iPhone向けChatGPTアプリが正式リリース!特徴や基本的な使い方を紹介
まるで人間と会話をしているかのように、高度なコミュニケーションを実現したAIアシスタント「ChatGPT」が話題を集めています。これまでChatGPTはWebサイトへアクセスし、ブラウザ上で操作しなければなりませんでした。しかし、2023年5月からOpenAI公式のChatGPTアプリがリリースされ、iPhone専用のアプリとして利用できるようになりました。
本記事では、ChatGPTがアプリになったことで何が変わったのか、特徴や基本的な使い方を詳しく解説します。
目次
ChatGPTとは
ニュースなどで「ChatGPT」というワードを耳にすることが多くなりましたが、詳しい内容までは把握できていないという方も多いでしょう。そこで、あらためてChatGPTとは何か、詳しく解説します。
ChatGPTは米国のAIスタートアップ企業であるOpenAIが開発したAIアシスタントです。人間のような対話を行うことができるのが特徴で、質問や文脈に基づいて適切な回答を生成できます。たとえば、iPhoneの使い方や活用方法などのように、一般的な質問への回答や情報の説明なども可能です。また、特定のウェブサイトのURLをもとに記事を要約したり、クリエイティブな文章の生成なども得意としています。
ただし、ChatGPTが学習している内容は2021年9月までのものであり、それ以降の出来事や最新の情報については把握していません。そのため、たとえば「明日の天気は?」、「今日のニュースは?」といったようなリアルタイム性が求められる情報は回答できないのです。
また、ChatGPTは学習データから得た情報を元に回答を生成していますが、ときには誤った回答をすることがあり、正確性や信頼性が完全に担保されていません。そのため、ChatGPTの回答を完全に信頼するのではなく、一次情報や信頼できるソースで内容を確認しておくことが大切です。
- 米国のAIスタートアップ企業OpenAIが開発したAIアシスタント
- 学習している内容は2021年9月までのもの
- 回答の中には間違っているものもあり、正確性や信頼性が完全ではない。
iPhone向けChatGPTアプリがリリース
これまでChatGPTは、Webサイトへアクセスしブラウザ上で利用する必要がありました。PCはもちろんのこと、iPhoneやiPadでもブラウザからアクセスすればChatGPTは利用できていましたが、ブラウザを立ち上げてブックマークから選択したり、ショートカットを作成したりといった手間がかかっていました。
しかし、2023年5月18日、米国でiPhone向けChatGPTアプリがリリースされ、その後5月26日には日本でもダウンロードが可能になりました。このことにより、これまで以上に手軽にChatGPTが利用できるようになったのです。また、従来のブラウザで利用するChatGPTにはない機能も追加されており、これによって多くのユーザーが日常的にAIを活用できるようになると期待されています。
2023年5月ChatGPTアプリがリリース。新機能も追加され、より手軽で便利なツールに。
iPhone向けChatGPTアプリの特徴
iPhone向けChatGPTアプリには、従来のブラウザ版にはない新たな機能が追加されたと紹介しましたが、それは具体的にどういった機能なのでしょうか。また、iPhone向けアプリならではの特徴についても詳しく解説します。
音声認識に対応
iPhone向けChatGPTアプリの最大の特徴は、音声認識に対応している点です。これまでのChatGPTは、ブラウザ上に表示されたMessage欄にキーボードでテキストを打ち込む必要がありました。
しかし、iPhone向けアプリでは音声認識によって質問文を作成でき、キーボードを打つことなく誰でも簡単に質問を投げかけることができます。片手が塞がりうまくキーボードを打てないときや、長文の質問でキーボード操作が面倒に感じるときなどに重宝するでしょう。
チャット履歴の共有が可能
ChatGPTは過去にAIや質問した内容とその回答が自動的に保存され、いつでも見返せるようになっています。iPhone向けChatGPTアプリも同様で、アカウントでログインすればブラウザ版で作成したAIチャットのスレッドが共有されます。
これを活用すれば、たとえば通勤電車の中や出張先への移動中に企画のアイデアをChatGPTに出してもらい、PCを開いたときに内容を整理しながらアイデアの詳細を詰めていくといった業務効率化も可能です。
GPT-4の利用も可能
ChatGPTにはGPT-3.5とよばれるバージョンと、GPT-4という最新バージョンが存在します。iPhone向けアプリでも、有料プランである「ChatGPT Plus」へ加入していれば最新のGPT-4を利用できます。なお、GPT-3.5とGPT-4の違いについては、次の章で詳しく解説しますので参考にしてみてください。
- 音声認識によって質問文を作成できる。
- 同一アカウントであれば、ブラウザ版で作成したAIチャットのスレッドも確認できる。
- 現在有料プラン「ChatGPT Plus」で公開されている「GPT-4」を利用できる。
GPT-3.5とGPT-4の違い
GPT-3.5とGPT-4にはさまざまな違いがあり、性能や利用できる機能が異なります。
GPT-3.5とGPT-4の比較表
バージョン | パラメータ | 解析可能なソース | 解析可能な文字数 |
---|---|---|---|
GPT-3.5 | 1.75兆個 | テキストのみ | 5,000字 |
GPT-4 | 100兆個 | テキスト・画像・音声 | 25,000字 |
パラメータの違い
そもそもAIは人間が知識を身につけるように機械学習を繰り返していきます。このとき、学習によって得られるデータや値のことをパラメータとよびますが、GPT-3.5のパラメータは1.75兆個であるのに対し、GPT-4は100兆個ものパラメータを有しています。
そのため、GPT-3.5よりもGPT-4のほうがより多くの学習データに基づき精度の高い回答を得られることを意味するのです。
対応可能なソースの違い
GPT-3.5の場合、質問は必ずテキストとして投げかける必要があります。これに対しGPT-4は、テキストのほか画像にも対応しており、画像解析も可能です。また、回答を生成するテキストの量にも違いがあり、GPT-3.5では最大5,000字であったのがGPT-4では25,000字まで対応可能になりました。
有料プラン「ChatGPT Plus」には加入すべき?
ChatGPTは無料で手軽にAIを利用できますが、その一方で使えば使うほど弱点や課題を発見し、不便に感じることも少なくありません。そこで気になるのが、OpenAIが提供しているのが有料プランである「ChatGPT Plus」です。
「ChatGPT Plus」とは
「ChatGPT Plus」とは、月額20ドル(約2,800円)の有料プランであり、無料プランと比較した場合に以下のようなメリットがあります。
最新技術やサービスを先行して利用できる
「ChatGPT Plus」のもっとも大きな特徴は、最新技術やサービスを先行して利用できる点です。GPT-4に対応しているのはその典型であり、今後もさまざまな機能が「ChatGPT Plus」ユーザー限定で先行的に公開される可能性は十分高いでしょう。
回答速度の向上
無料プランのユーザーの場合、特に多くのユーザーがアクセスする時間帯にサーバーに負荷がかかり、回答に時間を要することがあります。しかし、「ChatGPT Plus」へ加入することにより、アクセスが集中する時間帯であってもサーバーへ優先的にアクセスでき、回答が遅くストレスに感じることが少なくなります。
「ChatGPT Plus」への加入がおすすめな人
有料プランである「ChatGPT Plus」はさまざまなメリットがある一方で、月額約2,800円というのは負担が大きいと感じる方も多いでしょう。メリットを最大化するためにもどのような方が加入すべきなのか、2つのケースに分けて紹介しましょう。
ChatGPTをビジネスに活用したい方
「ChatGPT Plus」は、ChatGPTを利用する頻度が特に高い人におすすめです。たとえば、取引先や顧客に送付するメールや案内状などの文面を生成し、業務効率化に役立てたい方や、新しい事業の企画やアイデア出しのために情報を収集したい方、さらにはWebサイトや簡単なシステム構築のコーディングを効率化したい方などに適しているでしょう。
無料プランでもある程度の業務は効率化できますが、時間帯によってはレスポンスが低下しストレスを感じることもあるでしょう。また、GPT-3.5では情報の正確性や信頼性に乏しく、誤った情報を記載してしまうおそれもあります。GPT-4が利用できる「ChatGPT Plus」であれば、これまで以上に仕事の生産性を向上させることができるでしょう。
AIに関する知見や活用法を見出しスキルアップに役立てたい方
「ChatGPT Plus」は最新の技術やサービスをいち早く利用できるというメリットもあります。現時点ではGPT-4に対応していますが、将来的に新たなバージョンが公開されたり、新機能が追加されたりしたときに即座にサービスを利用できる可能性があります。変化のスピードが速いAIの分野で、新たな活用法や知見を見出しスキルアップに役立てられる可能性もあるでしょう。
iPhone向けChatGPTアプリの使い方
5月26日に日本でもリリースされたiPhone向けChatGPTアプリですが、初めて使う方のなかには使い方がよく分からない、どう始めたら良いのか分からないという方も多いでしょう。そこで、基本的な使い方や設定方法などを解説します。
1.iPhone向けChatGPTアプリをダウンロード・インストール
はじめに、AppStoreからiPhone向けChatGPTアプリをダウンロードし本体へインストールします。AppStoreで「ChatGPT」と検索すると複数のアプリがヒットしますが、提供元が「OpenAI」のアプリを選択してください。もし見つからない場合には、以下のリンクから直接アクセスしても問題ありません。
App Store公式サイト:ChatGPT
2.ログインまたは新規サインアップ
アプリを開くと、サインインの画面が表示されます。これまでブラウザ版のChatGPTを利用してきた方は、「Log in」を選択のうえ作成したアカウントでログインが可能です。もしアカウントを持っていない場合には、以下の3つから選択し、必要な情報を入力してアカウントを作成してください。
- Continue with Apple
- Continue with Google
- Sign up with email
「Continue with Apple」、および「Continue with Google」を選択すると、Apple IDまたはGoogleアカウントに登録されている情報が自動的に入力されます。
3.「Message」欄に質問を入力
既存のアカウントまたは新規サインアップでログインができたら、ChatGPTが利用できる状態になります。画面の下部に「Message」という欄が表示されるため、そこに質問を入力するとAIが回答してくれます。
ちなみに、「iPhone向けChatGPTアプリの特徴」のなかで音声認識にも対応していると紹介しましたが、音声で質問を入力する場合には「Message」欄の右側にある複数の縦線が表示されたアイコンをタップすることでマイクが起動し、音声入力が可能となります。質問内容を言葉で伝えたら、最後に停止のアイコンをタップするとテキストに変換・表示されるため、もし内容に誤りがあればテキストを修正してください。
4.チャット履歴の確認方法
iPhone向けChatGPTアプリのもう一つの特徴として、チャット履歴を確認・共有できることを紹介しました。チャット履歴を確認する際には、アプリ起動後の画面右上「・・・」のアイコンをタップし、「History」を選択します。
- AppStoreからiPhone向けChatGPTアプリをダウンロードし本体へインストール
- ログインまたは新規サインアップ
- 「Message」欄に質問を入力
- 「・・・」のアイコンをタップし、「History」でチャット履歴を確認
信頼性の高いAIチャットアプリを選ぼう
AppStoreを見るとさまざまなAIチャットアプリが公開されており、どれを選べば良いか分からないという方も少なくありません。また、これまでChatGPTのiPhoneアプリが存在していなかったことを知らずに、他社製のAIチャットアプリを利用していたという方もいるのではないでしょうか。
一口にAIチャットアプリといっても回答の精度やレスポンスは千差万別で、期待にそぐわなかったと感じる方もいるでしょう。そのような苦い経験をお持ちの方にこそ、今回リリースされたChatGPTのアプリはおすすめです。まずは無料プランでお試しいただき、用途やニーズに応じて有料プランへのアップグレードも検討してみてはいかがでしょうか。