iPhoneの内部にはホコリが溜まっているって本当?正しいクリーニング方法とは
iPhoneの内部はさまざまなパーツで構成されており、非常にデリケートです。多くの方は意外に思われるかもしれませんが、実はiPhoneの内部にはホコリが溜まっていることも珍しくなく、これが原因でさまざまな不具合を引き起こす可能性もあるのです。
なぜiPhoneの内部にはホコリが溜まりやすいのか、それによってどのような症状が現れるのか、正しいクリーニングの方法や注意点もご紹介します。
目次
iPhoneの内部はホコリが溜まりやすい?
iPhoneの内部は精密な構造となっており、限られたスペースの中にさまざまなセンサー類やプロセッサ、メモリ、バッテリーパックなどがぎっしりと詰まっています。
また、iPhone7シリーズ以降は防水仕様となり、わずかな隙間からも水分が侵入しないよう気密性も高まっています。
しかし、iPhoneの修理などで本体を開けてみると、内部には細かなホコリやゴミが堆積しているといったケースも少なくありません。
一般のユーザーにとってはiPhoneを分解して内部を目にする機会はほとんどないため、このような事実を聞くと驚かれる方も多いでしょう。
iPhoneは設計上の仕様から、ホコリが侵入しやすい部分があります。たとえば、充電ポートやスピーカー、マイクの穴など、iPhoneには小さな開口部が設けられており、主にこれらの部分から微細なホコリやゴミが侵入することが多いのです。
また、iPhoneはポケットやバッグなどに入れて持ち運ぶ機会も多いですが、これらの内部には糸くずや小さなゴミ、ホコリなどが溜まりやすいことも大きな要因として考えられます。
佐藤大地
本体の外観は目立つ傷や汚れがなく、定期的に掃除をしていたとしても、本体を分解し内部を覗くとホコリが堆積していることが多く、時間が経つにつれてさまざまな悪影響を与える可能性があるのです。
iPhoneの内部にホコリが溜まったときに現れる症状とは
iPhoneの内部にホコリが溜まると、どのような悪影響が現れるのでしょうか。代表的な症状の事例をいくつかご紹介します。
充電の不具合
iPhoneの充電ポートにホコリが溜まっていると、充電ケーブルが正しく挿入できなかったり、接続が認識されない、あるいは不安定になることがあります。
佐藤大地
充電ポートはきれいな状態でも、内部の基盤やセンサーの周辺にホコリが溜まっていると、ケーブルを接続しているにもかかわらず同様の症状が起こる可能性もあります。
iPhoneの充電に関するコツや裏技を「知っておいて損はないiPhoneの充電に関するコツ・裏技を紹介」の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
スピーカーやマイクの音質低下
スピーカーやマイクの部分には小さな穴が空いているため、この部分にホコリが溜まると音がこもって聞こえたり、普段通りの音量であるにもかかわらず音が聞こえづらく感じることもあります。
また、マイクも同様で、通話時に自分の声が届きにくくなったり、雑音が入って相手が正しく聞き取れないといった症状も現れます。
このような症状は物理的に開口部が塞がっている状態だけでなく、基盤やセンサー部分にホコリが付着することで内部的な不具合によっても起こり得ます。
パフォーマンスの低下
iPhoneに搭載されるプロセッサは年々進化しており、高精度のグラフィックもスムーズに処理できるようになりました。
しかし、処理の負荷が上がることで本体に熱をもちやすくなり、冷却効率が低下するとオーバーヒートのような症状が現れ、処理性能が大幅に低下することがあります。
iPhoneのパフォーマンスを発揮するためには本体の熱は大敵であり、効率的に冷却しなければならないのです。
しかし、内部にホコリが溜まっている場合、それが物理的に冷却を妨げる要因となってしまい、本体が熱をもちやすくなり動作速度に影響を与える場合があります。
タッチ反応の鈍化
普段何気なく操作しているiPhoneのタッチパネルですが、高精度のセンサーが機能することではじめて正常な動作を実現しています。
センサーにとってホコリやゴミなどは大敵であり、内部の奥にまでホコリが侵入していくとディスプレイ周辺のセンサーに影響を与え、タッチ操作が正常に反応しなくなることもあります。
カメラの異常
iPhoneで写真や動画を撮影しようとカメラを起動した際、ピントが合わずぼんやりとした画質になったり、画面の一部に糸くずのような異物が映ったりすることがあります。
レンズの汚れを拭き取ったり、傷や割れなどが見られないにもかかわらず、このような異常が見られる場合には、内部に溜まったホコリが影響している可能性も考えられます。
佐藤大地
iPhoneのカメラは内部のセンサーによって撮影した映像を映し出しているため、ホコリやゴミが原因でセンサーに影響を与えると、カメラが正常に動作しないことがあります。
ホコリが溜まったときに現れる症状とその詳細
症状 | 詳細説明 |
---|---|
充電の不具合 | 充電ポートや基盤のホコリで、ケーブルが認識されない、不安定になる。 |
スピーカーやマイクの音質低下 | ホコリが溜まり、音がこもったり、音が聞こえづらくなる、通話時に声が届きにくくなる。 |
パフォーマンスの低下 | ホコリで冷却効率が低下し、オーバーヒートや動作速度の低下を引き起こす。 |
タッチ反応の鈍化 | センサー部分のホコリで、タッチ操作が反応しづらくなる。 |
カメラの異常 | ホコリがカメラセンサーに影響し、ピントが合わずぼんやりした画質や異物が映る。 |
セルフでのiPhoneのクリーニングは危険
iPhone本体の表面に付着したホコリや汚れを取り除くのは問題ありませんが、ユーザー自身が内部を分解し清掃するのは危険であるためおすすめできません。
iPhoneの充電ポート周辺を観察すると分かりますが、iPhoneに使用されているネジは極めて小さく、ホームセンターや100円ショップなどで販売されている一般的な工具では作業ができません。
専用の特殊な工具が必要で、極めて繊細な作業も求められます。修理経験のない方が作業をすると誤って部品を損傷したり、紛失したりするおそれもあります。
PCやスマートフォンなどに搭載されているさまざまなチップやセンサー類は静電気が原因で故障する危険性もあるため、専門知識やスキルがない一般のユーザーが作業をするのは避けたほうが良いでしょう。
iPhone内部に溜まったホコリを安全に取り除く方法
iPhoneの内部に溜まったホコリを安全に取り除くためには、専門の修理業者に依頼するのがおすすめです。
修理業者には修理やクリーニングに必要な専用工具が用意されているほか、専門知識や高度な技能を備えた技術者も在籍しているため、安心して任せることができます。
また、内部のホコリを確実に取り除くだけではなく、必要に応じて他のパーツに異常がないかを確認するなど基本的なメンテナンスも行ってくれます。
佐藤大地
クリーニングの費用は修理業者によってもまちまちですが、2,000円から3,000円程度が相場となっているようです。
修理業者へ内部クリーニングを依頼する際の注意点
iPhoneの内部クリーニングを行う際には、本体を分解する作業が必要です。
この際、Appleの正規修理サービス(アップルストアやApple認定サービスプロバイダによる修理)以外に作業を依頼した場合、その時点で保証が無効となる可能性があります。
そのため、内部クリーニングを依頼する場合には保証期間が切れている、あるいは保証期間が間近に迫っている場合などにおすすめです。
一方、Apple Care+に加入中で保証期間が残っている場合などは、アップルストアやApple認定サービスプロバイダへ相談してみましょう。
Appleでは内部クリーニングのみのサポートは行っていませんが、何らかの不具合があり修理に出した際に内部を分解し、必要に応じてクリーニングや部品交換を行ってくれます。
iPhoneを長持ちさせるためにはこまめなメンテナンスがおすすめ
iPhoneは気づかない間に内部にホコリが溜まっていることが多く、それを放置しておくとさまざまな不具合を引き起こす可能性もあります。
修理業者へ相談のうえ定期的にクリーニングを行うことはもちろんですが、ケースなども工夫してホコリが侵入しにくい使い方も検討してみましょう。