iPhoneが15%割安に!?「Apple認定整備済品」とは何か?
さまざまな商品の値上げが続くなかで、通信費は工夫次第でコストを削減できる可能性を秘めています。通信費と聞くと携帯電話の基本料や使用料をイメージしがちですが、スマートフォン本体の購入費用もそれに含まれます。
日本ではAppleのiPhoneが高いシェアを占めていますが、近年ではエントリーモデルでも10万円を超えており、毎年のように買い換えるのは難しいほど高級品となってしまいました。
そんなiPhoneですが、実は2023年3月から本体価格を15%程度安く手に入れられる「Apple認定整備済品」を選べるようになったことをご存知でしょうか。本記事では、Apple認定整備済品とは何か、他社の整備済品との違いや選ぶメリット、購入時に注意しておきたいポイントなども含めて詳しく解説します。
目次
Apple認定整備済品とは
出典:Apple公式サイト
そもそもApple認定整備済品とは、初期不良によって返品された製品や、店頭で使用された展示品などをAppleが回収し、適切なメンテナンスや修理およびクリーニングを行ったうえで販売されている製品のことを指します。別名「リファービッシュ品」とよばれることも多いですが、Apple公式では「Apple認定整備済品」という名称で販売されています。
あくまでも一旦開封されメンテナンスや修理などが行われているため、厳密にいえば新品の製品ではありません。しかし、Apple認定整備済品はバッテリーが新品のものに交換されているほか、初期不良などがあった場合には該当のパーツをApple純正部品に交換した状態で販売しています。
出荷前には動作確認も行われていることから、新品と同様のコンディションでユーザーの手元に届くのです。
なお、Apple認定整備済品はアップルストアやアップル製品取扱店では購入することができず、Appleの公式サイトからオンラインで注文する必要があります。
Apple認定整備済品と他社の整備済品との違い
Apple認定整備済品は、あくまでもAppleが公式で販売しているリファービッシュ品のことを指します。
一方、「整備済品」と名のつく製品の中にはApple公式以外の販売、たとえばEC大手のAmazonや中古端末の販売店が取り扱っているケースがあります。Apple認定整備済品とその他の整備済品は必ずしも品質が同等とは限らず、注意が必要です。
たとえば、Apple認定整備済品は上記でも紹介した通り、新品バッテリーに交換されていたり、Apple純正のパーツが採用されていたりします。しかし、その他の整備済品の場合、必ずしもApple純正パーツが使用されているとは限らず、サードパーティ製の汎用品が使用されているケースもあるのです。
また、Apple認定整備済品は1年間の保証期間がありますが、その他の認定整備済品は数カ月間や半年間と保証期間が短いケースも少なくありません。
「Apple認定整備済品」と「その他の認定整備済品」の違い
種類 | 使用部品 | バッテリー | 保証期間 |
---|---|---|---|
Apple認定整備済品 | Apple純正部品 | 新品に交換 | 1年間 |
その他の認定整備済品 | サードパーティ製の可能性 | 交換されていない可能性 | 数カ月間~半年間が殆ど |
Apple認定整備済品に新たにiPhoneが追加
従来、Apple認定整備済品として販売されていた端末は、PC(iMac・MacBookシリーズ・Mac miniなど)、iPad、Apple Watch、その他アクセサリなどがほとんどで、iPhoneは販売されていませんでした。
しかし、2023年3月からiPhoneも取扱を開始しました。2023年4月7日現在、iPhoneのリファービッシュ品はiPhone12ProMax、iPhone13Pro、iPhone13ProMaxの3機種ですが、いずれも新品に比べて15%程度安価に販売されています。
Apple認定整備済品を選ぶメリット
Apple認定整備済品と新品の製品、さらには他社の整備済品と比較した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。4つのポイントをもとに比較してみましょう。
お得に購入できる
Apple認定整備済品は、新品に比べて価格が抑えられており安価に購入できることが最大のメリットといえるでしょう。
たとえば、iPhone 13(512GB)で比較してみると、新品が152,800円であるのに対し、Apple認定整備済品は129,800円と23,000円もの差があります。割引率で見ると約15%と限定的ですが、実際に金額に直して比較してみるとその差は大きく感じられます。
品質は新品の製品と同等
Apple認定整備済品は、いずれもApple純正のパーツへ交換されているため不具合が起こるリスクが低く、安心して利用できます。新品の製品と比較しても品質は同等であり、価格が安いからといって品質が劣ることは一切ありません。
中古端末のなかには、Apple純正のパーツが使用されていなかったり、バッテリーが交換されないまま外装のクリーニングのみを行った状態で販売されているものもあります。価格を抑えながらも、新品と同等の品質で購入できるのはApple認定整備済品の大きなメリットといえるでしょう。
保証やサポートも新品と同等
他社の整備済品との違いでも紹介しましたが、Apple認定整備済品には1年間の保証が付帯しています。
この保証は新品と同等の保証です。万が一、Apple認定整備済を購入した後で不具合や問題が発生した場合でも、1年間の保証期間内であれば修理費用がかからず、無料で修理または交換が行われます。
中古端末や他社の整備済品では保証期間が短かったり、保証内容が心もとないケースもありますが、Apple認定整備済品であればそのような心配もありません。
また、新品と同様にApple Careも追加することができます。
新品での販売が終了した製品も購入できる
iPhoneは新製品の登場サイクルが早く、1年ごとに新モデルが登場します。しかし、それにあわせて旧モデルが販売終了となるケースも多く、1世代前、2世代前のiPhoneは購入したくてもAppleオンラインストアでは販売していないことも珍しくありません。
しかし、Apple認定整備済品であれば旧モデルの端末も購入できる可能性が高いのです。
- 新品よりも約15%安く購入できる
- Apple純正のパーツが使用されている
- 1年間の保証期間がある
- 旧モデルの端末が購入できる
Apple認定整備済品でよくある誤解
Apple認定整備済品はもともと初期不良端末や展示品を修理・メンテナンスして販売していることから、新品と比較してさまざまな誤解を招くことがあります。
寿命が短い?
iPhoneはOSのサポートが終了する場合を除いて、一般的にバッテリーの消耗によって寿命を迎えるケースが多くあります。Apple認定整備済品はあくまで一度開封されたり、短期間であれ使用された端末であることから、バッテリーの寿命が新品に比べて短いのではないかと心配な方もいます。
しかし、冒頭でも紹介した通り、Apple認定整備済品は新品のバッテリーに交換されているため、寿命が短くなるといったことはありません。また、出荷前の段階でバッテリーを含む厳しい品質チェックも行っているため、新品と比べて品質が劣る心配はないのです。
Apple認定整備済品は中古端末のリサイクル品?
もうひとつのよくある誤解としては、Apple認定整備済品はもともと、ユーザーによって使い古された中古品なのではないか、というものです。
これも間違いで、冒頭に紹介した通り初期不良や返品、展示品として使用されたものを整備しています。非常に短期間のうちに何らかの理由によって返品されたもののため、内部の基盤やディスプレイなども含めて性能が大きく劣化していることはありません。
割高なのではないか?
中古端末として販売されているiPhoneのなかには、たしかにApple認定整備済品と比べて割安な製品も多く存在します。そのため、新品に比べて15%程度安くなっているとはいえ、Apple認定整備済が割高に感じる方もいるでしょう。
しかし、中古端末は必ずしも適切な整備やメンテナンスがされているとも限らず、場合によっては購入後1年程度で買い替えが必要になることもあります。新品同様の品質と保証を提供していると考えれば、Apple認定整備済品は決して割高ではありません。
Apple認定整備済品を購入する際の注意点
Apple認定整備済品にはさまざまなメリットがありますが、一方で購入時に注意しておかなければならないポイントも存在します。特に押さえておきたい2つのポイントを紹介しましょう。
タイミングによって在庫がないことも
Apple認定整備済品は初期不良などによって返品された製品をメンテナンス・修理したうえで販売しています。そのため、すべてのモデル・容量・カラーバリエーションが揃っているとは限らず、購入するタイミングによっては在庫がないこともあります。
特にエントリーモデルやベーシックモデル、ストレージ容量の小さい安価なモデルほど早いタイミングで売り切れる可能性が高いため、購入を希望する端末を見つけたら早めに購入手続きを済ませておくことが大切です。
ちなみに、新入学シーズンを控えた3月や4月は携帯電話の契約ニーズが増える時期でもあり、Apple認定整備済品の購入希望者も少なくありません。そのため、入荷のタイミングを逃さないよう、希望モデルがある場合にはApple公式サイトを定期的に確認しておくと良いでしょう。
iPhoneの現行機種は販売されていない
iPhoneのApple認定整備済品は、現行モデルが販売されていません。たとえば、2023年4月7日時点で販売されている端末は、iPhone12ProMax、iPhone13Pro、iPhone13ProMaxの3モデルのみであり、最新モデルのiPhone14シリーズは取り扱いがない状況です。
そのため、Apple認定整備済品は、型落ちのモデルでも良いのでなるべく購入予算を抑えたい方に適しているといえるでしょう。
ただし、2世代前、3世代前のモデルも極端に在庫の数が少なかったり、そもそも取り扱いがないケースもあります。上記でも紹介したように、iPhone12シリーズはベーシックモデルの在庫はなく、上位モデルのiPhone12ProMaxのみ取り扱いがある状況のため注意が必要です。
- 安価なモデルはすぐ売り切れる
- 最新モデルは取り扱っていない
- ラインナップが限定的
- 販売ページが見つけ辛い
Apple認定整備済品の購入方法
Appleの公式サイトを見ても、認定整備済品の販売ページを見つけられないという方も少なくありません。
Apple認定整備済品を購入するためには、以下の手順で操作をしてください。
Apple認定整備済品の購入方法
- Appleの公式サイトへアクセス
- ページ最下部にある「Apple Store」から「認定整備済製品」をタップ
- 「認定整備済品を見る」から「iPhone」を選択
- モデルを絞り込む
- 対象端末を選択し「カートに入れる」をタップ
Appleの公式ページのなかでも最下部の目立ちにくいところに認定整備済品のリンクが設置されています。上記以外の方法としては、検索サイトから直接「Apple認定整備済品」のキーワードで検索してみるのもおすすめです。
ちなみに、Apple認定整備済品はiPhone以外にもMacやiPadも存在しますが、いずれの製品も購入手順は上記と一緒です。
Apple認定整備済品を購入して上手に節約しよう
物価高によってさまざまな商品の価格が上昇し、経済的に苦しい状況にある方も多いのではないでしょうか。かつては10万円以下で購入できるモデルもあったiPhoneですが、今やベーシックモデルのiPhone14でも本体価格は10万円以上の値段です。
分割での支払いが選択できるとはいえ、できるだけ支払総額を抑えたいと願うのは多くのユーザーにとって当然のことといえるでしょう。
iPhoneの場合は、1世代前、2世代前の端末でも十分実用性が高く、動作も安定しています。長い目で見れば、新品や中古品よりもApple認定整備済品を購入することは賢い選択肢といえるかもしれません。