iPhoneの本体価格が高騰しているのはなぜ?円安との関係や今後の動向を解説
2022年の上期は世界情勢が大きく変化し、それにともない急激な円安にも見舞われ物価が高騰しています。円安の影響を顕著に受けるものとしては、海外から輸入した商品が典型的ですが、iPhoneもその代表的な例といえるでしょう。
2022年7月時点でのiPhone13シリーズの価格はどう変化したのか、各キャリアの動向もあわせて紹介しましょう。また、毎年秋のタイミングで新型モデルが発表されるiPhoneシリーズですが、円安が進むなか2022年の販売価格はどうなるのか、本体価格の高騰にどう対応すれば良いのについても解説します。
目次
そもそも円安とは?
ここ最近のニュースで連日のように報道されている「円安」という言葉ですが、そもそも円高・円安という概念が正しく理解できていないという方も多いのではないでしょうか。歴史的円安によってiPhoneの価格がどう影響するのかについては、まず円高・円安の基礎知識を押さえておく必要があります。
円高・円安とは、一言でいえば日本円を海外の通貨に両替する際の相対的価値、レートと言えます。
たとえば、これまで1ドル=100円で取引されていたのが、ある日1ドル=150円という価格になったとしましょう。これまでは海外の1ドルの製品を購入するのに100円を支払っていたものが、ある日から150円を出さなければ購入できなくなることを意味します。一方、1ドル=50円というレートになった場合、1ドルの製品を50円で購入できるようになります。
1ドルの価値が100円から150円に上がるということは、見方を変えれば日本円の価値が下がっている、ということでもあります。そのため、このような状態を円安とよびます。
逆に、1ドルの価値が100円から50円に下がるということは、見方を変えれば日本円の価値が上がっている、ということでもあります。そのため、このような状態を円高とよびます。
円安に陥るということは、海外の製品を購入する場合に多くの円を支払わなければなりません。そのため、iPhoneのように海外で製造された製品を仕入れる際にはコストが跳ね上がり、それが販売価格にも転嫁される可能性があることを意味するのです。
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現在高騰しているガソリンも、海外からの輸入に頼っていることから円安が影響している身近な例ともいえるでしょう。
iPhone13シリーズの価格はどうなっている?
歴史的な円安が続いている為替相場ですが、iPhoneの本体価格はどうなっているのでしょうか。2022年7月現在、AppleオンラインストアではiPhone13 128GBのSIMフリーモデルは117,800円となっています。2021年秋に発売された際の価格は9万8,800円であったことから、約20%にあたる1万9,000円値上げされたことになります。
また、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクといった大手キャリアについても、円安が始まった当初は価格が据え置かれていましたが、7月中旬に各社一斉に改定価格が発表されました。こちらもiPhone13 128GBのモデルで比較してみましょう。
大手キャリア | 改定前 | 改定後 |
---|---|---|
NTTドコモ | 11万1,672円 | 13万8,380円 |
KDDI | 11万5,020円 | 13万7,295円 |
ソフトバンク | 11万5,920円 | 13万8,240円 |
上記を見てもわかるように、大手キャリアの販売価格も軒並み2万円以上の値上げとなっています。また、現行シリーズのなかでもっともハイスペックなiPhone 13 Pro Max(1TB)の場合、改定前は22万円台から24万円台であったものが、各キャリア揃って27万円台にまで上昇しています。
これまでは、円安や円高といった多少の値動きがあってもiPhoneの価格が改定されるケースはほとんどありませんでしたが、今回はあまりにも急速に進んだ円安であったことから、Appleも大手キャリアも価格に転嫁せざるを得ない状況となっています。
新型iPhoneの価格も高騰する可能性
現在の円安相場が2022年後半まで継続した場合、秋に発表される見込みのiPhone14シリーズがかつてないほど高額な販売価格に設定される可能性があります。
2021年から2022年3月にかけての円相場は1ドルあたり115円程度でしたが、2022年6月には135円を突破しています。そして7月に入ってもじわじわと円安の傾向は高まり、ついに139円に到達しました。
今後、さらに円安の傾向が加速したと仮定すると、iPhoneの本体価格は2割以上の値上げがされる可能性もあるのです。これまでiPhoneシリーズのベーシックなモデル(2021年であればiPhone13)は約10万円前後で購入できていましたが、今後は12万円台、あるいはそれ以上の価格が基準となることを意味します。
iPhoneの本体価格高騰にはどう対応すれば良い?
歴史的な円安によって、異例の価格改定が行われたiPhoneシリーズ。さまざまな物価が高騰しているなかで、iPhoneに十数万円の出費は負担が重いと感じる方も多いでしょう。このようななかで、iPhoneをお得に買い替えるにはどういった方法があるのでしょうか。
中古端末を選ぶ
現行型および新型iPhoneの価格が高価すぎて新品の購入が難しい場合には、中古端末の購入も検討してみましょう。iPhone13はもちろんですが、2020年に発売されたiPhone12シリーズやそれ以前のiPhone11シリーズも多く取引されており、新品よりも手頃な価格で手に入れられます。
中古端末にはさまざまな購入方法がありますが、近年ではネットオークションやフリマアプリなどで安く手に入れることもできます。また、購入後の故障や状態の良し悪しが気になる方は、中古端末を販売している専門の業者・店舗などで購入するのがおすすめです。
整備済み品を選ぶ
中古端末の多くは現状販売であり、不具合があったとしても整備されないまま出品されているのが一般的です。これに対し整備済み品とは、その名の通り外装の傷や割れ、凹み、内部的な不具合などもパーツを交換した状態で販売される製品のことを指します。中古端末にありがちな汚れや不具合がなく、新品同様のコンディションで販売されているものが多いです。
iPhoneの整備済み品は、主にAmazonや大手ネット通販サイト、iPhoneの修理を扱っている専門業者などで販売されています。なお、日本におけるAppleオンラインストアではiPhoneの整備済み品はなく、米国のみの取り扱いとなっているため注意しましょう。
iPhoneの価格が高騰する前に対策を考えておこう
わずか数ヶ月の間に急激な円安に見舞われた世界経済ですが、今後新型iPhoneが登場する秋にかけてどのような値動きになるかは予想できないのが現状です。
新型iPhoneの本体価格は高騰するとの見方が大半であることから、iPhoneの買い替えを検討している方は今のうちに対策を講じておいたほうが良いかもしれません。
現行のiPhone13を先行して購入しておくこともひとつの方法ですが、中古端末や整備済み品なども含めて検討してみましょう。
今回は円安が進むなか、iPhoneの2022年の販売価格はどうなるのか、本体価格の高騰にどう対応すれば良いのかについて紹介しました。「iPhone向け最新OS「iOS16」が発表!注目の新機能を紹介」では2022年秋にリリースが予定されているiOS16について紹介しています。これまでにないさまざまな機能が追加されるのiOS16。是非ご覧ください。