夏の季節は要注意!iPhoneが膨張するメカニズムと正しい対処方法

夏の季節は要注意!iPhoneが膨張するメカニズムと正しい対処方法

iPhoneを長期にわたって使い続けていると、本体の背面やディスプレイ部分が盛り上がったように膨張してくることがあります。このような膨張が見られても、多くの場合は本体の電源が入り正常に動作するため、あまり気に留めることなく使用し続ける方も少なくありません。

しかし、一歩間違えると大事故につながる危険も潜んでおり、早めの対策が求められます。本記事では、iPhoneの膨張はなぜ起こるのか、そのメカニズムを解説するとともに、膨張によって引き起こされる危険性や正しい対処方法なども紹介します。

夏に多いiPhoneの膨張

夏に多いiPhoneの膨張

そもそもiPhoneの膨張とは、iPhoneの背面またはディスプレイが盛り上がったような状態になることを指します。

適正な環境下でiPhone正しく使用していれば、iPhoneが膨張することはほとんどなく、正常な状態を維持できます。しかし、直射日光が当たる場所に長時間放置していたり、iPhoneに大きな負荷をかけるような使い方をしていたりすると、iPhoneが膨張しさまざまな危険をおよぼすケースもあるのです。

気温が高くなる真夏の季節はiPhoneに大きな負荷がかかりやすく、知らず知らずのうちにiPhoneが膨らむことも多いです。

iPhoneが膨張するのはなぜ?

iPhoneが膨張するのはなぜ?

なぜiPhoneは使用環境や使用方法によって膨張することがあるのでしょうか。ここまで「iPhoneの膨張」という表現を使ってきましたが、正確にいえばiPhone本体というよりも、iPhoneに搭載されたバッテリーが膨張するという表現が正しいでしょう。

iPhoneをはじめとしたスマートフォンにはリチウムイオンバッテリーが搭載されており、本体の体積のうち高い割合を閉めています。リチウムイオンバッテリーは繰り返し使用できる電池ですが、半永久的に使用できるものではなく、充放電を繰り返しているうちに劣化し寿命を迎えます。

リチウムイオンバッテリーの劣化

リチウムイオンバッテリーが劣化してくると、電池の内部にガスが溜まりやすくなり、これが膨張の直接的な原因となります。iPhoneに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、およそ500回の充放電を繰り返すと消耗が激しくなり、寿命を迎えるといわれていますが、使用環境によっては500回に達していない時点でも膨張する可能性があるのです。

リチウムイオンバッテリーの劣化・寿命によって現れる症状

リチウムイオンバッテリーの劣化・寿命によって現れる症状

リチウムイオンバッテリーが劣化してくると、バッテリーそのものの膨張だけでなくさまざまな症状が現れることがあります。具体的にどういった症状が多く見られるのか、代表的なものを紹介しましょう。

劣化・寿命によって現れる症状
  • バッテリーの消耗が早くなる
  • iPhone本体が熱くなる
  • 突然電源が落ちる

バッテリーの消耗が早くなる

特に多く見られる症状が、バッテリーの消耗が早くなるというものです。たとえば、新品で購入した時点では朝の出勤時から帰宅時までバッテリーが持っていたのに、2年、3年と使い続けるうちに丸一日持たなくなることもあります。

iPhoneの使用頻度や使用環境が大きく変わっていないのに、充電の減りが早くなったと感じた場合には、バッテリーの劣化が始まっていると考えたほうが良いかもしれません。また、それがきっかけとなってiPhoneの膨張が起こる可能性もあるでしょう。

iPhone本体が熱くなる

バッテリーの消耗と同様によく見られるのが、本体が異常に熱くなるという症状です。ときには手で持てないほど熱くなることもあり、ケースが変形したり低温やけどを引き起こしたりする危険もあります。

このような症状は充電をしながらiPhoneを使用しているときや、大きな負荷のかかるゲームや動画鑑賞などをしている際に起こりやすいですが、それ以外の場面で本体が熱をもつようになったらバッテリーの劣化を疑ってみる必要があります。

満充電の状態で突然電源が落ちる

バッテリーの消耗が激しくなり劣化がさらに進行していくと、満充電の状態で使用しているにもかかわらず、すぐに電源が落ちることもあります。

充電ケーブルを差した状態で電源を入れ問題なく動作していても、ケーブルを抜いてすぐに電源が切れてしまう場合にはバッテリーの劣化が考えられます。

iPhoneの膨張によって引き起こされる危険性

iPhoneの膨張によって引き起こされる危険性

iPhoneの膨張がリチウムイオンバッテリーの劣化・寿命であることはわかりましたが、これを放置しておくと危険な状態に陥ることもあります。具体的なリスクや危険について詳しく解説しましょう。

爆発

リチウムイオンバッテリーが劣化すると、内部にガスが溜まことで膨張を引き起こすと紹介しました。しかし、膨張したままの状態で使い続けていくと、やがてパッケージがガスの圧力に耐えきれなくなり、バッテリーの爆発を引き起こします。

極めて高い圧力が一気に解放されるため、その衝撃はすさまじく、飛散したバッテリーの破片によって怪我をするおそれもあります。

発火

爆発と同様に起こりがちなのが、リチウムイオンバッテリー内部からの発火です。劣化や寿命に近づくとバッテリーが熱をもつと紹介しましたが、爆発時のエネルギーが引き金となって発火を引き起こすことも考えられます。

もともとリチウムイオンバッテリーに使用されている素材は可燃性で、燃えやすいというリスクがあるのですが、安全に使用できるよう厳重に設計されています。しかし、爆発によってバッテリー本体が破損してしまうと、プラス極材とマイナス極材が混ざってしまい、化学反応を引き起こし発火に至る可能性があるのです。

iPhoneの故障

爆発や発火といった危険が及ばなくても、iPhoneの膨張を適切に対処しないまま放置しておくと、iPhoneの故障につながる可能性があります。

特に、過度にiPhoneが膨張するとディスプレイにヒビや割れを引き起こし、ガラスや外装の交換が必要になることもあるでしょう。また、バッテリーの変形によって強い圧力がかかると内部の基盤などにも影響を及ぼし、物理的な破損を招く可能性もあります。

最悪の場合、バッテリーを新たなものに交換しても起動しなくなり、本体の買い替えが必要になることも考えられるのです。

iPhoneが膨張した際の正しい対処法とは

iPhoneが膨張した際の正しい対処法とは

実際にiPhoneが膨張した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。基本的にiPhoneが膨張してくるということは、バッテリーの劣化が進んでいる証拠であり、ユーザー自身でできる有効な手段はありません

まずはiPhoneの修理に対応したお店や、Appleのサポートセンターへ電話するなどして症状を伝え、バッテリー交換を依頼することになります。あまりにも膨張の程度が大きく、外装やガラスに変形や割れなどが見られる場合には、外装の修理やガラス交換なども一緒に依頼することになります。

なお、膨張した状態のiPhoneは、いつ爆発や発火を引き起こしてもおかしくない危険な状態にあるため、修理に出すまでは一旦電源を切り、充電ケーブルも差し込まないようにしてください。

iPhoneが膨張したときに行ってはいけないこと

iPhoneが膨張したときに行ってはいけないこと

膨張したiPhoneは爆発や発火の危険が高いため、取り扱い方を一歩間違えると大きな事故につながります。これを防ぐために、iPhoneが膨張したときにやってはいけない禁止行為も押さえておきましょう。

充電する

上記でも紹介した通り、膨張した状態のiPhoneは充電せず、電源を切った状態にしておきましょう。必要以上に電気を流してしまうと、今以上にリチウムイオンバッテリー内にガスが溜まり、爆発のリスクが高まります。

早急にiPhoneを使用しなければならないときには、SIMカードを抜き取り使用していないほかの端末に差し替えて使用するか、SIMフリーの中古端末などを購入しましょう。

iPhoneを冷やす

iPhoneのバッテリーが熱をもっている場合、正常な状態に戻すために冷房に当てたり、冷却材を使用したりして冷やす方も少なくありません。しかし、これはNGであり、あくまでも常温の環境下で自然と冷えるのを待つのが正解です。

要注意!

急激にiPhoneを冷やしてしまうと、内部で結露が生じ基盤がショートする可能性もあるためです。その結果、修理に出した際に水没の判定が下され、高額な修理代金がかかる可能性があります。

強い衝撃・圧力を加える

膨張したiPhoneは、極めて慎重に取り扱う必要があります。誤って落下させるなどして強い衝撃を与えてしまうと、それが引き金となって爆発を引き起こす可能性があるためです。

また、バッグやポケットの中にiPhoneを入れた状態で強い圧力が加わってしまうと、こちらも爆発を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。

iPhoneの膨張を防ぐための対策

iPhoneの膨張を防ぐための対策

膨張を防ぐ対策
  • 充電をしながら使用しない
  • 純正の充電ケーブルを使用する
  • 満充電になったら充電をやめる
  • 真夏の車内にiPhoneを置かない

iPhoneを安全に使用するためには、バッテリーの膨張を引き起こさないよう日頃からの対策が必要です。具体的にどういったことに注意しなければならないのか、4つのポイントを紹介しましょう。

充電をしながら使用しない

充電中をしたままiPhoneを使用すると、通常よりも多くの電力が供給されバッテリーに大きな負荷がかかります。その結果、過度な発熱を引き起こし、本体が熱くなることがあります。

このような使い方を日常的に繰り返していると、バッテリー内部のガスが発生しやすくなり、結果的に膨張を引き起こす可能性があります。

Apple純正の充電ケーブルを使用する

Appleの純正品ではないケーブルまたはMFi認証を取得していない充電ケーブルを使用すると、適切な電流が供給されない可能性があります。その結果、過充電や過放電を引き起こし、やがてバッテリーが過度に発熱するリスクがあります。その結果、バッテリーが膨張し爆発する危険があります。

過充電をしない

バッテリーが満充電状態のまま長時間充電を続けると、バッテリーが過度に発熱し内部でガスが発生することがあり、バッテリーの膨張を引き起こします。そのため、過充電を防ぐためにもバッテリーが満充電になったら充電ケーブルを外すことを心がけましょう。

高温の環境下に放置しない

リチウムイオンバッテリーは高温環境に弱いという特性があります。特に、直射日光があたる室内や炎天下の車内といった高温環境下にiPhoneを長時間放置すると、バッテリーが過熱しガスが発生しやすくなります。特に真夏の車内ではリスクが高まるため、車外へ出る際には必ずiPhoneを持ち歩くようにしましょう。

特に夏は注意が必要なiPhoneの膨張

特に夏は注意が必要なiPhoneの膨張

2023年の夏は、梅雨明け前の段階から関東を中心に猛暑日が続出しています。このような暑い日が続くと、iPhoneのバッテリーが膨張するリスクが高まり、膨張や爆発を引き起こす危険性があります。

特に炎天下の車内では気温が50℃以上に達することも珍しくないため、車から外に出る際にはiPhoneを車内に放置せず、必ず持ち出すようにしましょう。また、夏の季節が過ぎても、充電器を接続したままiPhoneを使用したり、強い衝撃や圧力を加えたりすることでもバッテリーの膨張・爆発のリスクは高まります。

今回紹介した内容を参考にしながら、iPhoneの正しい使用方法を守り、膨張を未然に防ぐことを心がけましょう。また、少しでもiPhoneに異常が見られた場合には、早めに機種変更やバッテリー交換をするなど対策を講じることも大切です。

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