iPhoneを屋外で利用する際の注意点
春の行楽シーズンが過ぎ夏を控えた今、旅行やアウトドアの計画を立てている方も多いのではないでしょうか。特に2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、4月上旬から外出自粛が強く求められ自宅の中での生活を強いられたこともあり、久しぶりの外出を楽しみにしている方も少なくないはずです。
最近ではほとんどのスマートフォンが防水対応の機種に切り替わっていますが、それでもiPhoneを屋外で利用する際にはいくつか注意しておかなければならない点があります。
今回はその中でも重要なポイントに絞って紹介していきましょう。
バッテリーの消耗
iPhoneを屋外で使用する際に、真っ先に気をつけておくべきなのがバッテリー残量です。最近ではモバイルバッテリーを一緒に持ち歩くことが一般的になりましたが、それでも長時間屋外で活動する際には充電残量を常に意識して節約に心がけたいもの。屋外でiPhoneを使用したとき、普段よりも消耗が激しいと感じる人も多いと思いますが、いくつか考えられる原因について紹介します。
画面の明るさ
真夏の炎天下では当然のことながら屋内よりもはるかに照度(明るさ)が高い状態になります。iPhoneは周囲の明るさに合わせて自動的に液晶の輝度を調節する機能が搭載されており、暗い場所では輝度を下げ、明るい場所では輝度を上げるようになっています。
これは周囲の状況に合わせて液晶を見やすくするための対策であり、仮に明るい場所で液晶の輝度が低いままだと何が表示されているのか分からなくなってしまいます。
屋外で長時間にわたってiPhoneを使用していると、当然のことながら最大輝度を維持したままになってしまうため、その分バッテリーの消耗も激しくなるのです。屋外でiPhoneを利用する場合は、常にバッテリー残量に注意しながら意識的に使用時間を短くするような工夫が求められます。
電波の強度
アウトドアや長距離のドライブに出かける際に注意したいのが電波の強度です。山間部や海沿いなど、人がほとんどいないような場所では電波の状態が悪いことも多く、アンテナが1~2本または圏外となってしまうところも珍しくありません。実はこのように電波が不安定な場所でiPhoneを使用していると、バッテリーが消耗しやすくなる傾向があります。これはiPhoneに限ったことではなく、スマートフォンや携帯電話全てに共通していることなのですが、電波状態が悪いとより安定した電波を探すため、その分バッテリーを消耗することになるためです。
電波状態が悪い場所に到着したら、通信を行う必要がないときは機内モードや電源をOFFの状態にしておくことでバッテリーを温存できます。機内モードはモバイルネットワークを受信しない設定のため、電波状態が悪くてもバッテリーに影響を与えることがほとんどありません。
iPhone本体の発熱
高温が続く炎天下においてiPhoneを利用する場合は、iPhone本体の発熱にも注意しなければなりません。そもそもiPhoneの動作環境は0〜35℃となっており、あまりにも寒すぎる・暑すぎる場所での使用は控えるべきです。特に長時間にわたって直射日光を浴びた状態でiPhoneを使用し続けていると、本体が高温となり大きな負担をかけてしまうことにもなります。その結果、バッテリーの寿命を縮めてしまい、充電残量が減りやすくなるといった弊害も十分考えられます。
また、夏の時期に注意したいのが車内へのiPhoneの放置です。真夏の車内温度は50℃以上にも上昇することがあり、さらに直射日光の影響を受けやすいダッシュボードは70℃以上の気温に達することも。そのような環境下にiPhoneを放置してしまうと、当然のことながら悪影響を及ぼしてしまいます。一時的にiPhoneの画面上に「高温注意」という警告が表示された場合は、iPhoneを涼しい場所に移動させてゆっくりと冷やす必要があります。
しかし、だからといって冷たい水にさらしてしまうと、急激な温度変化に耐えられず故障の原因にもなってしまいます。あくまでも徐々にゆっくりと常温に戻すようなイメージで待つことが大前提といえるでしょう。
落下による破損
これは多くの人が経験していることであり、あえて詳しく触れる必要はないかもしれませんが、落下による破損には十分注意しなければなりません。特にiPhoneはアルミニウムやガラスなどの素材で出来ており、コンクリートなどの固い素材の上に落下させてしまうと傷ができたり、液晶表面のガラスが割れてしまうことも。そのような事故を未然に防ぐためにも、iPhone専用のケースやバンカーリングなどのアクセサリーをうまく活用しましょう。
海やプールでiPhoneは使えるのか?
アウトドアの定番スポットである海やプールにおいても、防水仕様のiPhoneが一般的になっていることもあり手軽に利用できるようになりました。しかし、海やプールにはさまざまな不純物や薬品も含まれていることから、本当に水中で使っても良いのか不安に感じる人も多いことでしょう。そこで、いくつかの注意点を紹介します。
iPhoneの耐水性能
iPhoneシリーズはiPhone7以降の機種が防水・耐水性能を搭載していますが、実は機種によっても規格が多少異なります。それぞれの機種とそれに対応する規格は以下の通りです。
iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max |
深さ4mまで、最長30分間 |
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iPhone 11 iPhone XS iPhone XS Max |
深さ2mまで、最長30分間 |
iPhone SE (第 2 世代) iPhone XR iPhone X |
深さ1mまで、最長30分間 |
いずれも日常生活における防水・耐水という面では問題ないレベルですが、アウトドアで海やプールに潜って使用する場合には注意が必要です。ちなみに、Appleでは公式のアナウンスとして「iPhoneを身に着けたままの水泳や入浴をする」、「iPhone に強い水圧をかける」、「iPhoneをサウナなどで使用する」といったことを控えるように案内しており、これらの使用方法は故障やトラブルの原因にもなりかねません。
参考:Apple公式
砂や砂利が付着した際の対処
特に海や川などでiPhoneを使用する場合、水と一緒に砂や砂利などがiPhoneに付着することがあります。もし本体の表面に付着した場合は、布で拭き上げるのではなく流水で優しく流した後に拭き上げるのが良いでしょう。砂や砂利が本体表面を傷つけることもあるため、特に最初は優しく流すことが重要です。
また、Lightning端子のなかに砂などの異物が入ってしまうこともありますが、その場合は端子部分を下にし手で受けるようにして優しく叩くようにして排出します。このとき、やってはいけないのが綿棒や爪楊枝などで異物を取り除くことです。端子を傷つけ故障の原因になることもあるため、細心の注意を払って扱う必要があります。
SIMトレイは乾燥してから開ける
iPhoneを通常使用している状態であれば、SIMトレイを開くことはほとんどないかと思いますが、水に濡れた状態でSIMトレイを開けることは厳禁です。iPhoneの防水・耐水はあくまでも本体を通常使用した場合に限るため、SIMトレイを開けた状態だと内部の基盤に水が侵入し故障の原因になります。
また、内部に砂や砂利などが侵入しないように扱うことも重要です。万が一内部に異物が入ってしまったとしても、エアダスターを使用することは控えましょう。さらに奥に異物を追いやってしまう結果にもなりかねず、状況を悪化させてしまうためです。SIMトレイの開口部を下に向け、優しく異物を取り除くのがベストですが、もしそれでも出てこない場合は修理を依頼するのがベストといえるでしょう。
iPhoneの取り扱いは慎重かつ丁寧に
私たちにとってもっとも身近であり、なくてはならない存在となったiPhone。常に身につけているデバイスであるため、つい雑な扱いをしてしまうことはないでしょうか。当然のことながらiPhoneは精密機器である以上、強い衝撃や圧力をかけないようにしなければなりません。屋外という過酷な環境のもとで使用する場合は、さらにその意識を高く持っておく必要もあるでしょう。
海水浴やキャンプなど、屋外のアウトドアを楽しむ際には今回紹介してきたポイントをぜひ参考にしてみてください。