スマホの契約はオンラインが主流になる?オンラインショップの現状と今後について解説

スマホの契約はオンラインが主流になる

政府からの強い要請を受け、大手通信キャリアは続々と格安の料金プランを打ち出しています。しかし、これまでのようなショップでの契約には対応せず、オンラインでユーザー自身が契約することを条件としており、オンラインショップで契約した経験のない方にとっては不安も大きいのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、今後大手通信キャリアもMVNO(格安スマホ)のようにオンラインが主流の契約に移行した場合、ユーザーにとってどのような影響が考えられるのか詳しく解説します。これまでショップや量販店などの店舗で契約してきた方で、2021年春以降に格安プランへの変更を考えている方は、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。

オンラインショップの現状

オンラインショップの現状

はじめに、現在オンラインショップで契約しているユーザーはどの程度の割合なのか、店舗での販売とオンライン契約の比率も含めて紹介します。ちなみに、NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手通信キャリアに加えて、サブブランドとして展開しショップも構えているワイモバイルとUQモバイルのデータも参考として含めています。

MCAが2020年6月に発表した調査結果によると、オンラインショップを利用しているユーザーの割合は全体で11.6%となっており、店舗で契約するユーザーのほうが圧倒的に多いことが分かります。キャリア別に見てみると、NTTドコモは12.5%、auが5.8%、ソフトバンクが6.9%となっており、多少の差はあるものの90%近くのユーザーは店舗で契約していることが分かります。全体的に見ても全てのキャリアは共通の傾向が見られ、大きな変化は見られません。

一方で、ワイモバイルは15.0%、UQモバイルは18.7%ものユーザーがオンラインショップを利用していることが分かり、大手通信キャリアと比較すると高い割合であることが分かりました。ワイモバイルはソフトバンク、UQモバイルはauのサブブランドとして展開していますが、ショップの数はメインブランドと比較しても少なく、オンラインで契約せざるを得ないユーザーが多いことも要因として考えられます。

店舗の利用比率が多いのはなぜか?

ECサイトの需要が高まりオンラインで買い物をすることが当たり前の世の中になったにもかかわらず、なぜ携帯電話の契約はオンラインショップではなく店舗に足を運ぶユーザーが多いのでしょうか。考えられる理由として3つのポイントを挙げてみます。

店舗の利用比率が多いのはなぜか?

実機に触れることができる

新規契約、または機種変更に関係なく、現在ほとんどのユーザーは通信キャリアで料金プランを契約すると同時に、端末の購入契約も結んでいます。SIMフリー端末が増えたとはいえ、わざわざ端末を購入して通信契約と別で利用するユーザーは少数派といえます。

店舗にはスマートフォンのデモ端末があるため、実際に操作してみたりデザインやサイズを確認したりして購入の意思決定ができます。オンラインショップでは24時間手続きが可能で、店舗に足を運ぶ手間がないというメリットはあるものの、実機に触れられないというのはユーザーにとって大きなネックといえるでしょう。

また、この先2年、3年と毎日のように使い続けるスマートフォンは、お店でさまざまな選択肢の中から選ぶのも購入時の楽しみの一つ。そのようなエンタメ性のある体験ができるのも、オンラインショップにはない店舗ならではの魅力といえるでしょう。

相談に乗ってくれるスタッフがいる

店舗を利用するもう一つのメリットが、端末や料金プランに関する質問や相談に乗ってくれるスタッフがいることです。スマートフォンは年々高機能化しており、どの端末を選べば良いのか分からないという方も少なくありません。また、料金プランも複雑で、オプションや割引サービスに加えて端末の分割契約も含めると、結局毎月どの程度の料金総額になるのか分からないという方も多いです。そのような悩みも、店舗であればスタッフが相談に乗ってくれるため安心して契約ができます。

オンラインでの契約が不安・難しいというイメージ

3つ目のポイントとしては、そもそもオンラインで手続きを行ったことがなく、使い方が分からない、または難しいというイメージが先行しているケースです。現在の契約内容や請求内容はWebで確認できますが、そもそもログインの方法が分からず確認したことがないという方も少なくありません。そのような方にとって、いきなりオンラインショップで契約するとなっても躊躇してしまい、なかなか一歩を踏み出せないケースも多いのです。

今後はオンラインショップが主流になるかもしれない理由

店舗を利用するユーザーが圧倒的に多い現在ですが、今後オンラインショップを利用するユーザーが爆発的に増え、主流になっていく可能性もあります。なぜそのような流れに移行するのか、考えられる理由を3つ紹介します。

今後はオンラインショップが主流になるかもしれない理由

格安料金プランの登場

まずは冒頭でも紹介した通り、格安料金プランの登場が挙げられます。2020年12月末現在、NTTドコモの「ahamo」とソフトバンクの「SoftBank on LINE」が公式に発表されていますが、これらはいずれも店舗での受付ができません。ユーザー自身がオンラインで手続きを行う必要があり、各通信キャリアのコールセンターでも手続きや相談は対象外となっています。そのため、必然的にオンライン上で契約するユーザーが増えることになります。

機種変更のタイミングで料金プランの見直しや変更をするユーザーも多いですが、これまでのような複雑なプランではなくシンプルで割安なプランを契約していれば、料金プランの見直しのために来店する必要もなくオンラインショップを利用するユーザーが増える可能性もあります。

OSやメーカー間の端末乗り換えが少ない

たとえばAppleのiPhoneや、各メーカーが販売しているAndroidスマホは、機種変更や乗り換えのタイミングで同じシリーズに買い替えるユーザーが多く、異なるOSやメーカーの製品に乗り換えるケースはあまり多くありません。同じOSまたはメーカーの端末であれば、バージョンの違いによって多少の変化はあるものの、使い心地や操作方法そのものはあまり変わらない傾向にあります。

実機に触れられなかったとしても、たとえば「iPhoneシリーズに買い替えておけば間違いない」と考え、店舗に来店するよりもオンラインショップでの契約を選択するユーザーが増える可能性もあります。

新型コロナウイルスの影響

2020年に発生した新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大によって、外出自粛が呼びかけられさまざまな影響を及ぼしました。携帯電話の販売店も例外ではなく、感染防止対策として来店予約を行ったり、オンラインショップでの契約を呼びかけたりするキャリアもありました。2021年もこれまでのように感染拡大と収束を繰り返していくと予想されるため、私たち一人ひとりの行動変容が求められています。

そのような中で、これを機にオンラインショップで契約するユーザーが増えると、一度使ってみて「意外と簡単に手続きができた」と感じ、次回以降も店舗ではなくオンラインショップを利用する需要が高まっていくと考えられます。

 

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