次期iPhoneに「USB-C」対応の噂は本当?その理由や背景と考えられる懸念も解説

次期iPhoneに「USB-C」対応の噂は本当?その理由や背景と考えられる懸念も解説

毎年新型モデルが登場し、そのたびにハードウェア・ソフトウェアともにさまざまな機能が進化しているiPhone。2023年にも新型モデルの登場が期待されていますが、従来のインターフェースであるLightningから「USB-C」へと変更されるとの噂が出ています。

2012年に登場したiPhone 5から搭載されはじめたLightningから10年以上が経過した今、これは大きなニュースであり、多くのユーザーが注目しているところです。

しかし一方で、なぜこのような噂が出ているのか、そもそも信ぴょう性のある話なのか、半信半疑に感じられる方も多いでしょう。そこで本記事では、次期iPhoneにUSB-Cが搭載される可能性はあるのか、その根拠や理由、USB-Cへ変わった後の影響なども含めて詳しく解説します。

「USB-C」とは

「USB-C」とは

そもそも「USB-C」はどういったものか、基本的なことからおさらいしていきましょう。

従来のUSBは、長方形の「USB Type-A」とよばれるものが一般的なコネクタ形状でした。これはPC本体や周辺機器、スマートフォン用の充電器などさまざまなデバイスに用いられ、「USBといえばこれ」というほどおなじみの形状です。

しかし、ハードウェアの小型化やスペックの進化が進み、USB-Type Aよりも高性能な規格が求められるようになりました。USB-CはUSB-Type Aに比べて転送速度が約2倍となるほか、データ転送はもちろん電源の供給や映像出力などにも対応できるようになります。

また、USB-Type Aは端末へ差し込む際に上下方向を確認しなければなりませんでしたが、USB-Cの場合は上下方向に区別がないため利便性も向上しています。

USB-CはすでにAndroidスマートフォンやPC周辺機器など多くのデバイスに搭載されており、USB-Type Aからの切り替えが進んでいます。

次期iPhoneで噂されている「USB-C」とは

次期iPhoneで噂されている「USB-C」とは

従来のUSB-Type Aにくらべて利便性に優れたUSB-Cですが、じつは次期iPhoneへの搭載が正式に発表されたわけではありません。Apple社からの公式なアナウンスはなく、確定情報ではありません。

しかし、さまざまなニュースサイトやSNSなどにおいて、アナリストや専門家が「次期iPhoneにUSB-Cが搭載される」といった見解を公表しており、これがまたたく間に拡散されました。

それらの情報を見てみると、じつは次期iPhoneに搭載されるUSB-Cは実質的にLightningと同じようなものになるといった見解がなされています。これは一体どういうことなのでしょうか。

まず、コネクタ形状は従来のLightningではなく、その名の通りUSB-Cと同形状のものになります。しかし、Apple社のMFi認証を得たケーブルでなければ動作しない可能性があるとのこと。

現在のLightningケーブルも、一部サードパーティ製のものを使用すると「このアクセサリはサポートされていません」といった旨のエラーが表示され、充電やデータ転送ができないことがあります。次期iPhoneのコネクタにMFi認証が必須となれば、これと同様のことが起こる可能性があるのです。

噂されている「USB-C」とは

コネクタ形状はUSB-Cだが、MFi認証がなければ作動しないUSB-Cの可能性がある。

次期iPhoneにUSB−Cが搭載されるかもしれない理由

次期iPhoneにUSB−Cが搭載されるかもしれない理由

ここまでも紹介してきた通り、そもそもiPhoneにUSB-Cが搭載されるという話は噂に過ぎず、Appleが公式に発表したものではありません。
しかし、複数のメディアや情報ソースが噂を取り上げるということは、背景にそれなりの根拠や理由があることも事実です。どういった理由でこのような噂が拡散されるようになったのでしょうか。

もっとも大きな理由・根拠として挙げられているのが、EUで成立した法律が挙げられます。2022年4月、EUではスマートフォンやタブレット端末といった小型デバイスに対し、USB-Cを採用するという法律が成立しました。

法改正の背景には、SDGsの観点からも、小型デバイスのコネクタ形状を共通化することにより、電子部品やパーツ類の製造コストが下がり資源を有効的に活用できるようになることが挙げられます。また、端末を買い替えてもUSBケーブルをそのまま使用でき、ごみの量を削減できるメリットもあります。

Appleはこれまで、頑なにiPhoneへのUSB-C対応を拒否しLightningにこだわってきましたが、EUの法改正によってやむを得ずUSB-Cへの切り替えに踏み切るのではないかと噂されています。

USB−Cが搭載される理由

EUにおいて、小型デバイスにはUSB-Cを採用する旨の法律が可決されたため。

USB-Cに対応した次期iPhoneで懸念されること

USB-Cに対応した次期iPhoneで懸念されること

では、MFi認証必須のUSB-CをiPhoneが搭載した場合、具体的にどういった問題や課題があるのでしょうか。

USBケーブルを買い直さなければならない

すでにAppleではiPadシリーズにUSB-Cを採用していますが、iPadはMFi認証を取得していないUSBケーブルでも動作します。

しかし、次期iPhoneはiPadと同じ仕様にはならない可能性が指摘されています。すなわち、Apple社のMFi認証チップが搭載されたUSB-Cでなければ、正常に動作しない可能性があるというものです。

その結果、もっとも大きな懸念点として挙げられているのが、従来のUSB-Cのケーブルを使い回すことができないため、新たにiPhone専用のケーブルを買い直さなければならないことです。

iPadとiPhoneを2台所有しているユーザーからすると、これまでのUSBケーブルを破棄しMFi認証取得済みのケーブルに統一するか、iPad用・iPhone用それぞれのUSBケーブルを所有しなければならないことになります。

USBケーブルの価格が割高になる可能性

MFi認証取得済みのサプライと、そうでない一般的なサードパーティ製サプライはさまざまな違いがありますが、一般的にMFi認証取得済み製品のほうが割高になる傾向があります。

MFi認証を取得するということは、メーカーはApple社からパーツを取り寄せて製作する必要があるほか、認証を取得するためのコストもかかります。そのため、一般的な製品をつくるよりもコストがかかり、それが販売価格にも反映されるのです。

USB-C対応後のコスト

Apple社のMFi認証が必要な場合、Apple社以外のUSB-Cケーブルを使い回せないため、MFI認証の割高なものへ買い替えが必要になる。

次期iPhoneをめぐるさまざまな噂

次期iPhoneをめぐるさまざまな噂

次期iPhoneをめぐっては、単にインターフェースがUSB-Cに変更されるというだけでなく、ほかにもさまざまな噂があります。なかでも興味深いのが、端末によって対応するUSBの規格に差があるという噂です。

そもそもUSB-Cというのはコネクタ形状を指すもので、一見すると同じ形状であっても複数の規格が存在し、データ転送速度が異なります。現在のUSB規格は「USB 1.0」「USB 2.0」「USB 3.0」「USB 3.1」の4種類が存在し、もっとも高速なのがUSB3.1(Gen2)です。

実は、次期iPhoneに搭載されるのは、ProシリーズのみUSB3.0で、通常モデルのiPhoneにはUSB2.0が採用される可能性が指摘されています。これはiPhoneシリーズのなかで上位機種であるProを差別化するためのAppleの戦略とされ、本当に規格が変わるとなると利便性に大きく影響することになりそうです。

ちなみに、USB2.0の転送速度は最大480Mbsですが、USB3.1では最大10Gbsで、実に20倍以上の差があります。特に最近ではiPhoneのカメラ性能が上がり、画像や動画データが大容量化しています。数GB単位のデータをローカル上でやり取りするとなると、USB2.0ではなくUSB3.1に対応した端末を選びたいものです。

USB規格 転送速度 コネクタ形状
USB1.0 12Mbps Type-A、Type-B
USB2.0 480Mbps
USB3.0 5Gbps
USB3.1(Gen2) 10Gbps Type-A、Type-B、Type-C

次期iPhoneは購入すべきか?

次期iPhoneは購入すべきか?

今回の記事で繰り返し説明してきたように、紹介した内容はあくまでも噂に過ぎず、Appleから公式に発表された情報ではありません。そのため、今の段階で次期iPhoneを購入するか否かを決定するのは時期尚早といえるでしょう。

また、USB端子以外にもハードウェアのさまざまなアップデートがなされ、大幅に進化する可能性もあります。
すでにiPhoneを利用している方のなかには、自宅用や車内充電用、職場用など、複数の充電器とLightningケーブルを所有している方もいるでしょう。USB-C対応のiPhoneが登場した場合、それらのケーブルを一斉に買い換えなければなりません。

特に新型iPhoneが登場した直後は、それに対応する周辺機器やアクセサリーの数も少ないほか、価格も割高になりがちです。そのため、新型iPhoneが登場したとしてもしばらく様子を見て、USBケーブルや充電器などが手に入りやすい環境になってから購入に踏み切るというのもひとつの方法かもしれません。

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