海外旅行を検討中の方必見!渡航先でiPhoneを安全に使用するためのポイント
コロナ禍が徐々に落ち着き、我慢していた旅行や観光に出かけようと考えている方も多いのではないでしょうか。
日本では全国旅行支援がスタートしたこともあり、お得なキャンペーンを利用して観光地を訪問する人が増えています。お手軽に国内旅行も良いですが、せっかく旅行に行くのであれば長期休暇を取得して思い切って海外旅行も楽しんでみたいものです。
しかし、しばらく海外旅行から遠ざかっていた方のなかには、海外渡航時にスマートフォンをどのように設定しておけばよいのか忘れてしまった、という方もいるかもしれません。
そこで本記事では、2023年以降に海外旅行を計画している方に向けて、あらためてiPhoneの設定方法や準備しておきたいもの、渡航時に注意しておくべきポイントを解説します。
目次
海外でも手持ちのiPhoneは使える?料金の仕組みをおさらい
日本国内と海外では通信事業者が変わるため、料金の仕組みが根本的に異なります。結論からいえば、現在使用しているiPhone本体はそのまま海外に持参して使用することはできますが、適切な設定に変更しておかないと高額な料金が請求されるおそれがあります。
特に注意しておかなければならないのが、音声通話の料金です。日本国内の場合、iPhoneにかかってきた電話をとっても料金は発信者側に請求されるため、自分から発信せず着信のみであれば料金がかかることはありません。
しかし、海外の場合は、発信はもちろん、着信にも料金が発生します。通話料金は渡航先の国およびキャリアによっても異なりますが、30秒ごとに100円弱の料金が発生する場合もあります。
現在では音声通話は電話ではなく、SNSアプリなどを使用する方が多いと思いますが、この場合は音声通話ではなくデータ通信にカウントされます。データ通信の料金は契約中のキャリアによって変わるので、詳細については「大手キャリアが提供する海外向けパケット定額サービス」および「格安携帯の海外向けパケット定額サービス提供状況」の章をご覧ください。
海外でiPhoneを使用する際の注意点
料金の仕組みで紹介した通り、海外では発信だけでなく着信時にも料金が発生するため、できるだけ電話の使用は控えることが重要です。海外旅行へ出かける前には、家族や友人、知人などにSNSアプリやメールなどで連絡をくれるようにお願いしておき、電話は緊急時のみなど決めておくと良いでしょう。また、知らない番号から電話がかかってきても、むやみに出ないことも重要です。
このように、音声通話は対策次第で高額請求を防ぐことができますが、問題となるのがデータ通信です。
じつは私たちが普段使用しているiPhoneは、ユーザー自身がインターネットに接続していなくても、バックグラウンドでアプリの更新や位置情報の取得などで常にデータ通信を行っています。普段それほどインターネットを使用していないのに、料金明細を確認したらデータ通信量がGB単位で減っていた、という経験をした方も多いのではないでしょうか。これはまさにバックグラウンドで通信を行っている証拠でもあります。
日本国内にいる分には、データ通信量が増えたとしても定額料金内で請求されるため安心ですが、海外で知らないうちにデータ通信が行われると、高額請求の対象となるケースがあるのです。そのため、海外に渡航する前には必要に応じてデータ通信を制限する設定が必要です。
大手キャリアが提供する海外向けパケット定額サービス
海外旅行の際にトラブルの元となる高額なパケット通信料。大手キャリアはこのようなトラブルを未然に防ぐために海外向けのパケット定額サービスを提供しています。どのような料金体系となっているのか、それぞれのキャリア別に紹介しましょう。
パケットパック海外オプション(NTTドコモ)
NTTドコモでは「パケットパック海外オプション」という名称で海外向けのパケット定額サービスを提供しています。渡航先の国や地域によっても料金は異なりますが、たとえばアメリカ本土の場合は1時間200円のプラン、24時間980円のプランとなっています。
また、データローミングについては「利用開始」の手続きをするまでパケット料金は発生しないほか、1時間や24時間など所定の時間が経過したら自動的に通信がストップするため、高額請求となる心配がありません。
世界データ定額(KDDI)
KDDIでは「世界データ定額」という海外向けパケット定額サービスを提供しています。料金は1日あたり490円からと安価で、海外150以上の国と地域で使用できるのが魅力です。
なお、上記の料金は事前予約ありの「早割キャンペーン」適用が条件となっており、事前予約なしの通常料金は1日あたり980円です。
アメリカ放題・海外あんしん定額(ソフトバンク)
ソフトバンクでは渡航先に応じて異なるパケット定額サービスを提供しています。米国へ渡航する場合は「アメリカ放題」が適用され、データ通信はもちろん音声通話も無料で利用できます。
なお、米国以外の国、およびグアム・サイパンへ渡航する場合には「海外あんしん定額」が適用され、3GBを24時間あたり980円でデータ通信を利用できます。
【大手キャリア】各社国際ローミングのプラン
通信会社 | プラン名 | 対象地域 | 料金 |
---|---|---|---|
NTTドコモ | パケットパック海外オプション | 200以上の国と地域 | 200円/1時間~ |
KDDI | 世界データ定額 | 150以上の国と地域 | 通常980円/日 早割キャンペーン490円/日 |
ソフトバンク | アメリカ放題 | 米国 | データ通信、音声通話が無料 |
海外あんしん定額 | プランにより異なる | 980円/24時間3GB~ |
格安携帯の海外向けパケット定額サービス提供状況
大手キャリアでは従来の料金プラン以外にも、毎月数千円で利用できる格安携帯も提供しており多くのユーザーに選ばれています。しかし、格安携帯の場合には、すべてのキャリアで海外向けパケット定額サービスが提供されているとは限らず、渡航前に契約内容を確認しておく必要があります。
今回は、NTTドコモの「ahamo」、KDDIの「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」についてそれぞれ解説しましょう。
ahamo(NTTドコモ)
NTTドコモのahamoでは、追加料金なしで海外でもデータ通信が利用できます。日本国内と同様、20GBまでのデータ容量の範囲内で利用できるほか、万が一上限に達した場合でも速度制限がかかるため高額請求の心配はありません。
ただし、ahamoで利用できるのは82の国と地域に限定されており、これはドコモの通常プランと比較すると範囲が狭くなっています。また、海外で使用する場合、15日間までと制限があるため留学や中長期の渡航には不向きといえるでしょう。
povo(KDDI)
KDDIのpovoでは、2022年12月時点において海外ローミングのサービスは提供されていません。公式サイトでは今後提供予定があると案内されていますが、いつ頃からサービスがスタートするのかは現時点で不明の状況です。
そのため、povoを契約中のユーザーはKDDIの通常プランを契約するか、他キャリアのサービスまたはポケットWi-Fiを別途準備するなど、代替の通信手段を確保しておく必要があるでしょう。
LINEMO(ソフトバンク)
ソフトバンクのLINEMOは、「世界対応ケータイ」という国際ローミングを提供しています。ただし、「海外パケットし放題」というサービスに申し込んでいないと25MB以上の利用で5万円超という高額な料金請求の対象となってしまうため、渡航前には「海外パケットし放題」への加入が必須です。このサービスに申し込んでおけば、25MBを超えた場合でも1日あたり2,980円でデータ通信が使い放題となります。
【格安携帯】各社国際ローミングのプラン
携帯プラン | プラン名 | 対象地域 | 料金 | |
---|---|---|---|---|
ahamo | 通常プラン | 82の国と地域 | 国内プランから追加料金なし | |
povo | サービス提供なし | |||
LINEMO | 世界対応ケータイ | 「海外パケットし放題」の契約による |
データローミングの設定手順
海外向けのパケット定額サービスを申し込み、渡航先でインターネットに接続したい場合には、iPhoneのデータローミング設定を有効にしておく必要があります。iPhoneでの設定方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」をタップ
- 「通信のオプション」をタップ
- 「データローミング」をオン
上記でデータローミングが使用できるようになります。ただし、くれぐれも海外パケット定額サービスが適用されていることを確認してから設定を変更するようにしてください。
万が一、海外パケット定額サービスが適用されていないまま渡航先でデータ通信を行ってしまうと、高額料金が請求される可能性があります。
海外への渡航前に準備しておきたいもの
海外は日本国内と異なり、iPhoneを使用するうえでさまざまな対策や準備が必要です。忘れがちな2つのポイントを紹介しましょう。
充電器の準備
日本国内のコンセント形状と海外のコンセントの形状は異なります。たとえば、日本やアメリカ、中国、台湾などはAタイプとよばれる形状で共通していますが、ヨーロッパではCタイプ、中東ではBFタイプ、オーストラリアではOタイプとよばれる形状が主流です。
また、日本の場合は電圧が100Vに設定されていますが、その他の国では200Vを超えるところもあります。コンセントの形状が合わないと物理的に差し込むことができないほか、電圧が非対応の充電器を使用してしまうとショートし火災につながる危険もあるのです。
そのため、事前にコンセントの形状や電圧を確認し、必要に応じて変換プラグを持参するようにしましょう。日本人の渡航先として上位の国については以下の通りです。
コンセント形状と電圧
国 | コンセント形状 | 電圧 |
---|---|---|
アメリカ | Aタイプ | 110Vー120V |
ハワイ | Aタイプ/Bタイプ | 120V |
中国 | Aタイプ/Oタイプ | 220V |
韓国 | Cタイプ/SEタイプ | 220V |
ベトナム | Aタイプ/Cタイプ | 220V |
「iPhoneを探す」の設定
海外ではスリや窃盗の被害にあうリスクが高く、特にiPhoneのような貴重品はバッグやポケットに入れたままにしていると危険です。
ただ、十分に気をつけていても完全に盗難を防ぐことは難しいため、事前に「iPhoneを探す」の設定をしておくと安心でしょう。初期設定の状態ではオンになっていますが、念のため以下の手順で設定を確認しておきます。
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部に表示されているユーザー名をタップ
- 「探す」をタップ
- 「iPhoneを探す」をオン
海外旅行で安全にiPhoneを使うためにポイントを押さえておこう
今回紹介してきたように、海外で安全にiPhoneを使用するためには、最低限以下のポイントを押さえて準備しておく必要があります。
- 契約中の料金プランを確認(海外パケット定額サービスに加入済みか)
- 電話の使用は緊急時のみに限定する(発信・着信ともに)
- データローミングの設定状況を確認
- 充電器の準備と盗難対策
特に重要なのは料金プランの確認です。たとえば、渡航直前に海外パケット定額サービスに加入したとしても、適用日に間違いがあれば高額請求の対象となるリスクもあります。
また、渡航先の国や地域によっても料金やパケット定額の適用期間が異なる場合があるため、旅程と照らし合わせながら確認しておくことも重要です。
本記事では、海外へ行く際のiPhoneの設定や準備するもの、渡航時に注意しておくべきポイントについて詳しく解説しました。「安全第一!耐久性・耐衝撃性に特化したiPhoneケース5選」では、旅行中のビーチやアウトドアでも安心できる、耐久性や耐衝撃性に特化した製品を5つ紹介しています。旅行の必需品ともいえるスマートフォンを守るためにも是非ご覧ください。