ワイヤレスHDMIとは?iPhone・iPadにおすすめのHDMI送受信機5選
iPhoneやiPadは大画面化によって迫力のある映像を楽しめるようになりましたが、自宅のなかでは「テレビやモニター、プロジェクターなどに映して大画面で楽しみたい」と感じることも多いものです。
通常、これを実現するためにはHDMIケーブルとHDMI端子への変換アダプタが必要であり、さらには物理的にケーブルを接続しなければなりません。
しかし、このような手間のかかる作業をスマートにできる「ワイヤレスHDMI」というソリューションがあることをご存知でしょうか。本記事では、ワイヤレスHDMIとは何か、製品選びのポイントやおすすめ製品もあわせてご紹介します。
目次
iPhone・iPadをミラーリングするときの悩み
iPhoneやiPadなどのモバイル端末で動画を視聴するとき、小さい画面のままでは見えづらく感じることもあります。そこで、モバイル端末の映像をそのまま大型モニターやテレビに出力することをミラーリングとよび、日常的に活用している方も少なくありません。
しかし、ミラーリングを行う場合、一般的にはHDMIケーブルを使用してモニターやテレビに接続するパターンが多く、接続準備に手間がかかることがあります。
また、iPhoneやiPadなどにはHDMIの接続端子が付いていないため、Lightning端子やUSB-C端子からHDMIへと端子を変換する専用の機器やケーブルも買い揃えておなかくてはなりません。
さらに、必要な機器を揃えたとしても端子から伸びるケーブルの取り回しは慎重にしなければならず、誤って足に引っ掛けてしまうと転倒したり、モバイル端末やモニターが破損したりするおそれもあります。
ワイヤレスHDMIとは
iPhoneやiPadからモニターへとミラーリングを行う場合、その準備や接続方法は一見単純そうに見えますが多くの手間を要し、ときには危険が伴う場合もあるのです。
このような課題を解決するソリューションとして、近年「ワイヤレスHDMI」が注目されています。ワイヤレスHDMIとはその名の通り、有線ではなく無線によって映像・音声データを伝送するというものです。
Bluetoothによって音声データを伝送するスピーカーやヘッドホンはありましたが、映像データも含めて伝送できる機器は聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。
ワイヤレスHDMIは基本的に1対1のセットになっており、送信機・受信機それぞれにHDMI端子が付いています。これらを接続することで、HDMIをケーブルを伸ばすことなくワイヤレスでの通信が可能になります。
iPhone・iPadにワイヤレスHDMIがおすすめの理由
ワイヤレスHDMIはPCやゲーム機、レコーダーなど、HDMIが利用できるさまざまな機器で使用できます。そのなかでも、特におすすめしたいのがiPhoneやiPadとの併用です。
多くの場合、iPhoneやiPadは持ち運んで使用するのが基本であり、ゲーム機やレコーダーのように特定の場所に固定して使用することは少ないです。そのため、iPhoneやiPadをミラーリングして使いたいと考えた場合、その都度HDMIケーブルを接続しなければならないという手間がかかります。
ミラーリングを使用する頻度が高い場合、すぐに接続できるようテーブルやデスクの上にHDMIケーブルをスタンバイしておくという方法もありますが、ケーブルに足を引っ掛けて転倒したり、部屋が散らかって見えたりといったデメリットもあります。また、猫や犬などのペットを室内で飼育している場合、ケーブルをかじって破損させるリスクもあるでしょう。
ワイヤレスHDMIを導入することで、受信機はモニターやテレビに常時接続しておき、ミラーリングをしたいときにのみiPhoneやiPadに送信機を接続することで、スマートに大画面で映像を楽しむことができます。
ワイヤレスHDMIのデメリット・注意点
有線接続の悩みや問題を解消してくれるワイヤレスHDMIですが、導入にあたってはいくつか注意しておきたい点やデメリットも存在します。特に押さえておきたい3つのポイントをご紹介しましょう。
本体価格が高額
ワイヤレスHDMIの製品はさまざまなメーカー・ブランドから販売されていますが、いずれもHDMIケーブルに比べると高価です。
比較的安価な製品でも1万5,000円から2万円程度が相場となっており、コストの面が課題となって導入に躊躇する方が多いようです。
1階から2階など距離がある場所や障害物が多い場所へ導入しようとすると、出力が高く長い伝送距離に対応した機器を選ぶ必要があり、製品によっては10万円を超えるものも出てきます。
遅延が生じやすい
ワイヤレスHDMIは無線によって映像データを送受信するという仕組みのため、有線接続に比べて遅延が発生しやすいという側面があります。
たとえば、映画やYouTubeの動画などを閲覧する場合にはほとんど遅延は気になりませんが、ゲームを楽しむ場合には注意が必要です。プレイヤーがコントローラーで操作した指示が伝わるまでわずかなタイムラグが生じるため、ストレスを感じることが多いのです。
特にFPSやTPSといったシューティング系のゲームや、レーシング、アクションなど、精度の高いレスポンスが要求されるゲームには不向きといえるかもしれません。
距離や障害物によって映像が乱れる
ワイヤレスHDMIは5GHz帯とよばれる周波数の無線を使用して映像・音声データを伝送します。
送信機側から出力される電波の届く範囲は最大でも数十メートル程度に限られており、あまりにも距離が離れすぎてしまうとスムーズに映像が映らずに乱れてしまうことがあります。
たとえば1階と2階、複数の部屋をまたいで通信する場合など、障害物が多い環境下でも電波が届きづらくなり、映像が途中で止まることもあるようです。
ワイヤレスHDMI製品の選び方
一口にワイヤレスHDMIといってもさまざまな製品があり、用途に応じて使い分ける必要があります。製品選びにあたってはどのようなポイントに注意すべきかご紹介しましょう。
- リモコン操作が可能な製品かどうか
- 通信距離がどれくらいあるか
- 最大接続数はいくつまでか
接続する端末の種類
ワイヤレスHDMI製品のなかには、離れた場所にあるレコーダーなどの機器を、HDMI経由でリモコン操作できるものもあります。ワイヤレスHDMIに接続する端末がiPhoneやiPadのみであればこの機能は不要です。
レコーダーなどにも接続して使用する可能性がある場合にはリモコン操作に対応可能な製品を選びましょう。
通信距離
ワイヤレスHDMIの製品によっても通信可能な距離は異なります。安価な製品の場合は10~15メートル程度の距離のため同じ室内で使用することが基本となります。
部屋をまたいで使用したり、1階と2階で通信するような場合には、30~50メートル程度の通信距離に対応した製品を選びましょう。
最大接続数
ワイヤレスHDMIは2台以上の送信機を追加できる製品もあります。
たとえば、自宅にiPhoneとiPad、ゲーム機、PCなど複数の端末があり、それらを共通のモニターやテレビに映し出して楽しみたい場合には、1台の送信機を抜き差しして使用するよりも、あらかじめ複数の送信機を接続しておいたほうがスムーズでしょう。
また、自分だけでなく家族が使いたいとにも複数の送信機に対応できる製品のほうが利便性は高まるはずです。最大接続数は製品によっても異なり、特に高性能なワイヤレスHDMIともなると50台、60台までの送信機を追加できる製品もあります。
使用目的や環境、利用者に合わせ、最大接続を確認して選びましょう。
iPhone・iPadのミラーリングにおすすめのワイヤレスHDMI製品
iPhoneやiPadをモニターにミラーリングしたい場合、どういった製品が適しているのでしょうか。おすすめ製品を4つご紹介します。
1.EZCASTPOCKET-C1R1(プリンストン)
シンプルで安価なワイヤレスHDMI製品をお探しの方には、プリンストンの「EZCASTPOCKET-C1R1」がおすすめです。
送信機側はHDMI端子ではなくUSB-C端子となっており、別途HDMIからの変換アダプタを用意する必要もありません。複数の送信機には対応できず、あくまでも1対1のみでの通信となりますが、1万円台で購入できるため手軽さが魅力の製品です。伝送距離は約10メートルとなっているため、同じ部屋のなかでワイヤレス化を実現したい場合に最適です。
プリンストン EZCast Pocket ワイヤレス USB-C to HDMI 画面ミラーリング/拡張 (フルHD/HDCP) EZCASTPOCKET...
2.ワイヤレスHDMI送受信機(AIMIBO)
iPhoneやiPad以外にもさまざまな端末でミラーリングをしたい場合におすすめなのがAIMIBOのワイヤレスHDMI送受信機です。
変換アダプタが付属しているため、手元のiPhoneやiPadからそのままHDMIへ映像を出力できます。また、最大伝送距離は50メートルとハイパワーで、複数台への同時送信も可能です。ハイスペックであるにもかかわらず、本体価格は1万円台と抑えられおりコストパフォーマンスの高い製品といえるでしょう。
AIMIBO ワイヤレス hdmi 送受信機 無線 HDMI セット 【新機能マルチキャスト/受信機増設/50m無線接続/スマ...
3.VGA-EXWHD9(サンワサプライ)
国産メーカーで、信頼性の高いワイヤレスHDMIをお探しの方には、サンワサプライの「VGA-EXWHD9」がおすすめです。
送信機と受信機を接続したら、本体に装着してあるボタンを押すだけで瞬時にミラーリングが可能です。また、送信機は最大20台まで増設でき、増設の手順も本体のボタンを長押しするだけという手軽さを実現。
プライベートでの使用はもちろんですが、ビジネスの場面で複数の参加者に映像を共有したい場合などにも役立つでしょう。USBメモリよりも一回り大きいコンパクトなサイズ感も嬉しいポイントです。
出典:SANWA DIRECT
ワイヤレスHDMI比較表
商品名 | 伝送距離 | 接続できる送信機数 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
EZCASTPOCKET-C1R1 | 10m | 1台 | 1万円前後 | 安価で手軽 |
ワイヤレスHDMI送受信機 | 50m | 4台(推奨) | 1万円~ | 安価でハイスペック |
VGA-EXWHD9 | 15m | 20台 | 5万円~ | 国産メーカー |
4.AppleTV(Apple)
上記で紹介したワイヤレスHDMI専用の送受信機とは異なりますが、Appleが提供しているAppleTVもワイヤレスHDMIを実現するツールとして役立てることができます。
AppleTVをテレビやモニターへ接続した状態で、iPhoneまたはiPadからビデオアプリ再生中にAirPlay機能をオンにすることでミラーリングが可能です。
ちなみに、これはビデオ再生以外にも「写真」アプリを開いて画像を表示する際にもミラーリングが可能です。なお、AirPlay機能に対応したスマートテレビがあれば、AppleTVを経由せずともiPhone・iPadのミラーリングが可能です。AirPlayを活用したミラーリングの具体的な方法・手順については、以下のiPhoneユーザーガイドも参考にしてみてください。
出典:Apple公式
ワイヤレスHDMIで快適な環境を手に入れよう
iPhoneやiPadをミラーリングするにはさまざまな方法がありますが、なかでもHDMIケーブルはもっとも確実で手軽な方法といえるでしょう。しかし、準備に多くの手間を要するほか、部屋の中がケーブルで散乱するといった問題も生じがちです。
ワイヤレスHDMIを導入することでこれらの問題は解消できる可能性が高く、ケーブルに足を引っ掛けて転倒するなどの危険も改善できるでしょう。
今回紹介したワイヤレスHDMI製品は、iPhoneやiPadのミラーリング以外にもさまざまな端末に応用できます。テレビやモニターの裏側が配線で絡まっているという方は、ワイヤレスHDMI製品を導入することでスッキリとして悩みを解消できるかもしれません。
ぜひこの機会に、ワイヤレスHDMIの導入を検討してみてください。