iPhone対応のUSBメモリとは?活用事例やメリットも紹介
microSDカードなどの外部ストレージに対応していないiPhoneは、データのバックアップや共有はオンラインで行うのが定番です。しかし、なかにはデータ通信容量が上限に達していたり、通信環境が悪く快適に利用できないケースも考えられます。
このような状況に陥ったとき、外部ストレージが利用できるスマートフォンにメリットを感じる方は多いはず。しかし、実はiPhoneにおいても、Lightning端子に差し込んで利用できるUSBメモリがあることをご存知でしょうか。今回はiPhoneに対応しているUSBメモリについて詳しく解説していきます。
目次
iPhone対応のUSBメモリとは
通常、私たちがイメージするUSBメモリとは、その名の通り長方形のUSB端子を備えたメモリです。しかし、iPhoneに対応しているUSBメモリは、通常のUSB端子に加えてLightning端子も搭載しており、iPhoneやiPad、PCと複数のデバイスに対応できるようになっています。さまざまな形状の商品がありますが、典型的なのは片方にUSB、もう片方にLightning端子を搭載しているというもの。
従来の一般的なUSBメモリは、32GBの容量で1,000円前後で購入できますが、Lightning端子を搭載したiPhone対応のUSBメモリの場合は3,000円前後の商品が多く、価格は高額です。しかし、わざわざiPhoneからオンライン経由でバックアップをとりPCでダウンロードする必要もなく、利用シーンによっては物理メモリに保存したほうが早い場合もあることから人気を集めています。
ちなみに、iPhoneからUSBメモリにデータを移行する際には、専用のiPhoneアプリのインストールが必要になります。PCのようにUSBメモリを差してハードウェアがすぐに認識するものではないため、使い方は事前に確認しておくようにしましょう。
iPhone対応のUSBメモリはこんな時におすすめ
iPhone対応のUSBメモリは、具体的にどのようなニーズがあって人気を集めているのでしょうか。おすすめの活用シーンとして4つのパターンをピックアップしてみました。
データ通信量を節約したい
大量のデータ通信を行ってしまうと、通信キャリアで契約している上限の容量に達してしまい、通信速度が大幅に低下してしまいます。特に自宅にWi-Fi環境がなく、4Gの契約回線で毎日YouTubeやSNSを多用している場合、外出先で本当に使いたいときに制限がかかってしまうこともあります。
iPhoneで撮影した写真や動画などの大容量のデータについては、iCloudでのバックアップをオフにしておけば通信容量の節約につながり、代わりに定期的にUSBメモリにバックアップをとっておくことでiCloudの代用が可能です。
iCloud上へのバックアップは、Wi-Fi環境がある場所でPCからUSBメモリのデータを転送することもできます。
友人や家族と大容量のデータを共有したい
友人や家族と旅行に出かけた際、大量の写真データを共有するためにはメールやLINEで送信する方法があります。iPhone同士であればAirDropという方法もありますが、相手がAndroid端末やPCだと難しいもの。データ通信容量を節約するために、iPhoneにはAirdrop、その他の人にはメールやLINEといったように使い分ける方法もありますが、何度もデータを送信するのは手間がかかってしまいます。
そこで、共有したいデータをUSBメモリに転送し、USBメモリを家族や友人に回すという使い方もできます。USBメモリはLightning端子だけではなく、microUSBやType-Cにも対応した製品を購入すれば、デバイスを問わず誰でも利用が可能です。
オフラインのデバイスにデータを転送したい
解約済みのiPhoneやiPad、iPodにデータを転送したいときや、ネットワーク環境がない場所でPCを使用する際などにもUSBメモリは重宝します。旅行や出張で出かけた際、ホテルや旅館にWi-Fiが完備されてないところも存在しますが、そのような場合でも手軽にバックアップをとることができます。
また、たとえばホテルで仕事の資料を作成するとき、iPhoneで撮影した写真データをPCに転送しなければならないこともあるでしょう。そのような場合でも、USBメモリがあればiPhoneの撮影データを資料に取り込むこともその場でできます。
iPhoneのストレージ容量の空きがない
写真や動画、音楽などのデータ容量がiPhoneのストレージを圧迫してしまい、データを削除しなければならないケースもあります。しかし、急いでいるときに不要なデータを分別して削除することは難しいもの。このような場合でも、USBメモリに一旦データを退避させることでiPhoneのストレージ容量が確保でき、本当に大切なデータと不要なデータを後でゆっくりと確認しながら整理することができます。
USBメモリの選び方
iPhone対応のUSBメモリはどのような基準で選べば良いのでしょうか。商品選びの際に重要な2つのポイントを紹介します。
対応端子
iPhoneやiPad専用のLightning端子と、PCに接続する通常のUSB端子以外にも必要な端子がないか確認しておきましょう。たとえば最新のMacBookシリーズでは従来のUSB 3.0の規格の端子は搭載されておらず、すべてUSB Type-Cの端子に統一されています。また、家族や友人にAndroidスマホのユーザーがいる場合は、microSDに対応したUSBメモリが必要になることも考えられるでしょう。
このように、一口にUSBメモリといってもさまざまな規格の端子が存在し、必要に応じて最適な製品を選ぶ必要があります。もっとも人気なのは、USB 3.0とLightning、Type-C、microUSBの4規格に対応したUSBメモリです。USB 3.0とLightningに対応したUSBメモリと比較しても、価格もそれほど変わらないためおすすめです。
MFi認証済製品
iPhoneやiPadをはじめとしたApple製品向けのアクセサリーには、「MFi認証」とよばれるAppleの認証システムがあります。MFi認証を取得している製品には「Made for iPod iPhone iPad」と表記されたロゴがあり、Appleが定める性能基準を満たしていることを表しています。
もしMFi認証に対応していない製品を接続した場合、Lightning端子にUSBメモリを差し込んでも認識されない可能性があります。iPhoneに対応したUSBメモリを購入する際には、必ずMFi認証を取得している製品を選ぶようにしましょう。
Apple純正品の変換アダプタを利用する方法もある
参考サイト:Apple
何らかの事情があってすでに持っているUSBメモリを使用したい場合や、SDカードにデータを保存したい場合は、Apple純正の変換アダプタを使用するという方法もあります。
「Lightning-USB 3カメラアダプタ」もしくは「Lightning-SDカードカメラリーダー」を購入すれば、既存のUSBメモリやSDカードをそのまま利用できます。価格は「Lightning-USB 3カメラアダプタ」が4,500円、「Lightning-SDカードカメラリーダー」は2,800円となっています。
USBメモリやSDカードと合わせて購入することを考えると、純正の変換アダプタよりもiPhoneに対応したUSBメモリを購入したほうが安く抑えることができるでしょう。
用途に合わせて最適なUSBメモリを選ぼう
今回紹介したiPhoneで利用できるUSBメモリは、物理的なストレージにiPhoneのデータをバックアップするために最適な製品です。万が一ネットワークに接続できない環境下で使用する場合や、データ通信容量が上限に達してバックアップをとることが難しい場合などに備え、1本用意しておくのもおすすめです。