今話題の「Chat GPT」って何?iPhoneでの使い方や活用するうえでの注意点とは
2022年末以降、SNSを中心に「Chat GPT」とよばれるサービスの注目度が高まっています。実際にChat GPTを利用したユーザーの投稿を見てみると、AIによって文章を自動生成できるツールであることが分かりますが、具体的にどういったサービスなのか、どのような用途に活用できるのか詳しく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Chat GPTとは何かを紹介すると同時に、なぜこれほどまでに話題を集めているのか、iPhoneでも利用できるのか詳しく解説しましょう。
目次
Chat GPTとは
そもそもChat GPTとは、AI(人工知能)を活用したチャットボットのサービスです。米国のAIスタートアップ企業であるOPEN AI社が開発したことで知られており、2022年11月から正式にサービスインしました。
Chat GPTはマイクロソフトの公式ブラウザである「Edge」に搭載されたことでも話題になり、続々とユーザー数を拡大しています。
「AIを搭載したチャットボット」と聞いても、いまいち具体的なイメージが湧いてこない方も多いと思います。より噛み砕いて表現すると、人間のように対話が可能なコンピュータ・プログラムのこと。たとえば、「最新型iPhoneの価格を調べたい」と考えたとき、多くの方はブラウザを立ち上げ、検索窓に「iPhone 価格」といったキーワードを入力し、検索でヒットしたWebサイトにアクセスするでしょう。
しかし、チャットボットを活用すれば、「iPhoneの価格は?」と入力するだけで、正確な情報を瞬時に返してくれるのです。これにより、複数のWebサイトにアクセスして自分がほしい情報を吟味する手間が省けるメリットがあります。
なお、米国生まれのChat GPTですが、英語はもちろん日本語にも対応しています。一般的なシステムやアプリケーションのように設定メニューから言語を選択する必要はなく、チャットの入力画面において日本語で質問を投げかけると日本語で返してくれます。
Chat GPTが話題を集めている理由
さまざまなチャットボットが存在するにもかかわらず、なぜこれほどまでにChat GPTは注目されるようになったのでしょうか。
チャットボットといえば、企業のコールセンターの代替やスマホ用アプリとしての用途が一般的で、従来は簡単な質問に対して回答するものがほとんどでした。たとえば、「◯◯という商品の価格は?」と質問を投げかけたときに「◯◯円です」といった返答をするなど、チャットボットでは短文での質問と回答がメインだったのです。
しかし、Chat GPTは人間と会話しているような自然なやり取りが可能で、従来のチャットボットでは返答が難しい内容でも臨機応変に対応してくれ、精度も高いことから一躍注目を浴びるようになったのです。
たとえば、「夏をテーマにした詩を書いて」、「◯◯という病気の最適な治療法と予防法は何?」といったような内容でも、人間が作ったような自然な文章で回答してくれます。
単に情報を検索するためのツールとしてではなく、私たち人間でなければ作ることができなかったクリエイティブな仕事・作業までも、Chat GPTがあれば実現できるようになると期待されているのです。
Chat GPTで使えるデバイス
Chat GPTはWebサービスとして提供されており、特別なソフトウェアやアプリケーションをインストールしなくても、Webブラウザ上から簡単に利用できます。そのため、PCはもちろん、iPhoneやiPad、Androidスマートフォンまで、ブラウザでWebサイトが閲覧できる端末であればOSに関係なく利用できます。
ちなみに、AppStoreやGoogle Play Storeで「Chat GPT」と検索すると、さまざまなアプリケーションがヒットすることがあります。しかし、OPEN AI社ではChat GPTのアプリ版をリリースしていないため、これらはいずれも本物ではないため注意が必要です。
Chat GPTの料金・使い方
では、実際にChat GPTを使うためには、どういった手順で進めていけばよいのでしょうか。気になる料金の仕組みもあわせて紹介します。
Chat GPTの料金
2023年3月17日現在、Chat GPTは誰でも無料で利用できます。一方で、2023年2月1日からOPEN AI社は有料のサブスクリプション版もリリースしました。サブスクリプション版は月額料金は20ドル(日本円で約2,600円程度)となっています。
無料版もサブスクリプション版も基本的な機能は一緒ですが、サブスクリプション版の場合は同時に複数のユーザーからアクセスが集中した場合でも、レスポンスが遅くなりづらくストレスなく利用できるメリットがあります。
また、今後さまざまな新機能がリリースされるたびに、優先的にそれらを使えるようにもなります。
上記はあくまでも2023年3月時点での内容のため、今後サービス規約の変更やOPEN AI社の方針変更にともない、条件が大幅に変わる可能性も否定できません。
Chat GPTの使い方
Chat GPTを利用するための準備はとても簡単で、以下の手順に沿って進めていきます。
- OPEN AI社のWebサイトへアクセス
- 「TRY CHATGPT」をタップ
- 「Sign up」をタップ
- メールアドレスを入力し「Continue」をタップ
- 任意のパスワードを入力「Continue」をタップ
- メールアドレス宛てに届いたメール内「Verify email address」をタップ
- ユーザー名・電話番号などを入力
上記の手順を完了するとログインが可能となり、Chat GPTのダッシュボード画面が表示されます。ページ下部にあるコメント欄に質問したい項目を入力することで、Chat GPTが返答してくれます。
- アカウントを作れば無料で利用可能
- 月額20ドルのサブスクリプションがある
- アプリはリリースしていない
Chat GPTの主な用途・活用アイデア
Chat GPTはどういった用途に活用できるのでしょうか。いくつか代表的な用途や活用アイデアを紹介しましょう。
文章作成
Chat GPTがもっとも得意としているものは文章作成です。たとえば、ブログを運営している方であれば、新商品を紹介する記事を瞬時に作成できるほか、作成した文章に不自然な言い回しがないかを校正することもできます。
「◯◯という新商品の特徴を教えて」と質問を投げかけると、瞬時に数百文字程度の文章が生成されるため、構成した見出しの内容に合わせてChat GPTに文章作成をお願いすることもできるでしょう。
メールの作成
取引先や顧客に対してメールを送る場合、相手に失礼のないような挨拶文や言い回しを考えるのは意外と難しいものです。伝えたい内容は決まっているのに、メールの文面を考えるために多くの時間を要しているという方も多いのではないでしょうか。
そこで、Chat GPTに「取引先へ送るメールの文面を考えて」と入力すれば、件名および本文の一例を瞬時に生成してくれます。もちろん、宛先である担当者の氏名や取引内容に応じて文面の微調整は必要ですが、一から文面を考えるよりも大幅に時間を短縮でき、業務効率化が図れるでしょう。
キャッチコピーの作成
新商品・新サービスの開発にあたって、ユーザーの購買意欲を刺激するようなキャッチコピーを考える必要があります。また、文化祭やスポーツ大会、芸術祭など、さまざまなイベントにおいてもキャッチコピーを考案しなければなりません。
Chat GPTでは、「◯◯のキャッチコピーを考えて」と入力すると、数個の候補を考案してくれます。抽象的な表現のキャッチコピーもまだまだ多いですが、そこからさまざまなインスピレーションが湧いてくることも多く、ヒントとして活かせるかもしれません。
歌詞の作成
趣味で音楽活動をしている方は、オリジナルで作詞・作曲をすることも多いでしょう。たとえば、Chat GPTに「冬にぴったりの歌詞を書いて」と入力すると、サビや展開部分なども含めたフルコーラス分の歌詞を瞬時に生成してくれます。
キャッチコピーと同様、人によってはありきたりな歌詞と感じられるかもしれませんが、これをベースにオリジナルの歌詞へとブラッシュアップしていくヒントにすることもできるでしょう。
献立の作成
朝食から夕食までの食事のメニューを毎日考えるのは意外と大変な作業です。そこで、Chat GPTに「今日の献立を考えて」と入力すると、朝食・昼食・夕食の献立を提案してくれます。栄養バランスが考えられているほか、食材を無駄にしない工夫もされています。
また、冷蔵庫に余った食材があれば、「◯◯を使った献立を考えて」、「◯◯と◯◯を使ったレシピを教えて」と質問をすれば、最適な一品を提案してくれます。
- 見出しの内容に合わせた文章やメールの作成
- イメージに合わせた物語や詩の作成
- 栄養バランスが良い献立などを提案
Chat GPTを利用するうえでの注意点
Chat GPTはブログ記事の作成からキャッチコピー・歌詞の作成、献立やレシピの提案などさまざまな用途に活用でき、これまで私たちが行ってきた情報検索やクリエイティブな作業の負荷を大幅に低減してくれる可能性があります。
しかし、Chat GPTを活用するうえではメリットばかりではなく、デメリットや注意しておくべきポイントがあることも事実。どういった点に注意が必要なのか、詳しく解説しましょう。
誤った情報の文章が生成されるおそれがある
Chat GPTは膨大なテキストデータをもとに自然言語処理による文章作成を行う仕組みとなっています。しかし、生成された文章の内容が必ずしも正しいとはいえず、ときには誤った情報をもとに文章が生成されてしまうことが報告されています。
今後、さらにユーザー数が増えて機械学習の精度が向上すれば、このような誤情報をもとに文章が生成されるリスクも減っていくと考えられますが、Chat GPTの文章を鵜呑みにすることなく、それが本当に正しいのかファクトチェックをする癖をつけることが大切です。
セキュリティ上の懸念
Chat GPTはインターネットが利用できる環境であれば簡単に利用でき、自前でサーバーをたてたりシステムを組んだりする必要がありません。いわばクラウド上にAIがあり、オンライン経由でさまざまな処理が行われていることになります。
これは便利なように思えて、一方で危険な側面もあります。たとえばOPEN AI社がサイバー攻撃の被害にあった場合、Chat GPTで蓄積されてきたデータが外部に漏えいするリスクも否定できません。そのため、Chat GPTを利用する際には、個人情報をはじめとした重要な情報・データは入力しないことが大切です。
フェイクニュースの生成
Chat GPTを利用するユーザーだけでなく、今後インターネットを利用するすべてのユーザーが注意すべきこととして、フェイクニュースの生成があります。Chat GPTを悪用すれば、誤った情報をもとにフェイクニュースを瞬時に量産することも可能になります。
SNSや掲示板、個人ブログ、その他Webサイトに掲載されている情報が本当のものか、これまで以上に注意深く吟味しなければなりません。
- 誤った情報をもとに文章が生成されてしまう
- OPEN AI社がサイバー攻撃を受けると個人情報が漏えいする可能性
- フェイクニュースが瞬時に量産される
Chat GPTで激変するインターネットの世界
Chat GPTは、AIによって文章を瞬時に生成できるツールですが、これは私たちにとって今後さらに大きな衝撃をもたらす可能性を秘めています。検索サイトでキワードを入力し複数のWebサイトを閲覧しなくても、Chat GPTに質問を入力すれば瞬時に欲しい情報が手に入ることになります。
これは一見すると便利なもののように思えますが、使い方次第ではさまざまな用途に悪用でき、社会問題に発展するリスクも秘めているのです。
すでにChat GPTが手放せなくなったというiPhoneユーザーも増えていますが、今回紹介したリスクも十分理解し正しい使い方を身につけることが大切です。
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