Appleが取り組む環境への配慮

Appleが取り組む環境への配慮

2020年9月に実施されたAppleの新製品発表会において、新製品の内容以外にも注目を集めた発表がありました。それが「環境」に対する取り組みです。世界的にSDGs(持続可能な開発目標)の重要性が叫ばれる中、Appleも環境問題に配慮した取り組みに本格的に着手することが発表されたのです。

今回は、Appleが目指す環境への具体的な目標、およびそれを実現するために不可欠な取り組み内容について詳しく解説します。

Appleが環境問題に取り組む理由

Appleが環境問題に取り組む理由

PCやスマートフォン、タブレットといったITデバイスの分野において、世界でも有数のシェアを獲得しているApple。とりわけ日本のスマートフォン市場では圧倒的なシェアを誇り、実に6割以上のユーザーがiPhoneシリーズを所有しています。

しかし、それほど大量の製品を製造するということは、資源の採掘や製造過程におけるCO2排出など、さまざまな環境負荷が存在することも意味しています。環境問題を無視して事業を継続するということは、企業倫理において許されないことはもちろんですが、今後安定的な製品供給ができなくなることも意味しています。できるだけ環境負荷の小さい方法で製品を開発し、先進のテクノロジーを実現していくことはAppleに課された大きな社会的責任ともいえるのです。

このような背景もあり、Appleでは具体的な目標として「2030年までに全ての製品をカーボンニュートラルにする」ことを掲げました。

Appleが目指す「カーボンニュートラル」とは

Appleが目指す「カーボンニュートラル」とは

Appleが具体的な目標として掲げた「カーボンニュートラル」ですが、この言葉自体を初めて耳にした方も多いのではないでしょうか。カーボンニュートラルとは、一言でいえば「モノを生産するときに排出される二酸化炭素と、吸収される二酸化炭素の量を同じにする」ということ。いわば二酸化炭素の量をプラスマイナスゼロにし、環境への負荷を増大させないことを意味します。

Appleではカーボンニュートラルを実現するために、将来的に全ての製品の素材をリサイクル可能な再生素材で設計し、生産過程においても100%のクリーンエネルギーで実現することを目標に掲げています。

これを実現するために、iPhoneやMacに使用されるアルミニウムなどの素材はもちろん、パッケージに使用される紙なども全て再生可能な素材を使用。さらにはAppleが運営する直営店や本社オフィスなどの電力もクリーンエネルギーで賄うこととしています。

しかし、再生可能なリサイクル素材を使用するとしても、製造過程においてCO2を完全にゼロにすることは難しいもの。カーボンニュートラルを実現するためには、CO2を除去してくれる自然環境の再生にも力を入れなければなりません。そこでAppleは、コロンビアのマングローブやケニアのサバンナなどに自然を再生させるプロジェクトに対し積極的な投資を実行。「Apple Carbon Solutions Fund」という基金を設立し、環境問題に取り組んでいます。

Appleがこれまで実現してきた環境への取り組み

これまでAppleはさまざまな環境問題へ取り組んできました。大きな成果を上げている取り組みとして、製品に使用する素材の見直しとパッケージの改良が挙げられます。それぞれのポイントについて詳しく解説しましょう。

Appleがこれまで実現してきた環境への取り組み

製品に使用する素材の見直し

Appleの製品にはすでにさまざまな再生素材が使用されていますが、これらは決して品質について妥協した結果ではなく、むしろ最高品質の素材を実現するためにさまざまな試行錯誤を重ねてきた結果といえるものです。

たとえばMacやiPadなどに使用されるアルミニウム素材には、カスタムアルミニウムアロイというアルミ合金を採用。これはAppleが独自に開発したリサイクル素材で、Appleの高い品質を実現するために一定の純度および性能の基準を満たしています。 また、内部基盤にもリサイクル素材の錫(スズ)を採用し、鉱物資源として新たに採掘されるものは使用せず、全てをリサイクル素材で賄っています。

製品素材を見直し、新たに採掘される素材ではなくリサイクル素材を中心とした製品開発を実現したことにより、Appleは2019年から430万トンものカーボンを減少させることに成功しています。

パッケージの改良

Apple製品を梱包するパッケージ素材では、プラスチックを極力排除し、ファイバー(繊維)素材の活用が進んでいます。たとえばiPhoneのパッケージには、これまで本体を固定するトレイにプラスチック素材が採用されていました。しかし、iPhone7からファイバー素材に切り替え、その後多くのApple製品についてもパッケージ素材がプラスチックからファイバー素材に切り替わっています。

さらにはApple Storeでの購入者に配布しているバッグも、プラスチック素材から環境に優しい再生素材に切替えることに成功しています。

このように、徹底したパッケージ素材の見直しによって、Appleは4年間で実に58%ものプラスチック素材を減少させることに成功。今後も環境への取り組みを推進し、さらなる環境負荷の軽減に貢献します。

iPhoneのリサイクル

iPhoneのリサイクル

Appleでは古くなったiPhoneを回収しリサイクルに役立てる「Apple Trade In」というプログラムを実施しており、古いiPhoneを下取りまたは無料で回収し資源の活用に役立てています。

iPhoneをはじめとしたデジタルデバイスには、レアメタルとよばれる稀少な素材が採用されています。これに加えてiPhoneの筐体にはアルミニウムも多用されており、同じくApple製品のMacBookなどのボディに生まれ変わります。

2019年、Appleでは1,100万台以上のiPhoneがApple Trade Inによって生まれ変わり、新しいユーザーの手に渡りました。

高い品質と環境負荷の軽減を両立するAppleの取り組み

高い品質と環境負荷の軽減を両立するAppleの取り組み

Appleの製品といえば、高い品質と信頼性が最大の魅力といえます。iPhoneをはじめとしたAppleの製品は、一度手にして使ってみると他社の製品には乗り換えられないほどの上質な使い心地に魅了されます。

しかし一方で、これほどまでに多くのユーザーに支持されるようになったAppleだからこそ、環境問題への取り組みについても重大な責任を負うことになります。一つひとつの取り組みは小さなものでも、何百万、何千万というデバイスを扱うApple全体で見れば社会に与えるインパクトは極めて大きいといえるでしょう。

iPhoneをはじめとしたApple製品を買い換える際には、ぜひ環境問題への取り組みも意識しながら適切な処理を心がけていきましょう。

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