通信費節約に覚えておきたいスマホ中古端末の選び方とポイント
スマートフォンの本体価格は今や10万円以上が一般的となり、機種変更のハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか。
通信キャリアでは割安に購入できるプランも用意していますが、そもそも本体価格を抑えるために有効な選択肢となるのが「中古端末」です。しかし、スマートフォンの中古端末を購入したことがない方にとっては、故障や不具合のリスクがあるのではないかと不安に感じるものです。
そこで本記事では、スマートフォンの中古端末を購入する際に押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
目次
中古端末選びで重要な4つのポイント
中古のスマートフォン端末を選ぶ際には、主に以下の4つのポイントを抑えておくことが大切です。
- モデル
- 本体の状態
- 保証内容
- 購入方法・店舗
たとえば、2023年10月時点での現行モデルはiPhone 15シリーズですが、最新の端末は中古市場に流通しにくく、それ以前のiPhone 14やiPhone 13シリーズが中心となっています。
また、仮に最新モデルの中古端末が見つかったとしても、新品と比べてほとんど価格が変わらないことも多いものです。
さらに、中古端末の価格を左右するのはモデルだけでなく本体の状態や保証の内容、購入する場所や店舗によっても変わってくることがあります。そのため、納得できる一台を見つけるためには、これらを総合的に評価し見極めることが大切です。
モデルの見極めポイント
ここからは、上記で紹介した4つのポイントをどのように見極めていけば良いのかを解説します。まずはモデルの見極めにあたって大切なポイントからです。
当然のことながら、古いモデルほど価格は値下がりしていき、なかには新品時と比較して半額以下で購入できるモデルも数多くあります。特に、高グラフィックのゲームや動画編集などヘビーな使い方をしない方や、最新機能などにこだわりがないという方は、安価で古いモデルでも十分と考えることも多いでしょう。
しかし、あまりにも古いモデルを選んでしまうと、iOSのサポートが終了し再び短期間で買い替えなければならなくなります。たとえば、2023年10月時点で最新のiOS17をサポートしている機種は、iPhone XRおよびiPhone Xs以降のモデルです。これらは2018年に発売された機種であり、発売から5年が経過しています。2024年、2025年に次期iOSが登場すると、これらの機種も徐々にサポート対象外となっていく可能性があります。
中古端末をできるだけ長く使用し続けるのであれば、2~3年以内に発売されたモデル(2023年10月現時点であればiPhone 12以降)がおすすめです。
本体の状態の見極めポイント
比較的新しい端末であっても、本体の状態によって価格が大きく変わってくることがあります。安いからといって「訳あり品」や「ジャンク品」を購入してしまうと、修理に高額な費用がかかることもあるため注意が必要です。
特に注意しておきたいポイントとしては、主に以下の4つが挙げられます。
1.外観の傷・凹み
ディスプレイに割れやヒビがないかはもちろん、フレームやボタンに傷や凹みがないかも確認しておきましょう。店頭で現物が展示されている場合には、本体を手にとって細かい部分まで確認することが大切です。
ネット通販などで現物がない場合には、商品の画像をズームして細かい部分まで見ておき、不明な点があれば問い合わせたり追加の画像を撮影し送ってもらったりすることも有効です。
外観の傷や凹みは修理をするとなると高額な費用がかかるため、ぜひこだわっておきたいところです。ただし、ケースを装着することを前提に考えると、使用に影響が少ない背面の傷や凹みは割り切って考えるという方も多いです。
2.ネットワーク利用制限
いわゆる「赤ムロ」とよばれる端末を購入した場合、ネットワーク利用制限がかけられることがあります。
赤ロムとは、その端末が盗難品であった場合や、残債の滞納などがある「いわくつきの端末」を指します。
その端末に何らかの問題が生じた場合、メーカーは端末に対して利用制限をかけ、SIMカードを挿しても起動しないように遠隔操作できます。。新品端末であればこのような心配をする必要はありませんが、中古端末の場合はリスクがつきまといます。
その端末が赤ロムであるかどうかを確認するためには、端末に紐づいている「IMEI」とよばれる15桁の番号を取得し、各通信キャリアのIMEI確認ページへアクセスします。「◯」、「△」、「✗」の3パターンがあり、このうち「✗」は赤ロムを指します。
NTTドコモ:「ネットワーク利用制限」の対象携帯電話機のご確認
au:ネットワーク利用制限携帯電話機照会
ソフトバンク:ネットワーク利用制限携帯電話機の確認
楽天モバイル:ネットワーク利用制限携帯電話機の確認
3.バッテリー容量
スマートフォンに搭載されているリチウムイオンバッテリーは充電をして繰り返し使用できますが、100回、200回と充電をしていくうちに徐々に消耗していきます。たとえば、新品のときは100%の充電で丸一日持ったのに、2年後には午前中の段階で充電がなくなってしまう、というケースもあるのです。
これは、繰り返し使用したことでリチウムイオンバッテリーが劣化し、容量が減った状態です。中古端末のなかには、新品のバッテリーへ交換した状態で販売されているものもありますが、すべてがそうとは限りません。iPhoneのバッテリー容量を調べる場合には、以下の手順で確認しましょう。
設定→バッテリー→バッテリーの状態と充電→「最大容量」を確認
※最大容量が100%に近いほどバッテリーの劣化は進んでいないことを表します。
中古端末を出品している店舗によっては、バッテリーの最大容量を表記してくれているところも多いですが、個人間で取引するネットオークションやフリマアプリなどは特に注意が必要です。
4.SIMロック
特に古い端末を購入する場合には、SIMロックの状態を必ず確認しておきましょう。SIMロックとは、特定の通信キャリアでのみ端末を利用するための機能です。SIMロックがかかっていると、たとえばドコモで購入した端末にauのSIMカードを挿しても通信ができません。
2021年以降に発売された端末はすべてSIMロックが解除されていますが、2021年以前に発売された端末の場合はSIMロックがかかっている可能性があります。この場合、各キャリアにSIMロック解除の手続きを依頼しなければなりません。
保証の見極めポイント
新品端末に比べて中古端末にはメーカー保証がなく、故障や破損時に高額な修理費用がかかるリスクがあります。しかし、購入する店舗によっては一定条件のもとで保証が付帯している場合も少なくありません。
保証期間・保証内容
中古端末の場合、販売店によっては1ヶ月間から数ヶ月間程度の保証期間が設けられていることがあります。また、端末の状態によっても保証期間が異なるケースもあり、一般的に状態が良い端末ほど長期の保証が付帯される傾向にあります。
ただし、この保証はあくまでも店舗が独自に提供しているものであり、メーカー保証ではありません。万が一、購入後に不具合や故障が起こった場合、修理費用を全額店舗側で負担するケースもあれば、同等の商品と交換するケース、あるいは一定割合を返金するケースもあります。
中古端末を購入する際には保証期間はもちろんのこと、万が一故障した際にどのような対応をとってくれるのか、保証内容もしっかりと確認しておくことが大切です。
独自の延長保証の有無
一定期間の保証に加えて、中古端末の販売店によっては独自の延長保証を提供しているところもあります。月額500円前後の追加料金を支払うことで、自然故障はもちろん、破損や水没などにも対応できます。
なお、すべての販売店で延長保証を提供しているとは限らず、保証内容や料金も店舗によって異なるため購入前には確認が必須です。
購入方法・店舗選びのポイント
品質の高い中古端末を購入するためには、スマートフォンの購入方法や店舗選びも重要です。
個人売買はできるだけ避ける
ネットオークションやフリマサイトなど、個人間で手軽に売買できるプラットフォームもあります。中間業者を通さない分、ときには市場価格よりも安く手に入れられる可能性がありますが、トラブルを避ける意味でも個人売買は利用しないことをおすすめします。
中古端末には赤ロムやバッテリー容量の低下など、さまざまなリスクがつきまといます。ネットオークションやフリマサイトでスマートフォンを出品しているすべてのユーザーが、これらを正しく理解しているとは限らず、端末の状態を詳しく把握できていないことがあります。
また、悪意のあるユーザーのなかには、傷や凹みなどがあるにもかかわらず画像を加工して出品したり、虚偽の情報を掲載したりするケースもあります。
赤ロム保証のある店舗で購入する
ネットワーク利用制限の確認で「△」になっていた端末は、残債の滞納状況によって「✗」となり、ネットワーク利用制限がかかるリスクがあります。
このような事態を防ぐために、中古端末の販売店によっては「赤ロム保証」を提供しているところもあります。万が一、利用開始後にネットワーク利用制限の対象となったとしても、ほかの端末へ交換してくれるなどの保証が受けられます。
保証が充実している
安心して中古端末を利用するためには、長期保証はもちろんのこと独自保証を提供している店舗を選ぶこともおすすめです。
独自保証を提供しているということは、それだけ品質に自信をもっていることの裏返しでもあります。また、独自の保証サービスを運営できるほど多くのユーザーが利用していることでもあり、信頼できる販売店を見極めるひとつの指標になるでしょう。
Apple認定整備済製品もおすすめ
iPhoneを安く購入したいと考えている方は、一般的な中古端末ではなくApple認定整備済製品も選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
注文のキャンセルや初期不良などで返品されたiPhone端末をAppleがクリーニングおよび修理し、ふたたび新品同様の製品として販売している製品です。外装はもちろん内部もApple純正のパーツへ交換しているため新品同様の品質であり、1年間のメーカー保証も付帯しています。もちろん、AppleCare+にも加入でき、実質的に新品と同等です。
一般的な中古端末のように極端に安価なモデルはありませんが、たとえばiPhone 12 Proが13万円台で購入できたり(2023年10月18日現在)と割安な製品が揃っています。
ただし、つねにすべてのモデルが揃っているとは限らず、そのタイミングによって販売されているモデルや容量は異なります。どうしても中古端末の品質に不安がある方は、定期的にApple認定整備済製品のページをチェックしてみると掘り出し物に出会えるかもしれません。
スマートフォンの中古端末選びは慎重に
本体価格の高騰が続くスマートフォンですが、中古端末は経済的負担を軽減するうえで有効な選択肢といえます。ただし、新品とは異なり保証期間や保証の内容が限られるほか、端末の状態もそれぞれ異なることを理解しておかなければなりません。
購入後すぐに故障し、高額な修理費用を支払う羽目になったということがないよう、価格だけでなくさまざまなポイントを比較しながら慎重に選ぶことが大切です。
iPhoneの場合、Apple認定整備済製品という選択肢もあるため、中古端末を検討している方は候補のひとつとして比較してみてはいかがでしょうか。