iPhoneの背面ガラスは修理できる?割れたまま放置すると危険な理由
この記事をご覧の方の中には、「iPhoneの背面ガラスが割れたまま使用している」という方もいるのではないのでしょうか?近年では画面割れに次ぎ、背面ガラス割れが急増しています。
背面ガラスの破損は、iPhoneの操作に直接支障をきたさない点やカバーで隠してしまうと気にならないことから、修理せずに使い続ける方は多いようです。
しかし、背面ガラス割れは放置すると非常に危険です。そこで今回は、iPhoneの背面ガラス割れの危険性や割れてしまった場合の修理方法をご紹介します。
目次
いつから背面ガラスになった?
「昔のiPhoneでは背面が割れることはなかった」と思っている方もいるでしょう。iPhone7まではアルミフレームが採用されており、背面パネルが割れることはありませんでした。
しかし、ワイヤレス充電の機能を取り入れるために、2017年以降に発売されたiPhoneは全て背面パネルがガラスになっています。
- iPhone 8、8Plus
- iPhone SE 第2世代 、第3世代
- iPhone X、XR、XS、XS Max
- iPhone 11、11Pro、11Pro Max
- iPhone 12、12mini、12Pro、12Pro Max
- iPhone 13、13mini、13Pro、13Pro Max
- iPhone 14、14Plus、14Pro、14Pro Max
背面ガラス割れが増えた理由
ディスプレイガラスはiPhoneが発売されるたびに強度が上がり、割れにくくなっています。iPhone12以降ではディスプレイガラスにセラミック・シールドが採用され、ディスプレイガラスの破損率がかなり下がりました。背面ガラスはiPhoneが発売されるたびに強度は増しているものの、構造上の理由から、セラミック・シールドが採用されていません。
そのため、iPhone12以降の機種では「液晶画面は割れなかったが、背面ガラスが割れてしまった」といった例が多いようです。このようにディスプレイガラスよりも背面ガラスが割れる確率が高くなってしまったため、相対的に背面ガラス割れが増加したのです。
背面ガラス割れを放置することのリスク
背面ガラスが割れてしまっても、画面の操作や通話機能に影響しないことが多く、割れたまま放置する方が多いです。しかし、背面ガラスを割れたまま放置することは非常に危険です。
ここからは、背面ガラス割れを放置することによる危険性を解説していきます。
防水・防塵性能の低下
背面ガラス割れの放置による一番の危険性は防水・防塵性能の低下です。iPhone8以降の機種は優れた防水・防塵性能を持っています。しかし、背面ガラスが割れてしまっていると、ガラスの割れた隙間から液体や埃が入り込んでしまいます。侵入した液体や埃が、基板と干渉して重度の故障につながる恐れがあります。
本体強度の低下
ガラスは特性上ひびが入ると強度が大幅に低下します。その為、iPhone本体の強度も低下して変形を起こしやすくなります。フレームの湾曲などの本体の変形は、充電不良や基板故障、液晶不良など様々な症状を引き起こすため、早急な修理が必要となります。
ガラスの破片によるケガ
背面ガラスは、破損状態や破損個所によって簡単にガラス片が外れてしまいます。気づかないうちに落とした、ガラス片を踏んでしまうなどケガをしてしまうことが考えられます。小さなお子様がいる方やペットを飼っている方は、大きなケガになってしまう可能性があるため早急な対処が必要です。
背面ガラス割れは修理できるのか?
背面ガラスが割れは修理することが可能です。背面ガラスの修理は難易度が高いため、決して自分自身では修理をせず、プロに依頼しましょう。修理を依頼する場所により特徴が異なりますので、以下2点での修理の違いを解説していきます。
- 正規サービスプロバイダ
- 民間の修理業者
それでは詳しく見ていきましょう。
正規サービスプロバイダ
正規サービスプロバイダとは、Appleから認可を受けている修理事業者を指します。正規サービスプロバイダでは、Appleのトレーニングを受けた技術者が、Appleの純正部品を使用して修理をしてくれます。Appleの保証サービスにも対応しており、AppleCare+加入者であれば補償を使って修理することができます。
背面ガラス割れ修理はiPhone12以降の機種のみ個別で修理対応しており、その他の機種については「その他破損」扱いとなり本体交換修理となります。
価格は以下の通りです。
「背面ガラスの損傷」の修理価格
機種 | 保証外修理 | AppleCare+加入者 |
---|---|---|
iPhone 14Pro Max | 82,800円 | 3,700円 |
iPhone 14Pro、13Pro Max、12Pro Max | 75,800円 | |
iPhone 13Pro、12Pro | 67,800円 | |
iPhone 13、12 | 53,800円 | |
iPhone 13 mini、12 mini | 44,800円 | |
iPhone 14Plus | 29,800円 | |
iPhone 14 | 25,900円 |
「その他の損傷」の修理価格
機種 | 保証外修理 | AppleCare+加入者 |
---|---|---|
iPhone 11Pro Max、XS Max | 92,400円 | 12,900円 |
iPhone 11Pro、X、XS | 83,800円 | |
iPhone 11、XR、8Plus | 59,400円 | |
iPhone 8 | 48,200円 | |
iPhone SE(第3世代) | 44,000円 | |
iPhone SE(第2世代) | 37,400円 |
AppleCare+加入者であれば3,700円または12,900円で修理することが可能です。しかし、未加入の場合は、一番安い価格のiPhone 14でも25,900円、iPhone 11Pro Max、XS Maxだと92,400円と大変高額な修理となります。
また、正規サービスプロバイダに修理を出す場合は、以下の流れが必要です。
- 近隣の店舗に来店予約
- iPhoneの「探す」をオフに設定
- データをバックアップ
- 来店して修理受付
- 修理完了
- データをバックアップから復元
正規サービスプロバイダの修理では、一度データが削除されるため修理完了後にバックアップからデータの復元が必要となります。
民間の修理事業者
民間の修理事業者は、Appleの認可を受けていない修理店を指します。近年では店舗数も増えて、その認知度も上がり多くの方が利用しています。民間の修理事業者でも背面ガラスの修理が可能です。しかし、修理難易度の高さや商標上の問題で修理受付を行っている店舗は、ごく僅かです。
背面ガラスの修理価格は10,000円~30,000円が費用相場となっています。店舗によっては即日での修理が可能な店舗もあります。また、データの削除が必要ないため、修理後にすぐ使用できるため正規サービスプロバイダに比べ手間がかかりません。
民間の修理事業者では、純正部品での修理ができないため、リンゴマークが刻印されていないガラスでの修理となるので認識しておきましょう。また、Apple Care+など、正規の保証は使えません。
正規と非正規でのメリット・デメリットを比較
前述した様にAppleCare+加入者であれば、正規サービスプロバイダでも安く修理することが出来ます。しかし、AppleCare+の加入には費用がかかるため、未加入の方は非常に多いです。
それでは、AppleCare+未加入の場合は、正規サービスプロバイダと民間の修理事業者どちらを利用するのが良いのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを比較していきましょう。
正規サービスプロバイダ | 民間の修理事業者 | |
---|---|---|
データ | 修理後にバックアップからの復元が必要 | データそのままでの修理が可能 |
AppleCare | 使用可能 | 使用不可 |
修理パーツ | 純正品 (リンゴマークあり) |
互換品 (リンゴマークなし) |
修理費用 (保証無し) |
25,900円~92,400円 | 10,000円~30,000円 |
その他 | 混雑していて予約が取りにくい iPhone11以前の機種は本体交換修理になる |
修理後は下取りサービスやAppleCareが使用不可 |
民間の修理事業者ではリンゴマークの無い修理パーツとなってしまうものの、修理費用が安く、機種によっては5~6万円も変わってくるのでその差は大きいです。しかし、機種変更などの際に「下取りサービス」は、利用できなくなってしまいます。
端末の状態によりますが、iPhone12以降の場合、「下取り価格-修理費用」を考えると、正規サービスプロバイダと民間の修理事業者で修理価格の差はさほど変わりません。しかし、民間の修理事業者で修理した端末であっても、オークションやフリマサイトを利用して売ることはできるので、民間の修理事業者のほうが安いと言えるでしょう。
このように、それぞれメリット・デメリットが異なるため、自身のこだわりや状況に応じて修理依頼先を決めると良いでしょう。
修理依頼先 | こんな人におすすめ |
---|---|
正規サービスプロバイダ | AppleCare+に加入済み 純正品にこだわりがある |
民間の修理事業者 | 修理費用を安くしたい(保証未加入) データのバックアップが面倒・不安 一刻も早く修理がしたい |
自身の状況に合わせて修理しよう
背面ガラス割れの放置は、変形や水没による故障につながるので放置するのは厳禁です。背面ガラス割れの修理は、難易度が高いので間違ってもご自身で修理をしようと思ってはいけません。修理に出す際は、保証の有無やメリット・デメリットしっかり確認してご自身あった修理方法を選びましょう。