iPhoneの優れたプライバシー機能!iOS14.5からの変更点も解説
iPhoneにはさまざまなプライバシー機能が搭載されており、個人情報が厳格に守られています。しかし、具体的にどのようなプライバシー機能があるのか、詳細までは分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、iPhoneの主要アプリごとのプライバシー機能を紹介します。特に、仕事でiPhoneを利用している方はもちろんですが、プライベートの情報をしっかりと守りたい方も、最後までお読みいただき参考にしてみてください。
アプリごとのプライバシー機能
ここから何気なく普段使っているiPhoneのアプリのプライバシー機能を順番に紹介していきます。
Safari
iPhone標準ブラウザのSafariです。Webブラウザでさまざまなサイトを閲覧していると、過去に閲覧したページに関連する商品やサービスが広告として表示された経験はないでしょうか。たとえば、不動産情報サイトで東京都内の賃貸物件を探していた場合、不動産サイトとは関連のないページを閲覧しているにもかかわらず、広告として賃貸物件の情報が表示される、などのケースが分かりやすいでしょう。
実は、このような広告を「追跡型広告」とよび、アクセス履歴や検索履歴をもとに関連性の高いと思われる広告を自動的に表示する仕組みとなっています。一見、さまざまな情報が得られるためメリットがあるように思われますが、「監視されているようで気持ち悪い」と感じるユーザーも少なくありません。
そこで、iPhoneの標準ブラウザであるSafariには、このような追跡型広告をブロックする「インテリジェント・トラッキング防止機能」が搭載されています。
マップ
iPhoneに搭載されている標準の「マップ」アプリでは、経路検索の履歴や訪問した場所の情報などをAppleIDに紐付けることはなく、iPhoneのハードウェア内に一時的に保存される仕組みとなっています。
これにより、万が一何らかの理由によってApple IDが漏洩したり、不正アクセスの被害に遭ったりしても、ユーザーの行動履歴が他の端末で閲覧できるといった心配がありません。
写真
iPhoneで撮影した写真は「写真」アプリ内に保存され、iCloudで他のデバイスと共有できます。しかし、他社のアプリが写真アプリへのアクセスを要求した場合、必ずiPhone上にアラートが表示されるようになっています。そのため、たとえば「知らないうちにSNSへ写真アプリ内のデータが勝手にアップロードされていた」「第三者に写真が送信されていた」など、プライバシーに関する情報が漏洩するリスクはありません。
ちなみに、iPhoneの写真アプリを開くと、人物や撮影場所、撮影日時ごとにフォルダが整理されていますが、これらは全てiPhoneのデバイス上で処理されています。そのため、膨大な写真の管理や編集作業時にも、第三者に情報が漏洩する心配がありません。
メッセージ
iPhoneでのコミュニケーション手段といえばLINEが定番化していますが、実は標準アプリの「メッセージ」には優れたプライバシー保護の機能が搭載されています。
iMessageとしてやり取りする際のテキストや写真、ビデオチャットなどは、全て暗号化された状態でやり取りされます。そのため、第三者がメッセージの内容を傍受したり、不正に取得されたりといったリスクは極めて低いのです。
また、写真を友人や知人、同僚などに共有できる機能もiPhoneには搭載されていますが、これらの処理もiPhoneのデバイス内で行われています。
Siri
音声認識技術がベースとなっているSiriは、多くのユーザーとの会話データを機械学習およびディープラーニングによって学習していきます。しかし、このとき、自分のデータが勝手にアップロードされ、プライベートな情報が第三者に漏洩しているのではないかと心配する方も多いことでしょう。
Siriで得たユーザーの情報は、Apple IDと紐付けられることはなく、ランダムな識別子が当てられます。そのため、Siriに質問した内容や、Siriとの会話内容が個人情報と紐付けられ、ユーザーを特定し悪用されるリスクは極めて低いのです。
当然のことながら、Siriで得たあらゆる情報は、Siriの機能を改善する目的でのみ使用されます。
Wallet
iPhoneのWalletアプリでは、Apple Payとしてクレジットカードやプリペイドカードなどの情報を登録でき、iPhone1台でショッピングや交通機関での移動ができます。
Walletにクレジットカードやプリペイドカード情報を保存する場合、その情報がAppleや加盟店にわたることはありません。
すなわち、クレジットカード情報やユーザーのショッピング履歴、決済情報などはiPhone本体に保存されており、Appleや加盟店は一切の情報を把握することはありません。個人情報の中でも特にセンシティブなクレジットカード情報や決済情報は、iPhoneの厳重な管理によって守られているのです。
ヘルスケア
ヘルスケアアプリに記録できる情報は、ユーザーの健康に関する極めて重大な個人情報です。そのため、これらの情報はiPhoneに保存する際、全て暗号化されており、iPhone本体のロックを解除しない限りは情報にアクセスできないようになっています。
ヘルスケアアプリの情報にアクセスする際には、パスコードやFace ID、またはTouch IDによる本人確認が必須となります。
その他のサードパーティ製アプリ
iPhoneのプライバシー機能の中で、iOS14.5から大幅に変更となったのがサードパーティ製アプリにおけるユーザー情報へのアクセスです。
たとえば、アプリによっては位置情報を取得しなければならないものもあります。従来のアプリでは、設定アプリから個別に位置情報へのアクセスをON/OFFに設定することもできましたが、今回のアップデートからはアプリを立ち上げた際にウィンドウが立ち上がり、ユーザーに対して直接確認し許可を得るような仕様へ変更されています。
Appleは全てのアプリ開発元に対して、このようなトラッキングの許可をユーザーに求めるようガイドラインを設定しており、これに違反しているとApp Storeでのアプリ販売ができません。
ちなみに、iPhoneに登録されているApple IDが18歳未満の子供の場合、アプリトラッキングの設定は無効となり、すべてデフォルトで却下されるようになっています。
万全のプライバシー保護機能が搭載されているiPhone
今回紹介してきたように、iPhoneにはさまざまなプライバシー保護の機能が搭載されており、誰もが安心して利用できるよう配慮されています。製品やサービスの特長として「セキュリティ対策は万全です」とアピールしていても、ユーザーの立場からすると、本当に安全といえるのか不安に感じてしまうものです。
Appleではプライバシー保護に関する取り組みに特に力を入れており、過去にはiPhoneのセキュリティ対策に特化したCMなども制作され話題を呼びました。スマートフォンの購入を検討する際には、情報セキュリティやプライバシー保護機能についても比較しながら検討してみてはいかがでしょうか。