黎明期を支えてきたといっても過言ではありません。「iPhone4s」が登場したのが2011年のため、今からちょうど10年前にDOCKコネクタからLightningコネクタへの移行が始まったと考えることもできます。

Lightningコネクタ

2012年に発売された「iPhone5」から、現在も採用されている「Lightningコネクタ」が採用されることとなりました。DOCKコネクタに比べると端子部分がコンパクト化され、見た目もスッキリとした印象です。

従来のDOCKコネクタは裏表があり、差し込む方向を間違えるとケーブルを接続できないほか、無理に差し込もうとすると端子部分を破損してしまうリスクがありました。Lightningコネクタでは裏表がなく、差し込み方向を気にすることなく利用できるため好評でした。

しかしその一方で、DOCKコネクタに対応した周辺機器を使用していた既存ユーザーはケーブルを買い換えなければならず、一部では不満の声も聞かれました。もともと、当時のiPhoneには純正の充電器およびLightningケーブルも付属していたのですが、職場と自宅で充電器を使い分けている場合などは、Lightningケーブルを追加で購入しなければならなかったのです。

その後は現在に至るまでLightningコネクタが採用され続け、今では当たり前の存在となっています。iPadでもLightningコネクタは採用され続けましたが、2018年に発売された「iPad Pro」ではLightningコネクタではなくUSB-Cが採用されました。

端子 機種 採用期間
DOCKコネクタ iPhone3G ~ iPhone4s 2008年~2011年
Lightningコネクタ iPhone5 ~ iPhone13 2012年~現在

LightningとUSB-Cの違い

LightningとUSB-Cの違い

写真:Lightningコネクタ

多くのユーザーの間で噂が囁かれ、期待が高まる「USB-C搭載のiPhone」。しかし、端子が変わるということはケーブル類も買い換えなければならず、ユーザーにとって少なからずデメリットはあります。にもかかわらず、なぜこれほどまでに多くのユーザーはUSB-C搭載のiPhoneを待望しているのでしょうか。
その理由を理解するためには、まずLightningとUSB-Cの仕様の違いを把握しておく必要があります。

データ転送速度の違い

USB-Cの大きな特徴として、データ転送速度が極めて速いことが挙げられます。従来のUSB2.0、およびLightningコネクタでは、データ転送速度が最大480Mbpsという速度でした。これに対し、USB-Cは最大5Gbps(USB3.1の場合は10Gbps)であり、じつに10倍以上も高速化することになります。
カメラの高画質化によって画像や動画ファイルの容量が増えている現在、それらのデータをスムーズにやり取りするためにも高速転送に対応できるUSB-Cが求められているのです。

USB Power Deliveryへの対応

通常、iPhoneはLightningコネクタを通して充電することはできても、iPhoneから外部の機器へ”給電”することはできません。しかし、USB-Cの場合、「USB Power Delivery」という規格に対応しており、iPhoneのバッテリー残量を外部機器へ給電できるのです。いわばiPhoneをモバイルバッテリー代わりに利用するようなもので、外部モニタなどの電源供給にも対応できます。

汎用性の高い規格

現状、たとえば「iPhone13」と最新型の「iPad Pro」を所有している場合、iPhone用にLightningケーブル、iPad Pro用にUSB-Cケーブルを持ち歩かなくてはなりません。また、自宅や職場においても、2種類のケーブルを充電用として確保しておかなければならないでしょう。両者は大きさが似ていることから、遠目で見ると同じようなケーブルに見えてしまいます。

しかし、iPhoneがLightningからUSB-Cに変更されると、Lightningケーブルは不要となりUSB-Cケーブルで統一できるようになるのです。これはiPadに限らず、PCやその他周辺機器も同じ規格が採用されているため、汎用性が高い魅力があります。

USB-C Lightningコネクタ
データ転送速度 最大5Gbps
(USB3.1の場合は10Gbps)
最大480Mbps
USB Power Delivery 対応 未対応
汎用性 最新型「iPad Pro」と互換性あり 最新型「iPad Pro」互換性なし
USB-Cの魅力
  1. データ転送速度の速さ
    Lightningコネクタに比べ10倍以上も高速化
  2. USB Power Delivery
    iPhoneのバッテリー残量を外部機器へ給電でき、iPhoneをモバイルバッテリーとして利用できる
  3. 汎用性の高さ
    最新型の「iPad Pro」と互換性があるため、USB-Cが1本あればiPad Pro、iPhoneどちらも接続できる

USB-Cに対応したiPhoneは今後登場する?

USB-Cに対応したiPhoneは今後登場する?

写真:USB-Cコネクタ

2021年11月21日現在、Appleから次期モデルのiPhoneに関する情報は一切発表されていません。また、LightningからUSB-Cへ規格が変更されるか否かについても情報はありません。

しかし、これまでMacやiPadがUSB-Cへ対応してきていることを鑑みれば、今後USB-Cに対応したiPhoneが登場する可能性は十分高いといえるでしょう。ただし、そのタイミングが来年になるのか5年後になるのかは今の時点で分かりません。さまざまな噂や憶測が飛び交ってはいるものの、Apple公式から情報が発表されるのを待ちましょう。

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