iPhoneを修理に出す基準とは?トラブルシューティングと修理費用の相場
iPhoneに何らかの故障や不具合が発生したとき、多くの方は修理か買い替えの二択を迫られます。故障や不具合の内容や程度によっても、どちらが安く済むのか、この先の買い替えのタイミングなどもあって迷うことも多いでしょう。
そこで本記事では、iPhoneが故障したとき、修理に出すべきか、買い替えるべきか検討すべき基準もあわせて紹介します。
目次
iPhoneの修理か買い替えかで迷う理由
iPhoneに故障や不具合が発生したとき、なぜ修理か買い替えの二択で迷ってしまうのでしょうか。よくある悩みの原因について解説します。
分割金(残債)が残っている
特に多い悩みが、iPhoneを分割で購入し、分割金(残債)が残っているケースです。新しいiPhoneに買い替えた場合、古いiPhoneの分割金と二重で支払うことになってしまい、月々の料金が上がってしまいます。
分割金の残りがあと数ヶ月程度であれば購入の検討余地もありますが、iPhoneを購入したばかりで2年、3年の分割金が残っていると、買い替えを躊躇してしまうでしょう。
修理代金が高額になる不安
修理に出す場合でも、修理代金が数万円単位の高額になるケースも珍しくありません。そのような不安から、修理に出したくても出せない、あるいは長期的に見て買い替えたほうが良いのではないかと考え、悩む方も多いでしょう。
特に、近年のiPhoneはディスプレイの大型化が進み、本体代金も10万円を超えるほど高額になっていることもあり、修理代金もそれに比例して高くなる傾向が見られます。
もうすぐ新モデルが発表されるかもしれない
iPhoneは毎年9月頃に新モデルが発表されており、それにあわせて機種変更を検討する方も少なくありません。
しかし、7月や8月といった新モデル発表の直前のタイミングでiPhoneが壊れてしまうと、モデルチェンジ直前の現行モデルへの買い替えとなってしまいます。また、修理をする場合でも、わずかな期間しか使用しないのに修理代金がもったいないと感じる方も多いでしょう。
このように、故障や不具合の程度だけでなく、タイミングによっても判断が分かれるところです。
iPhoneのトラブルシューティングと修理代金の相場
iPhoneの不具合や故障だと思っていたものの、本体の設定ミスが原因となっているケースも少なくありません。また、一時的な不具合であり、そもそも修理が不要であったというケースもあります。
そこで、iPhoneを修理に出したり買い替えたりする際に、事前に確認しておきたいトラブルシューティングの一例を紹介しましょう。
バッテリーの減りが早い
バッテリーの減りはiPhoneの使用環境によっても大きく左右されることがあります。特に、高いグラフィック性能が求められるゲームはより多くのパワーを必要とするため、それ以外の使用方法と比較すると自然とバッテリーの消耗が早くなります。修理に出す前にiPhoneの使用環境を振り返り、高負荷なアプリを使用していないかを確認しておきましょう。
チャットやSNS、音楽、動画の再生など一般的な使用環境であるにもかかわらず、バッテリーの消耗が激しくなってきた場合はバッテリー交換が必要かもしれません。
以下の手順でバッテリーの消耗度合いを確認してみましょう。
- 「設定」→「バッテリー」
- 「バッテリーの状態と充電」をタップ
- 「最大容量」※を確認
※最大容量とは、新品時と比較した場合のバッテリー用量であり、この数値が低いほどバッテリーが劣化していることを表します。
バッテリー交換にかかる費用
新品購入から1年の保証期間内またはAppleCare+へ加入している場合、バッテリー交換は無料で実施できます。保証期間が切れており、かつAppleCare未加入の場合、iPhone14シリーズは14,900円、iPhone13シリーズからiPhone Xシリーズは9,800円での交換となります。
音声が聞こえづらい
電話の受話口またはスピーカーからの音が聞こえづらい場合には、まずiPhoneの設定を確認しておきましょう。特に多いのは、音量制限と聴覚サポートの設定です。
- 「設定」→「サウンドと聴覚」
- 「ヘッドフォンの安全性」→「大きな音を抑える」がOFFになっているか確認
- 「大きな音を抑える」がONになっている場合、下のスライドバーで調節
- 「設定」→「アクセシビリティ」
- 「オーディオ/ビジュアル」→「バランス」のスライドバーを中央に設定
上記の方法を試しても改善されない場合には、受話口やスピーカー付近にホコリやゴミが詰まっていないかを確認してください。
いずれの方法でも改善しない場合、受話口やスピーカーの破損や故障の可能性が考えられるため、修理に出す必要があります。
受話口やスピーカーの修理にかかる費用
受話口やスピーカーの不具合は、修理ではなく本体交換になります。新品購入から1年の保証期間内であれば無料ですが、AppleCare+へ加入している場合には12,900円で交換が可能です。
また、保証期間が切れており、かつAppleCare未加入の場合には、iPhone14が83,800円での交換となります。
タッチパネルが反応しない
タッチパネルが一切反応しない、またはレスポンスが悪いといった症状が見られる場合には、まず電源が入っているかを確認してください。また、iOSの自動アップデートをONにしている場合には、アップデートが行われているタイミングの可能性もあります。
電源が入っていて、iOSのアップデート中でないことを確認できたら、まずは再起動をして正常に復旧するかを試してみましょう。
タッチパネル不具合の修理にかかる費用
タッチパネルの不具合についても、修理ではなく本体交換になります。新品購入から1年の保証期間内であれば無料ですが、AppleCare+へ加入している場合には12,900円で交換が可能です。
また、保証期間が切れており、かつAppleCare未加入の場合には、iPhone14が83,800円での交換となります。
電源が入らない
電源ボタンを押しても電源が入らない場合、いくつかの可能性が考えられます。長期間使用せず放置していたiPhoneの場合、充電ケーブルを差し込んだ直後は電源が入らないため、5分から10分程度待ってから起動を試してみましょう。
正常に使用できていたのに電源が入らなくなった場合には、以下の方法で再起動を試してください。
- 音量調整ボタン(いずれか)とサイドボタンを長押し
上記を試してみても改善されない場合は、iPhone内部の不具合や故障が考えられるため、修理が必要となります。
電源の不具合の修理にかかる費用
電源の不具合についても、修理ではなく本体交換になります。新品購入から1年の保証期間内であれば無料ですが、AppleCare+へ加入している場合には12,900円で交換が可能です。
保証期間が切れており、かつAppleCare未加入の場合には、iPhone14が83,800円での交換となります。
カメラが映らない
カメラを起動しても真っ暗なまま何も映らない、またはピントが合わずぼやけたようになる場合には、カメラ周辺が物理的に塞がれていたり、汚れが付着していたりしないかを確認しましょう。
たとえば、ケースの一部が干渉してカメラ部分を塞いでいたり、結露によってカメラが曇っていたりすることもあります。これらを確認しても改善されない場合、システム内部の一時的な不具合が疑われるため、再起動を試してみましょう。
もし再起動を試してもカメラの不具合が直らない場合には、iPhone内部の不具合の可能性が高いため、修理を依頼する必要があります。
カメラの修理にかかる費用
カメラの不具合については、本体修理が可能です。新品購入から1年の保証期間内またはAppleCare+へ加入している場合には無料で修理を依頼できます。
一方、保証期間外でAppleCare+にも未加入の場合、iPhone14であれば21,800円の修理費用となります。
ディスプレイの割れ・ヒビ
iPhoneの修理でもっとも多いのがディスプレイの割れやヒビではないでしょうか。物理的な破損であることから、早い段階で修理を依頼する必要があります。
ディスプレイが割れた状態でもタッチパネルが操作できる場合もありますが、割れたガラスが指に刺さってケガをする危険があるほか、ガラスの強度が失われ使用しているうちに細かい破片が落ちてくるリスクも高くなります。
ディスプレイの割れ・ヒビの修理にかかる費用
多くの方はケースを装着しているため、表面のディスプレイのみが割れるケースが多いですが、背面にも割れが生じることがあります。たとえば、iPhone14の前面または背面のみの割れやヒビであれば、AppleCare+へ加入している場合3,700で修理が可能です。しかし、両面が割れた場合は7,400円の修理代金となります。
一方、保証期間外でAppleCare+にも未加入の場合、前面のみの修理が42,800円、背面のみが25,900円、そして両面の修理には59,400円と高額な費用がかかります。
修理料金一覧表(iPhone14の参考価格)
修理箇所 | 保証期間内 | AppleCare+加入 | 保証期間切れ | AppleCare未加入 |
---|---|---|---|---|
バッテリー | 無料 | 14,900円~ | ||
受話口やスピーカー | 無料 | 12,900円 | 83,800円~ | |
タッチパネル | 無料 | 12,900円 | 83,800円~ | |
電源 | 無料 | 12,900円 | 83,800円~ | |
カメラ | 無料 | 21,800円~ | ||
ディスプレイ | 片面3,700円、両面7,400円 | 片面25,900円~、両面59,400円~ |
修理先の選び方
今回紹介したiPhoneの修理費用は、いずれもAppleまたはApple正規サービスプロバイダへ修理を依頼した場合の価格です。
ディスプレイの割れやヒビ、バッテリー交換など比較的安価に修理できるものもありますが、本体交換が必要な不具合となると本体を新品で購入するのと変わらないような費用がかかってしまいます。
そこで選択肢のひとつとなるのが、Apple正規サービスプロバイダ以外の修理店を選ぶ方法です。どのような基準でお店を選ぶべきなのか、押さえておきたいポイントを紹介しましょう。
法令を遵守しているか
iPhoneの修理店の信頼性や品質を判断する重要な要素として、法令を遵守しているかどうかが挙げられます。日本では2015年4月から「総務省登録修理業者制度」がスタートし、iPhoneの修理を行うお店は必ず登録しておかなければなりません。
修理店のWebサイトや店頭に「総務省登録修理業者制度」登録済の記載があるかどうか、さらには総務省のWebサイトの「総務省登録修理業者一覧」に掲載されているかも確認しておきましょう。
修理実績が豊富か
信頼性の低い修理店に依頼すると、すぐにiPhoneが壊れてしまったり、丁寧な作業をしてもらえないこともあります。
そのため、これまでの修理実績が豊富であるかを調べておくことも重要なポイントといえるでしょう。修理実績は各業者のWebサイトで公開されていることも多いですが、SNSの情報や口コミを参考にしてみるのもおすすめです。
信頼性の高い業者ほど多くの口コミが投稿されているため、参考になるはずです。
万が一に備えiPhoneのトラブルシューティングのポイントは押さえておこう
iPhoneに不具合が生じたとき、故障なのかどうかが判断できず修理に出すことを躊躇する方も少なくありません。
まずは自分自身で判断できるようにするためにも、今回紹介したトラブルシューティングの方法を参考にしてみてください。また、修理に出す際にはできるだけApple正規サービスプロバイダへ依頼することがおすすめですが、それ以外の非正規店へ依頼する場合にも、法令を遵守しているか、修理実績が豊富であるかも判断基準として覚えておきましょう。